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【10/16】Alanのアイドル批評号外編【Kolokol】

未知の世界に挑む時
足がちょっと すくむけど
ドキドキって 半分は期待でしょ?
だから行こう

I'mpossible?/Luce Twinkle Wink☆より

アイドル現場に足を運ぶ理由

そもそも、私が好んで"オタク"していた領域はというと同人ゲームである。中でも無料で公開されてすべての内容を無料で遊ぶことができるフリーゲームというカテゴリーだ。
クオリティはまちまちで、誰が見てもどうしようもない駄作から短くともクスリと笑える短編、商業作品にも巻けず劣らずな大作までもが玉石混交で無数に存在する。

よく知られる名作と呼ばれるものには「青鬼」「Ib」「洞窟物語」「帽子世界」「Ruina 廃都の物語」などがある。だが、面白い作品は名が知られぬ作品の中にも存在する。どれほどの数かはわからない。自分が触れてきたフリーゲームの数はこの世のフリーゲームの数の前ではあまりにもちっぽけだ。

アイドル現場に通うようになって抱いた気持ちも同じだった。

紅白歌合戦にもMステにも姿は無くとも、すばらしい作品を作るアーティスト達がいた。

たとえ無駄な足掻きだとしても、そんな人達の作品を少しでも多くこの目に納め、記憶と記録に残したい。それが私がアイドル現場に足を運ぶ大きな動機である。

この言葉には強く同意した。だからこそ、いっそうKolokolには足を運んでみたくなったし、どのイベントでお目にかかろうかと悩んでいた。その矢先に飛び込んできたのが1000CLUBでのワンマンの報だったのだ。地元が横浜なので非情に行きやすい上に、1000CLUBはステージが高く非常に見やすい。
かなり良好な条件だった。

強い期待

そしてなにより、往々にしてワンマンはそのグループの持ち味が何よりも強く発揮される場。それは佳凪きの自身が執筆したnote記事にも強くアピールされていた。

次に、ワンマンライブへのこだわり。

毎回ステージングや照明・音楽にこだわり、Kolokol特有の世界観を演出することに力を入れています。

自慢でしかないが、私は色々なグループのワンマンに行ってきた。Aqoursに始まり、アイドキュレーション、MAJIBANCH、BOY MEETS HARU、We=MUKASHIBANASHI、マニマニ、群青の世界、LEIWAN、C;ON、爆風もんす~ん、ULTRA BUZZ、I.D. And Fly LooM、上月せれな。
そのどれも各々の持ち味が活かされており、他には無い何かがそこにあったすばらしい公演だったと胸を張って言える。
※実はSOLの"ワンマン"には行ったことがない。単独公演は行ったのだが。

佳凪きのの書いたnoteを繰り返し読み、見たことの無いグループの見せてくれる見たことの無い世界を想像して当日を心待ちにしていた。

横浜1000CLUB神殿

当日、前物販でチェキ券を購入してフロアに入った瞬間に息を呑んだ。この瞬間からもう完全に魅了されたと言っても過言では無い。

おとぎ話のような。神話のような。外国の絵本のような。中世ヨーロッパのような。そんな異世界感漂う独特な世界観を持つKolokolですが、その世界観はデビュー当時から大切に守られているように感じます。

noteに書いてあった記述を肌で理解した。今後もライブを通じてあのnoteが如何に的確にKolokolのことを紹介していたのかを強く実感していくこととなった。

ギリシャ建築風(たぶん)の柱、無数に散りばめられた星を模した(たぶん)照明器具。上手と下手の2箇所に設置されたKolokolのロゴ、六つの三角形が組み合わせて作られた模様と、その辺に沿って配置された照明。

およそ私の知る1000CLUBとは異なる様相を呈していた。その神秘的な光景に胸が高鳴る。noteの記述を思い出しつつ、下手側の前方から3ブロック目を陣取り開演を待った。

紡がれる神話

そして衣装にも異様なまでのこだわりが。
衣装に使用している生地は市販のものではなく、ロンドンでオーダーメイドした超お高級なもの!!

ボタンやレースなどの装飾、スカートの広がり方、絶妙な丈感など、ころこるの世界観を壊さないために細部まで考えに考え抜かれております。

SEの後にメンバーが入場して、その意味を即座に理解した。照明の反射や動くたびに揺れる裾はステージ全体の雰囲気の中に溶け込み、どの一瞬を切り取っても絵になった。

神が降り立つための神殿となった1000CLUBに、女神達が降り立った。
そう直感的に思った。

1曲目はBRAVADO。例のnoteの頻出曲一覧にもあったため、事前に1度聴いておいたため聞き覚えがあった。それでもなお、実際にライブハウスの中で聴くと聞こえ方も、もちろん聴いている自分の気分も違うものでまったく新しい気分だった。

Kolokolの魅力はなんといっても多くの人から絶賛していただく楽曲の強さ!
そしてその楽曲の魅力を引き立たせているのは、メンバーそれぞれ全く異なる声質であると自負しております。

声質が4人とも全く被っていないんです。

歌い始めてすぐに例のnoteのこの記述を理解した。確かに、誰が歌っているのかとても明瞭だ。

この楽曲はBRAVADO(虚勢、強がり)という題にあるように、力強く歌い上げる中に繊細な表現が光った。

終盤には、自分でも何故かよくわからないが目尻に涙が浮かんでいた。今までこのグループのライブを見てこなかった自分の人生を悔いたか、はたまた単純に目の前のライブに感銘を受けたのか。とにかく、強く感情を揺さぶられた。

全21曲およそ1時間30分のライブのすべてを詳細には記憶できていない。間違いなく言えることといえば、全編を通して目の前で神話が紡がれているような錯覚に陥ったことである。

その上で、特に印象に残った場面を以下に記す。

神々は安息を与え給うた

Lullaby、それは子守唄。

この日だけは剣も銃も目を瞑り歌う

この日だけは剣も銃もオモチャに変わる

Do Do Da Lu Do Do Do Da Luという特徴的なメロディに合わせて、小刻みに身体を跳ねさせて天を仰ぐ様はある種の信仰のようなものすら感じた。神々が与えた子守唄で子供達が寝付くつかの間の平和。それを私達は享受したのだ。

神々は許し給うた

最も強く印象に残っているのは、Give it upだ。優しい鈴の音色に乗せた歌い出しの時点で、この楽曲がかなり自分の好みであることを確信した。

強く肯定的で、そして包容力のある歌詞。手を差し伸べるような振り付け。まるで自分の罪を神に赦してもらったかのような気分になった。

Kolokolのライブを知ったその日は、誕生日でもクリスマスでもなくても、私が生まれ変わった日なのだ。

思わず演って撮った。

本地垂迹説

なんといっても、欠かせないのはRascalだ。

SOLの英莉生誕にて1度カバーを見ているこの曲は、この日で最も自分が上手く振りコピできた楽曲だ。跳びポもバッチリとキめていく。なお英莉生誕の時は跳び損ねているのでリベンジでもあった。

終始圧倒されて見惚れていたが、この楽曲だけは底抜けに楽しく身体で楽しむことができた。(他の曲が悪いとかいう話じゃなくて、慣れてないだけ)

また、途中のMCで英莉が見に来ているという旨の話があり、以前私にRascalを見せてくれた人の前で今度は別の、本家のRascalを拝むというのはなんだか変な気分になって異様に高揚した。

なお、本地垂迹説というのは神仏習合に関する用語である。明治時代の廃仏毀釈などと一緒に押さえておきたい日本らしい側面だ。

礼拝

ライブアイドルのライブに特典会は欠かせない。遠足は帰るまでが遠足であるように、特典会までがライブである。

雨粒を肌で感じられる程度の中、外で列形成が行われた。列に並ぶと、自分のひとつ前に並んでいる人が友人と思しき人から説明を受けてからチェキ券を渡されていた。どうやら初めてのアイドル現場らしい。

友人は別のメンバーの列に行ってしまったので、寂しいだろうと少し気の毒になり話しかけてみることにした。

「アイドル現場は初めてですか?」

色々と話し、アイドル現場の特典会がどのようなものなのか、どういったことを話すのが一般的なのか、時間はどの程度取られるのか(実際にタイマーで1分計りながら話す練習までした)などを確認しつつ、アイマスPであったようなので以前アップロードしていたイラストを見せた。

黒埼ちとせというリクエストを拾って貰えた思い出深いイラストである。

そして彼の後にはいよいよ私の番となる。念入りにイメトレした通りに話を切り出す。

「左手が1本。右手が2本でKolokolのKを」

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アルファベット作る系は過去2回ほど左右反転を忘れて敗北している。
今度はミスしない。

話した内容は初見らしく、名乗ってライブの感想を伝えてといったもの。
それから、こはぷれふぇすの参戦レポを手渡した。

Kolokol以外の演奏動画にもちょくちょくいいね付いてるのはどういうことだとか、こはるとしょっちゅうイチャつきおってとか、色々と聞きたい事はあるけれどもそれはまた今度の楽しみとしておく。

ライブの感想を共有して、噛み締める。そんな当たり障りの無い会話すらたまらなく愛おしく満足感に溢れていた。



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