ホテルと航空券の予約サイトの研究


これは、2017年8月に、書いたものである。

1 国内のホテル
2 海外のホテル
3 国内の航空券
4 海外の航空券


1 国内のホテル

ホテル予約と入力して、グーグル検索すると、画面トップは「ブッキングコム」。東京のホテル、最安値、予約という謳い文句がみえる。どうも東京のホテルに特化しているようなのでパス。2番目は「エクスペディア」。このサイトを使って「ホテルフォルツァ長崎」の部屋の価格を調べてみよう。

このホテルの場所には、しばらく前まで「岡政」というデパートがあった。40年ほど昔、ここで夏のアルバイトをしたとき「トイレに行きたい」なら「ちょっと遠方へ」と言うように教わった。そのことを、河盛好蔵の「河岸の古本屋」を読みながら思い出したので、このホテルを例に出したにすぎない。

フォルツァはイタリア語で、掛け声として「頑張れ」という意味にもなるらしい。

ホテル名、10月22日、大人2人、1泊と条件を指定すると、画面が変わって目指すホテルがトップに表示された。ダブルルームの値段は、2人で8333円。税、サービス料は別。どうして、税、サービス料込の価格を示さないのだろう。不親切極まりない。さらに2回クリックして、やっと支払い額がわかった。きっかり9000円(税、サービス料込、以下同じ)である。ベッドの幅は記されていないが、部屋の広さは18平米。

エクスペディアの次は「ホテルハンター」。オンライン予約のみの割引と宣伝している。エクスペディアと同じく、ブッキングコムを介して9000円。現地払い、宿泊日の2日前まで、キャンセル料はタダと記されている。

グーグルに広告料金を払っている最後のサイトは「トリップアドバイザー」。最安値は「るるぶトラベル」の8000円。しかし、るるぶトラベルのサイトに行っても、肝心の8000円の部屋は見つからない。改めて、ダブルルームと指定して検索すると9000円。部屋の広さは、およそ17平米、ベッドサイズは、200x140cm。

エクスペディアを使えば、8730円。ダブルベッドだが、ベッドの大きさは、分からない。部屋は18平米。トリップアドバイザーから入って、エクスペディアで予約するするほうが270円も安くなるとは不思議である。

広告料金を払っていない最初のサイトは「トラベルコ」。最安値はエクスペディアの8460円。事前払いと指示がある。エクスペディアはサイトによって異なる価格を用意しているらしい。それとも、8730円は、現地払いの価格なのか。

るるぶトラベルのサイトで100本の映画が好きなだけ見られるビデオオンデマンドの部屋があることが分かった。

日曜日の料金は2人で1万円。作品が邦画か洋画か、またアニメが含まれているのかどうかなど、何も記されていない。せめて、半分の50本でも映画のタイトルを載せておくべきであろう。

1万円は、日曜宿泊の値段。土曜日の夜、恋人とふたりでホテルに閉じこもり、40インチの画面で映画三昧しようとしたら、料金はなんと2万6000円。たった1日違いで、値段は倍以上に。

HISの提供する「旅プロ」で調べると、ダブルルームは、アゴダで予約すれば、8752円。現地払い、前日までキャンセル料はタダ。

次の「フォートラベル」によると、ダブルの部屋は、同じくアゴダで8662円。同じ画面に、もっと安いホテルが紹介されている。長崎ワシントンホテルなら、ベッドはセミダブルだが、アゴダを介して6064円。これは、もちろん2人分の料金だから、ユースホステルよりも安いのではあるまいか。この国がデフレ不況に陥っている、なによりの証拠であろう。

格安ホテル料金比較サイトの「トリバゴ」を見てみよう。ブッキングコムを介して9000円。エクスペディアなら、8730円。

最後に、ホテルフォルツァ長崎のサイトを訪れると、ベッド幅140cmのダブルベッドで8500円、160cmにすると9500円となっている。ここで予約すると、各種予約サイトよりも500円安くなると記されている。

これまで見てきたなかで、トラベルコを勧めたい。事前払いか現地払いかの区別がはっきりしており、税込価格の表示も分かりやすいから。また、ここからエクスペディアを介してダブルルームを予約すると、ホテルフォルツァ長崎のサイトで予約するよりも、40円だけ安くなる。いきなりエクスペディアで予約すると500円も高くなる。こんな事が起こるのは、この日だけかもしれないが。

最安値を求めながら、仲介サイトを訪れたあとで、目指すホテルのサイトに立ち寄ることをおすすめしたい。もっと安いかもしれないから。

検索結果に出てこない「ヤフートラベル」で、格安のホテルをみつけた。コンフォートホテル長崎、ベッド幅160cmの部屋である。しかも朝食までついて、価格はなんと7000円。バスルームが小さい、部屋の温度調節ができない、カビ臭いなどと苦情が多々並んでいるが。

サイトからサイトへ移動するとき、税抜価格と税込価格が混在して、頭が混乱するので、すべて税込、サービス料込で表示してくれないだろうか。

2017/08/20  14~16時に調査


2 海外のホテル

世界各地の旅行案内書を出している、米国の出版社としては、老舗の「フロマーズ」が、今年の4月下旬、航空券とホテルを予約するとき、どのサイトを利用するのがいいか、順位をつけて発表した。

ホテル予約サイトとして、トップに挙げたのは「ブッキングコム」。早速このサイトを利用して、ロンドンのお得なホテルを捜してみよう。10月22日、2人と入力する。この日のレートは、1ポンド143円。

もう20年以上も前に、筆者がロンドン滞在中に泊まったのは、ヴィクトリア駅から歩いて10分程の「エリザベスハウス」。1泊、簡単な朝食付きで15ポンド、当時のレートで3000円ぐらいである。もちろん、シングルベッドの個室である。

したがって、ここでも数万円も取られる高級ホテルは、考慮外とする。値段を2人で6500円以下で検索すると、トップに表示されたのは「セーフステイ ロンドン ホランドパーク」(以下SLHPと略)。

3段ベッドの男女共用の相部屋なので、夫婦でも恋人どうしでも、部屋が別ということはない。料金は2人で4116円(税、サービス料込、以下同じ)。これは、おそらく、閲覧時のカード決済の価格であろう。キャンセルしても返金なし。現地で払いたいときは、5145円、36ポンドとなっている。東京は神楽河岸にあるユースホステルだと、2人で6900円取られるから、これでもまだ安い。

これだけ安いので、シャワーとトイレ、洗面所は共用である。シャワーの使い勝手が悪いほかは、閑静な住宅街にあって、スタッフが親切だと好評を博しているようだ。

名前のよく似た「セーフステイ ロンドン エレファント&カースル」(以下SLE&Cと略)というホステルもある。写真で見る限り、瀟洒な建物は、以前、労働党が本部として使用していたと記されている。こちらは、2段ベッドが4台ある部屋である。

読書灯とカーテン付き。値段は、2人で4651円。口コミによると、よく掃除が行き届いて清潔だという。相部屋のいいところは、同室の者から、いろんな情報が得られる点である。

相部屋はプライバシーが保てないから嫌というなら、「クウィーンホテル」はいかが? ダブルベッドの小さな部屋(わずか8平米)で、料金はなんと4637円。世界一宿泊料の高いロンドンで、この価格は見逃せない。

市内からは、かなり離れているが、最寄りの地下鉄駅まで、徒歩10分と交通の便もいい。やれカーペットが破れている、シャワーのお湯が出ないなど、苦情もたくさん出ているが、スタッフは親切らしい。

フロマーズがブッキングコムに次いで高く評価したのは「アゴダ」。ここで予算7000円ぐらいと指定して、検索すると、トップ表示は「パルマーズロッジ スイスコテジ」(以下PLSCと略)というホステルであった。ここは相部屋でも、ダブルベッドになっている。料金は4363円。

SLHPのベッド代は、アゴダでは2人で4114円。ブッキングコムと価格は、ほとんど変わらない。57平米の大部屋には、ベッドが33もあると記されている。3段ベッドだから、11台である。

SLE&Cの同じ相部屋はどうかと調べてみると、2人で5714円。ブッキングコムより1000円近く高い。クウィーンホテルは、部屋が少しだけ広くなり、朝食付きで1万1856円。ブッキングコムの倍以上の値段である。

フロマーズのおすすめ第3位は「プライスライン」。SLHPとホテルを指定したのに、検索結果は、ほかのホテルが出てくるだけで、肝心のホテルがない。しかも、検索結果が出てくるまでの時間が長く、価格表示も円はない。中国の人民元はあるが。

PLSCの相部屋のダブルベッドの値段は、39.40ドル、110をかけると4334円。アゴダの価格とあまり変わらない。

第4位以下は省略。国内のホテルを予約するとき、使いやすかったトラベルコで先のホテルを検索してみよう。SLHPは掲載されていない。SLE&Cには、ブッキングコムへのリンクがあり、値段は1円だけ高く4652円。

値段の比較的安いホステルを予約するときは、「ホステルズコム」というサイトがある。SLHPを検索すると、ブッキングコム介して、価格は2人で28.80ポンド。これに143を掛けて、円に換算すると4118円。ブッキングコムは、その日の正確なレートを適用しているようだ。

SLHPのサイトでは、グーグルマップを使って、ホテル内の様子が手に取るように分かる。ホテルの外に出て、航空写真に切り替えると、周りは鬱蒼とした森に囲まれ、すぐ近くに「京都庭園」がある。

SLE&Cの中にも仮想旅行ができる。受付に行くと、50台の防犯カメラが写すモニター画面が見える。これをプライバシーの侵害とみるか、安全安心のための必要悪と考えるかは、人によって違うだろうが。

朝10時から無料のウォーキングツアー、夜はパブ案内と掲示板に書き込みがある。また、2段ベッドが4台ある8人部屋の天井には、煙探知機はあっても、スプリンクラーは設置されていない。もっとも、もう2年も前に撮影されたものではあるが。

「フロマーズ」は、ブッキングコムに最高点を与えているが、その評判は、あまり芳しくない。ネット上には、悪口雑言が溢れている。ブッキングコムで予約して、料金は現地払いにし、宿泊する前日にメールで確認するのが最良ではあるまいか。

直接、SLHPで予約しようとすると、1人264ポンドも請求されるという、とんでもないことが起こる。143を掛けると3万7752円。

2017/08/10 10~12時に調査


3  国内の航空券

検索欄に国内航空券 格安と入力してトップに表示されたのは、「スカイチケット」。このサイトで福岡から札幌まで、どのくらいで飛べるのか、片道の価格と時間を調べてみよう。10月22日、大人1人と指定すると、最安値は「ピーチ」の1万1080円。福岡11時45分発、札幌には14時05分着、所要時間2時間20分。

2番目は「格安航空券センター」。なぜか格安航空会社のピーチが表示されないので、最安値は全日空の1万8280円。11時35分福岡発、13時55分札幌着で、所要時間は、ピーチと同じ2時間20分である。

次いで表示されたのは、「スカイスキャナー」。料金は、前述のスカイチケットを経由して7840円。他のサイトからスカイチケットに入れば、3000円以上も、価格が安くなるとは理解に苦しむ。

広告料金を払っていないサイトの最初は「トラベルコ」。最安値は、同じくピーチの「DeNA」を介して8610円。「チケットリンク」なら8620円。スカイチケットなら8640円。スカイチケットは、サイトごとに価格が変わる。

次は「H.I.S.」だが「ただいまページを読み込んでいます」と表示されるだけで、1分以上も待たされるので省略。

次の「トラベルjp」で検索すると、最安値は、ピーチの7880円。これを大阪の会社「ホットチケット」で予約するように指示された。3日後の10月25日に出かけるなら、料金は、ぐっと安くなり7180円。ただし、コンビニ決済を選べば、手数料は1500円。

次はDeNAトラベルの運営する「スカイゲート」。ピーチの1万0290円が最安値である。

ピーチの予約サイトで調べてみると、ホットチケットより、さらに安くなり、7290円。さらに2日後の24日、また25日、26日に出発を延ばすと、驚きの5690円。この値段で、機内持ち込み手荷物は、10キロまで無料になるのだから、ほかのサービスがたとえ有料であっても、なにも文句はない。

博多から新幹線で東京へ向かうとき、特急券だけで8510円も取られる。また、夜行バスを使って、福岡から東京まで行くとき、最安値が8500円である。

これに対し、福岡から札幌までの航空料金は日によっては、5690円にすぎない。思わず目を疑ってしまうではないか。コンビニ決済にすると、手数料として550円取られるが、まあいいだろう。

あと、検索結果には出てこなかった「グーグルフライト」があって、毎日の航空料金の一覧性に優れている。例えば、ピーチを使って福岡から札幌に飛ぶ時、最安値は前述の5690円。10月4日、5日、24日、25日、26日に限ることが一目瞭然である。復路も10月25日、26日に利用すれば、同じく5690円。

国内線でも、グーグルフライトが重宝するとは、意外であった。

2017/08/18 10~12時に調査


4  海外の航空券

航空券を予約するとき、フロマーズが、最安値の穴場として、トップに選んだのは「モモンド」。このサイトのトップページに耳寄り情報があったので、少し紹介しよう。

出発する56日以上前に予約すること。また出発日は火曜日にすること。以上を考慮して、東京羽田からロンドンヒースローへ、どのくらいで飛べるのか、時間と価格を調べてみよう。出発日は10月24日、火曜日、帰国は1週間後の10月31日、同じく火曜日、大人1人。

モモンドは、サイト仲介サイトなので、旅行会社へ繋ぐ役目をする。一番安いのは、「トリップスタ」の538ポンド。この日のレート、1ポンド140円で計算すると、7万5320円(諸税等込、以下同じ)。トリップスタのサイトでは、日本語で表示されていて、価格も7万6191円。1ポンド141円62銭ぐらいで計算しているが、まあ許せる範囲であろう。

中国南方航空を使い、羽田を15時40分に発って、広州までが4時間45分。ここで5時間30分、時間をつぶし、翌月曜日の00時55分発のヒースロー行に搭乗、ロンドン着06時35分、12時間40分の飛行である。全体の所要時間は、およそ23時間。

復路は、10月31日火曜17時35分にヒースロー発って、パリに19時50分着。パリのシャルルドゴール空港で、なんと16時間近く待たされ、翌水曜の11時45分にパリを発ち、広州着は翌木曜6時20分。ここでまた2時間35分待たされて、羽田到着は13時50分。イギリスでは10月29日午前2時に、夏時間が終わる。広州と東京の時差は1時間。しめて35時間15分。

行きは、途中の空港で5時間半、帰りはパリと広州で18時間半も浪費するのは常軌を逸していると、まあ考えるのが普通であろう。

そういう人には、羽田を08時50分に発って、12時間20分後、ヒースロー13時10分着という英国航空の直行便がある。これなら、地下鉄を使ってロンドン市内に入っても、ホテルでチェックインして、しばらく昼寝をするのにうってつけである。帰りは、日曜日の10時50分、ヒースロー発、翌月曜日07時35分、羽田着の直行便である。所要時間は11時間45分。

エクスペディアの提供する往復料金は11万6160円。同じ便を英国航空のサイトで予約しても同価格であった。ただし、帰りの便を日本航空のヒースロー9時30分発、翌日6時25分、羽田着にすると11万1160円。英国航空と日本航空は、共同運行をしているのであろう。帰りの便は、日本航空でも、BA4608と便名が記されている。

フロマーズがモモンドの次に推薦しているのは「スカイスキャナー」。モモンドでみつけた最安値の中国南方航空便は、オメガフライトストアで予約すれば、トリップスタより10ポンド安い528ポンド、7万3920円。英国航空の直行便は、英国航空のサイトで予約するように指示され、料金は同じ11万1160円。

フロマーズおすすめ3番目は、「グーグルフライト」。国内線でも大いに重宝したサイトである。最安値は、アシアナ航空便の7万8480円。行きは20時間あまり、帰りは18時間15分かかるフライト。アシアナ航空かエクスペディアで予約する。直行便は、英国航空と日本航空を利用して11万1160円。

フロマーズのおすすめサイト4位以下は省略。

これまで、国内のホテル、海外のホテル、国内の航空券を検索したとき、広告料金を払っていないサイトとして、必ず最初に表示されたのは、トラベルコであった。このサイトに敬意を払って、羽田ヒースロー間の航空券を探すことにしよう。

乗換1回の最安値は、楽天トラベルの提供するエミレーツ航空の7万7240円。行きは19時間55分、帰りは17時間20分。直行便なら、英国航空を利用して10万8460円。11万円を切ったのは、初めてである。この価格は、英国航空のサイトで予約するより、7700円も安い。

サプライスという旅行会社でカード決済する必要がある。しかし、クレジットカードを持たない人も多くいるのではないか。ヤフオクと同じように、手数料がタダのコンビニ決済も追加してほしい。

10月27日まで福岡からフィンエアーが、週3日、直行便を出していると、ポスターで見かけた。はたして、どのくらいの価格と時間でヘルシンキまで飛べるのだろうか。グーグルフライトで調べてみよう。10月13日出発、24日帰国の便なら8万9900円であった。行きは10時間25分、帰りは9時間30分かかる。予約は、なぜか英国航空のウェブサイトでするようになっている。おそらく、コンビニ決済はできないに違いない。

トラベルコなら、もっと安い旅行会社を紹介している。トラベルウエストは、上の往復料金を8万6200円としている。支払い方法は銀行振込。この支払い方法が、すぐに分かるところもトラベルコならではである。

次いで、福岡発、ヘルシンキ経由でロンドンに飛びたいなら、11万2180円が最安値であった。もちろん、往復料金である。ヘルシンキでの待ち時間は、行きが1時間35分、帰りが1時間15分と短いので、暇を持て余すこともないだろう。10月13日10時、福岡発にすると、ロンドン発は、10月16日から19日、また23日から26日ならいつでもいい。

このグーグルフライトでは、2ヶ月単位の料金一覧表示のほか「出発の空港を変えたり、出発日をずらしたりすると、このくらい安くなりますよ」という指示が出ることもあり便利である。

また「旅程を捜す」とあって、例えば、羽田発、10月、2週間、ヨーロッパ、ハネムーンと指定すると、人工知能が行き先を提案してくれる。エーゲ海に浮かぶギリシャのサントリーニ島なら41万円ほど、スペインのバルセロナなら7万7000円ぐらい、パリを選べば、5万2000円といった具合である。他にも地中海のマルタ島、フランスのボルドーなど6箇所が候補に挙がっている。

海外旅行を計画しているなら、トラベルコとグーグルフライトをおすすめしたい。

トラベルコ - 旅行比較サイト|格安航空券・ホテル・ツアー (tour.ne.jp)

Google フライト




2017/08/19 20~22時に調査






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