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台本「恋文×嘘をつかない」をお借りして。改稿:【訳あり姫君スピンオフストーリー「ユメ」と言う名の姫君の物語の一番最初のストーリー】

 未曾有の流行り病のおかけで私とウルガーは初めてこの世界で離れ離れになった。もともとはこの世界にない病気で私一人が亡くなるという筋書きが私を都合よく思わない人々に操作されそうになった
。とっさに、来ていた木の宮に私たちは残り、ウルガーは医者として大神官様と都に戻った。初めて離ればなれ。一度、無意識と意識の世界に離れたことはあったけれど、私にとっては一瞬のことで、こんなに不安な夜を過ごすことはなかった。お母様は、そんなウルガーを思って不安定な私に『ユメ』という名前を与えて、忘れるように仕向けられた。
 そんな中、ウルガーは一時的にワクチンを打ちに都から離れている木の宮に戻ってきた。そして、まだ罹患していない子供やお姉様を連れて、もどってきた。でも、戻ってくれてもすぐに王宮にもどらなきゃいけなかった。彼は指輪とネックレスを置いて出た。この手紙と共に。

『楽しい時も、
寂しい時も、
悲しい時も、
君の傍に居たいけど、
今はそれが出来ないから、
せめて君に嘘は付かない、
言いたい事はちゃんと伝えるって
決めたんだ。

嘘を付かない事で、
逆に君を傷つけるかもしれない。

それでも、
僕は君に素直で居たいんだ。』

甘いことはいわない。そばにいられない。それは医者として王太子として、そして私の命を守るため戻るしかなかったということ。

「ウルガー」
 わかるけれど、心細さからポロポロ泣く私をお母様が抱きしめる。
「かわいそうな子。でも、あの子の相手ならわかってますね?」
「はい。私にはこの手紙達がありますから」
「あの子も気障な子ね。でも覚えておけばいいわ。時として人は愛する人のために嘘を言うことを。それをあなた達はやめた。並大抵のことではありませんよ。何があっても一緒におなりなさい」
「はい。お母様」
「さぁ。ユメ。明日からどろんこになりますよ。服を選びましょう」
「それもドレスですか?」
「貴婦人は仕事着もドレスですよ」
 窮屈なドレスに悲鳴をあげる。
「ドレスきらーい!!」
 木の宮にぎゅうぎゅう絞られて叫ぶ声が通り過ぎていく。
 これから『無意識としてのユメと言う姫』に私はしばらくならなくてはダメになったのだった。ユメには恋人も親も誰も居ない。それ、としているだけ。だから無心にただ土と戯れること。これがユメとなった私の使命だった。ただのそれ、なのにいちいちユメなんて名前つけなきゃいけないなんて、ほんとこの世界はややこしいわ。
 でも、この愚痴もウルガーにあったときまで取っておくわ。
「ユメ! ウルガーは存在しませんよ!」
「はぁいー。こらー。いたずら小僧ー。スコップを返しなさいー」
 ドタバタ、幼い双子弟と泥んこ大運動会を毎日繰り広げる私だった。お姫様にほど遠い状態で私はかなりの日々を過ごすことになったのだった。乙女心は哀しいわ。こんな泥んこでお……。
「ユメ!!」
 鬼のお母様の声が飛ぶ。お嫁もウルガーも思いかけるとすぐわかるんだから。鬼だわ。
「何か?」
「いいえ。タピオー!」
 私はまた幼い弟を追いかけ回し始める。トラみたいにバターになって溶けたらどうしてくれようかしら。
 私の『ユメ』修行は始まったばかりだった。これが代々続くユメ姫の伝統の始まりになるとは誰も思っていなかった。


かなり、物語の学術的なところをついています。「訳あり姫君」と「ユメという名の」は続いているのです。同時に書いていますが、ユメはフライングスタートです。ギャグにしたかったのですが、逆に種明かしですね。別々に読んでも全然かわらないんですけど、ユングの知識が少しあると便利です。私の学術用語は主に河合隼雄先生によるところが大きいです。エッセイ読み込んでますから。かといって京大に居たわけではないのですが。それぐらいのドンの樋口先生の講義を一年とっただけ。あとは読書だけです。もともとカウンセリングも体験していますので、経験だけはあるんですよね。最後の講義を読みかけてリレイションシップとか出そうできゃー、なんですけど。関係する、という言葉がそれ、とどう関わるのかというので大混乱。まだまだ序盤でたおれている現在です。読まなきゃ。って野球見れてない。かかってるのに。でも、これは横浜勝ちそう。六回裏だし。って。点が入った。奇跡。この一点はタイガースをノリノリにさせるぞ。ほっと同点です。さて、何か書きましょかね。って血糖値測らないと。血圧ー。妹にガン無視され母に「復調」が通じなかった。どういうこと? っていいたい。

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