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【1/29】Alanの月刊アイドル批評【1000CLUB】

正直なところ、今月号で取り上げるのは号外を出そうかと思うほどに別格のライブだった。

【C;ON】は楽器奏者3名とボーカル2名で構成される音楽グループであり、いわゆる一般的なアイドルとは異なった構造をしている身でありながらも主な出演イベントはアイドル対バンであり、1500円でサインチェキも撮れるという極めて異質な存在だ。

【C;ON】はアイドルであるか、その答えは各々の胸の中にあるだろうが、ひとまずは普段からアイドル対バンに出演しているグループということでこの月刊記事にて取り上げるものだということでひとつ納得して欲しい。

セットリスト

M0.SE(幻想的インパクト)
M1.My Yard
M2.等身大ガール
M3.MI AMOORE
M4.nonfiction
(MC)
M5.Buzzer Beater
M6.Bon Bon Boooon!!
M7.into U.
(MC)
M8.永遠~ei-en~
(MC)
M9.impact
(ラジオ#木・6C級トークRadio ワンマン出張編)
M10.Bambina!!
M11.ズルい女
(MC)
M12.運命の扉
M13.LADY-MADE
M14.垂涎の的
M15.め組のひと
M16.INVADER
M17.エロティカ・セブン
M18.Noisy
(MC)
M19.道
(アンコール)
EN.1響け
(MC)
EN2.生演奏メンバー紹介
EN3.イキルイミ

概要

20曲を超える大ボリュームの公演は、当初アナウンスされた時間を大きく越える長さを以って行われた。オリジナル曲にカバー曲、サポートメンバーを加えた編成での披露に2曲の新曲と2種の新衣装の披露を伴う盛りだくさんのワンマンライブとなった。

特記事項としては、今まではグループカラーを赤色としていたのをこれを機に白色としたことが挙げられる。2021年2月6日の恵比寿LIQUIDROOMでのワンマンよりも前に使用していた衣装は赤色であったが、これは《絹井愛佳》のメンバーカラーと一致するためか、このような運びとなった。

MCでは「新メンバーが加入するから、ではありません」と断言されて少し残念なような、安心したような気持ちである。

カバー曲

このグループの特徴のひとつとして、カバー曲を普段の対バンから使うことが挙げられる。【中森明菜】の《MI AMOORE》や【サザンオールスターズ】の【ラッツ&スター】の《め組のひと》といったものがここ最近カバーするようになった楽曲だ。昭和から平成初期までの普及の名曲達だ。

《ズルい女》は【シャ乱Q】のカバー曲となり、ここでの初披露となる。今後も披露が続くかは不明だ。

サポートメンバー

トランペット2名、トロンボーン1名、テナーサックス1名のホーン隊に加え、ベースとギターとドラムのバックバンドから成る当日限りのサポートメンバーが途中より披露された。

《Bambina!!》と《ズルい女》、《響け》はホーン隊とバックバンド、《運命の扉》、《LADY-MADE》、《垂涎の的》、《め組のひと》、《INVADER》、《エロティカ・セブン》、《Noisy》はバックバンドを伴って披露された。

この日限りのこの編成で披露されたこれらの印象は圧巻の一言に尽きる。楽器の音の重なりと奔流の中に乗せられた力強い2人のボーカルがとても心地よかった。

新曲

《impact》と《響け》はこの日に疲労された新曲である。前者は《Noisy》の流れを汲むBPM変化を途中に伴う楽曲で、初見ながら絶対に《Noisy》の味をしめただろうと少しニヤけてしまった。多用な側面を持つこのグループにおいて、このように2面性のある楽曲は1曲の中で様々な姿を見せることができ、短尺の対バンでのセトリ圧縮(デッキ圧縮みたいに言うな)に一役買ってくれそうである。

《響け》は突き抜けていくような爽やかさ、爽快感を持った楽曲で、《イキルイミ》に次いで今後もデッキのフィニッシャーとして展開に幅を持たせてくれる予感がする。

軌跡

《永遠~ei-en~》や《運命の扉》は滅多に見られない楽曲だ。

【C;ON】はその特異性から、楽器隊メンバーの変遷に伴って過去の楽曲の疲労が難しくなる場合がある。《永遠~ei-en~》にはフルートと思しき木管の音が、《運命の扉》にはヴァイオリンの音が多く用いられており、とくに後者についてはヴァイオリンのメンバーだった《LISA》が卒業する最後の公演を見ていたため、一抹の寂しさを覚えた。

最近の楽曲はピアノの音がよく活かされた、ジャジーでノリの良い楽曲が多くなっている気がする。このように、楽曲のアレンジからメンバーの軌跡が読み取れるというのもこのグループの面白さなのではないだろうか。

総評

恵比寿LIQUIDROOMでのワンマンからおよそ1年。当時よりもこのグループについての知識を身に着け臨んだが、それでも尚理解が追いつかない底知れないグループであると感じた。自在に変化する力がある一方で、メンバーの変遷によって意外とできないことや難しいことがあって、器用にも関わらず不器用なところに魅力があると感じた。

アイドルらしくない、けれどもそれ故にアイドル以上にアイドルらしい。とても不思議なこのグループを、私は愛している。



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