ビングとフランス国立図書館


これは、2015年9月に、書いたものである。

マイクロソフトの検索エンジン、ビングを使って、フランス国立図書館のデジタルアーカイブ(Gallica)に保存されいる資料、およそ125万点にアクセスできるようになったと、2010年10月8日のAP通信が伝えている。

11月上旬、めったに利用しないビングで、モリエールと打ち込んだ。さすがに、カタカナ表記の入力で検索結果に出てくるのは、すべて日本語のサイトばかり。画面左下に、ビング英語版はこちら、とあるので、そこへ飛ぶ。

しかし、画面上部の表記がすべて英語に変わっただけで、英語のサイトは1件も表示されていない。先のAP通信の英文記事には、モリエールの自筆原稿から19世紀の新聞まで検索できるとある。

アルファベットを使って「守銭奴」の作者名を入力すると、最初に表示されたのは、英語版「ウィキピディア」であった。本名は、ジャン・バティスト・ポクラン、一般には舞台名モリエールで知られている、と書かれている。

画面下に「モリエールをフランス語で」とあるので、ここをクリック。しかし、上位20位までにフランス国立図書館のサイト(bnf.fr)が掲載されることはなかった。最新の検索エンジン、ブレコ(blekko)でも、同じ結果であった。ネットの記事は当てにはならないということか。(ブレコは、現在では使えなくなった。グーグル並みのものを作るのは、むつかしいのだろう。2022年12月記す)

しかたがないので、仏国電脳書庫の愛称を入力して、目指すサイトに行き着いた。11月16日、岩波文庫から、吉川一義訳で、プルーストの大作、全14巻の第1巻が出版される予定なので、「失われし時を求めて」の草稿がみられるのか調べてみよう。

著者の姓名を入力して得られた結果は、書籍2288件、定期刊行物1170件、自筆草稿75件、写真2件であった。ただし、写真は、弟ロベールのもので、本人のがないのが残念である。マルセルの手書きは、金釘流の悪筆なので、フランス人研究者でさえも、これを読み解くのは大変なのではあるまいか。

「長い間、床に就くのが早かった」に相当する文章をついに、見出すことはできなかった。

Longtemps, je me suis couché de bonne heure.

For a long time, I went to bed early.
(グーグル翻訳)

For a long time, I used to go to bed early.
(スコット・モンクリーフの英訳)


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