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投資における実力と運の違い

2020年3月、新型コロナウイルスの影響により市場の混乱が大きくなっており、一説にはリーマンショック級の騰落が発生していると言われます。この混乱の中で、投資を行なっている方の中には、大きく利益を獲得した人、大きな損失が発生した人など様々でしょう。今回はそんな市場環境で得られたパフォーマンスが、実力だったのか運だったのかを考えることで、今後の投資に対する考え方を改めていきましょう。

市場の動き

多くのニュースが取り上げているように、現在の株式相場は大きく下落しました。日本株は2020年1月末から3月半ばにかけ30%下落し、米国株では30%を超えた下落が発生しトランプ大統領就任前の水準まで下落しました。

2月には安全資産への逃避のため日本円や米ドルが大きく買われ、3月になると追証に追われたヘッジファンドが多額の米ドルを求め、全ての通貨に対して米ドル高となりました。

あなたの投資行動は?

大きな市場の動きの中、あなたはどのような投資行動をとったでしょうか?

米国では2020年2月上旬から中旬にかけ、代表的な株式指数が過去最高値をつけていたことから、ロングポジションを持っていた方も多いでしょう。そのような方であれば、損切りした方もいるかもしれませんし、すぐに戻るとして大きな含み損を抱えながら保有を続けている方もいるかもしれません。

またあまりポジションを持っていなかった人もいるでしょう。初心者かもしれませんし、かなりベテランの方かもしれません。株式指数が下がっていく中、少しずつ下がっていくのを見ながら買いを入れている方、底値を待っている方、ショートポジションを持っている方など様々でしょう。

投資のパフォーマンスは入口と出口で決まる

投資のパフォーマンスは入口、つまりどのような金額を元手として、最後にいくらになったのかという出口金額が重要です。

投資する中で、大きなパフォーマンスを挙げられた期間、大きく下落した局面もあったはずです。

では投資のパフォーマンスが「自分の投資の実力だった」のか「市場が悪かったのか」という疑問が出てきます。

市場との相関は運、相関しない部分は実力

結論、市場と相関したリターンは市場全体の動き、つまり運によるものです。一方、市場と異なるリターンは自分の投資の実力です。

例えば1月末から3月中旬まで株式投資リターンが-10%であったとすれば、それは運による部分と実力の部分に分けられます。株式市場が-30%の動きなら、-30%の部分は自分ではどうにもできない市場全体の動き(つまり運)、+20%の部分は運によらない何らかのプラス要因が実力だったはずです。それは売買のタイミングかもしれませんし、非常に優良な銘柄を選んだからなのかもしれません。

重要なのは、運と実力を混同しないことです。人は結果が良ければ「これが自分の実力だ」と過剰な自信を持つことになります。この結果が実は運によるもので、つまり誰がやっても勝てていたという可能性もあります。大きな損得が発生したとき、通常と異なる心理が投資行動に与える影響は大きく、将来的の大きな損失につながることが往々にあります。

もちろんこのような市場の混乱時、通常通りに取引を行うことはむしろ地雷を踏みに行くようなものです。少し頭を冷やし、市場の状況を冷静に見通すことが重要です。もしポジションをほとんど持っていないなら、市場が底まで落ちてからでも後から美味しいところを刈り取ることはいくらでもできます。

市場が大きく動いた際には、過剰な自信を持たず、過度に悲観的にならないようにすることが重要です。

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