ランサローテ島で民泊を楽しもう



これは、2018年8月に、書いたものである。

大手民泊サイトを訪れて、検索欄にランサローテ島と入力すると、トップに表示されたのは「海のよく見える場所、大きな庭園つき」。一軒家である。

場所は島の北部、観光客のあまり来ない地域。ビーチまで車で5分、2万平方メートルの果樹園には、イチジク、レモン、ブドウ、桃の木があり、朝、鳥のさえずりで目を覚まし、道路にはウサギが走っている。

利用客の評価も高い。12月の中旬は、予約がまだ入っていないので、5日間、泊まることにしよう。所有者の名は、エルダッドとルーシー。宿泊料金は、ふたりで4万7092円。

壁は石、天井は木で作られた部屋は、かなり広い。100平方メートルはあるのじゃないか。ダブルベッド、キッチン、食卓が見える。

滞在中は、モニカという名の女性が面倒をみてくれる。朝はとれたての卵とトマトが、もらえるらしい。

スーパーへ買い出しに出かけて、自炊をしてもいいし、外食の場合は、レストランの場所を教えてくれる。また、ハイキングが好きなら、恰好のコースも伝授してくれるそうだ。

どうも人里離れた場所にあるらしいので、空港でレンタカーを借りたら、日の高いうちに行ったほうがいい。夜になると、満天の星空が楽しめるのではないか。

空港からの所要時間がわからないのが、少し不安だ。きちんと予約をすれば、きっと詳しい情報をメールで教えてくれるはずなのだが。

宿泊最後の日、風呂のボイラーが壊れてしまい、別の家でお湯を使ったと、利用客による苦情が書き込まれている。

ネットに接続すれば、日本語によるニュースが手軽に見られるとはいえ、ここでは「方丈記」や「ウォールデン、森の生活」などをベッドに持ち込んで、読むのはいかが。

横にはパートナーがいるから、声に出して読んであげるのもいいだろう。800年以上も前に書かれた日本の古典を、大西洋に浮かぶ小さな島で、耳から味わうのは、なかなか乙なものである。

次回は、カナリア諸島のひとつ、イエロ島にあるパラドールを紹介しよう。パラドールとは何か。

齋藤慶一郎著「カナリア諸島、たびたびの旅」から引用すると・・・

パラドールとは、スペイン国営の国民宿舎のことであるが、日本の国民宿舎とはまるで違う。全然、比較にならないくらい、全身全霊を込めて力一杯違う。

パラドールは、古城や修道院、昔の豪邸などを改造したところが多く、日本でいえば名の通った立派なお城に泊まるような感覚である。それでいて宿泊費は二人で二万ペセタ前後であるから、超破格といえよう。(注:20年ほど前の二万ペセタは1万6000円ほど)

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