見出し画像

キヤノンEOS R1/R5markⅡの発表で伝えたいこと

こんにちは♪Aliceです。
今回は7/23に予約が開始された、EOS R1とR5markⅡについて、個人的な見解をお伝えしたくて筆(?)を取りました。

スペックはメーカーHPに記載されていますので、省略します。
EOS R1

EOS R5markⅡ

1.まず総評

R1もR5markⅡも、どちらも順当なモデルチェンジであり、これと言った新技術の投入はありませんでした。

ただ、(詳しくは後述しますが)この2機種は前モデル(R3/R5)を業務で使用しているプロが、より正確かつ効率的に撮影するために進化した訳ではあって、グローバルシャッターのような革新はそもそも求められていないので、これで良かったのだと思います。

2.価格上昇

私は前回の記事の終盤で、R1を100〜120万円・R5markⅡを65〜75万円と予想しました。
(キヤノンオンラインショップ税込価格)

それは手堅く的中し、
R1→108万円
R5markⅡ→65万円
と発表されました。

R3(初値約73万円)→R1は約35万円の価格上昇
R5(初値約52万円)→R5markⅡは約13万円の価格上昇となります。

(メーカー自身がR3を『ハイアマチュアモデル』とカテゴライズしているので、プロ機であるR1と価格比較するのはナンセンスと言う方もおられると思いますが、私個人的にはR3は充分プロスペックだったと思いますので、敢えてR3を R1の旧モデルという扱いにしています。)

3.R5markⅡの印象

R5markⅡの約13万円という価格上昇は、昨今の円安と物価高騰を考えると、むしろ随分抑えたと思いました。

北米価格2,500ドルをベースに為替換算で国内価格を約40万円に設定したNikon Z6Ⅲとは異なり、国内軽視の印象を与えずむしろコストパフォーマンスの高さを感じる値付けかと思います。

何故なら、初代R5を正常進化させただけでなく、R1譲りの機能を搭載して来たからです。
主には下記の2点です。

①DIGIC Acceleratorの搭載

要は映像処理エンジンDIGIC Xとのダブルエンジン化です。
ローリングシャッター歪みの低減や被写体認識の精度向上になると思われます。

②視線入力AFの搭載

R3でフィルムカメラEOS3以来の復活を果たした視線入力AFです。
R3だけでフェードアウトするかなと思いましたが、何と進化してR1とR5に搭載して来ました。
コストの高い技術だと思うので、より台数が売れる機種への採用拡大は驚きでした。

上記①②共に、カメラを構成する部品の中でコストが高い部分です。
これを、惜しみなくR1と同等の技術をR5markⅡに搭載して来たのが、最大のウリかと思います。

元々初代R5は、静止画のユーザーから大変評価が高かった機種であり、あの小さな筐体で中身がハイスペック過ぎた故に熱問題が弱点だった位で、発売当初から今までプロからアマチュアまで幅広い層に愛されたカメラでした。

それが4年の歳月を経て正常進化し、更にR1の技術も追加して13万円UPはむしろ賞賛に値するのではないかと思います。

他社で直接のライバルは、Nikon Z8になります。
デュアルピクセルCMOS AFには正直な話、全く敵わないので、Nikonは Zマウントレンズの魅力でライバルと闘って欲しいです。

4.真打ちであるEOS R1について

カメラ単体で108万円は高いですが、あくまで領収書を切れる【プロ向けのカメラ】です。
この108万円を写真でペイできる人しか買うべきでは無いカメラなのです。
大事な事なので、具体的にもう一度言います。

お金を出せば誰でも手に入れる事は出来ますが、キヤノンはスポーツ等の極限の動体撮影を確実に記録する事を目的としたプロカメラマンのために発売しました。

銀座のショールーム等でキヤノン社員を捕まえて『画素数が少ない』などとケチを付けてくるアマチュアなど、全く眼中に無いカメラなのです。

③EOSR1に求められるのは?

・如何に正確に狙い通りピントを合わせられるか
・狙った瞬間を絶対に逃さない高速連写と処理速度
この2点だと思います。

上記2点はEOS1DXmarkⅢでも充分すぎるほど達成していましたが、やはりミラーレスの利便性を知ってしまうと一眼レフが不便になるものです。
ミラーレスのフラッグシップが求められるのは当然の流れでした。

以前所有していた1DXmarkⅡ

R3は、ある知り合いのプロカメラマンの方から
・熱に弱い
・謎のエラーが発生する
・被写体認識が信用できない

と伺いました。

私はR3を極限の環境で使い込んだ事がまだ無いのですが、最後の被写体認識については同意します(競馬の撮影で馬認識はリスキーでした)。

その辺りがDIGIC AcceleratorとDIGIC Xが映像処理やIS(手振れ補正)処理を分業する事によって、高速化と省電力化(熱の発生を低減)出来ていれば、上記3点は解消するかも知れません。

また、使用メディアがCF Express type-Bのデュアルスロットになった事で、R3のようにSDカードに足を引っ張られる事が無くなっている筈です。

プロカメラマンに求められる、
『決定的瞬間を絶対に撮り逃してはいけない』
ことを達成するために、信頼性・安定性をしっかり固めて来た点こそが、R1の最大のウリではないでしょうか。

オリンピックで日本初のメダル獲得で話題の馬術
(Nikon Z9で撮影)

このような高性能なカメラが発売される度に、
『誰でも撮れるカメラなんてつまらない』
『カメラの性能が凄すぎてカメラに撮らされてるだけ』

などと言う人が出て来るものですが、それで良いのです。
絶対に失敗無く『記録』し、それを売って商売にしている職業カメラマンにとって、最も大事な性能です。

EOS R1は最強の『記録業務用カメラ』であって、作品作りのためのカメラでは無いと思います。
写真に作品性を求める人は、R5markⅡをどうぞという事です。

④競馬撮影にR1は?

競馬場には、EOS1DXmarkⅢに400mm f2.8や600mm F4などの、1人あたり合計200万円超の高額な機材を持った人がゴール前付近にズラリ!と並んでいます。
天皇賞やダービーなどGⅠレース当日にもなると、白い大砲レンズがゴール前に40〜50本は並んでいる状況です。

総額いくらになるのか…という機材たち

彼らは新聞社や報道メディアに雇われたプロカメラマンではありません。
シンプルに競馬ファンです。
更に驚くべき点は、高額機材を揃えているのに、
『競馬以外も撮影している人はほぼ皆無』
なのです。

彼らはとにかく『プロと同じものを使って同じ場所で撮れば撮れる』という発想を持っており、柵を隔てたコース沿いで撮影しているプロカメラマンを模倣します。

よって、彼らの多くは7/23のR1予約合戦に参加したことでしょう。

(余談…【RF100-300mm f2.8L IS USM】という約140万円する白い大砲レンズが発売された時も、プロサポートに加入している人でも納期半年待ち等と言われていたのに、彼らは発売と同時に競馬場に持ち込んでいて驚きました…。)

競馬を撮影しているプロカメラマンの多くは、発売と同時にR1を手にして撮影している事でしょう。
ただし、それは会社からR1を与えられたか、R1にバリバリ働いて貰って稼ぐつもりのフリーランスの方だと思います。

そのプロカメラマンと柵を1枚隔てた所にいる競馬ファンにR1は必要なのか?
→不要ですが、止めても買うと思います。

何故なら、彼らはプロカメラマンの後ろから、プロカメラマンと同じ構図のゴールシーン等を撮影し、誰よりも速くTwitter(X)に投稿する事を生き甲斐にしているからです。

本職の方々からすると、趣味でプロと同じ機材を揃え、自分たちの後ろから同じ構図で撮影され、競馬メディア・スポーツニュース等より速くSNSに投稿する彼らは【目の上のタンコブ】でしか無いと思います…。

5.結論

EOS R1に関しては前述の通り、
『108万円のカメラで稼いでペイ出来るプロカメラマン専用のカメラ』
ということであって、アマチュアが手を出すべきではないと思います。

EOS R5markⅡは逆に、R1譲りの高性能な機能を備えているにも関わらず約65万円というのは破格だと思います。
65万円はもちろん高額ですが、これだけNikon Z9やZ8が売れている状況ですから、R5markⅡは売れて然るべきカメラだと思います。

王者キヤノンの復活なるか、発売日がとても楽しみです。

今回も最後までお読み下さり、ありがとうございました。
また次の記事でお会い出来ますように。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?