生涯投資家 村上世彰

発売当初から気になっていたのですが、なかなか読む機会に出会えなかった本。ようやく読むことができました。

自分が大株主ではない企業の社長をこれまでに何度か経験してきた身として、上場企業というカテゴリでは無いものの、自身の経営者としての考え方や株主との向き合い方、どう株主と同じゴールを見て意思疎通をとっていくのかなど学びの多い書籍でした。

上場のデメリットを上回るメリットを活用できなければ上場すべきではない。

投資の基本は期待値、IRR。期待値は1.0を超えないと意味がない、IRRが15%以上であることも基準。

経営者は一定の株式を持つべき、株主と同じ目線をもつために。

経営者とは株主から委任をうけ経営方針や経営計画を立案決定実行する人。自らの利益ではなく会社の成長と株主利益の最大化のために運営をする。会社に損害を与えないための善管注意義務もある。なので事業計画や経営指針をつくり、それを実行する力が高い人委託対象として選ぶ。オーナーでは決して無い。

悪い経営者は会社を私物化し、株主目線に立たない経営者。経費を無駄遣いし、株式の持ち合いで保身に走り、余剰資金の使いみちを明確にせず、株主と対話しない経営者。

ROEが投資家にとって投資したお金がどれだけ効率的に利益を生んでいるかを知る指標。高めるためには純利益を高くするか、純資産をへらすか。純利益を上げるためには利益を高める努力が必要、純資産を減らすためには自己株式の取得や配当で投資家へ還元することが必要になる。投資家はROEを向上させたいが経営者は手元に資金を置いておきたい。

日本の上場企業の純資産と米国のそれはほぼ同じ、しかし時価総額として3倍以上の差がある、PBRが日本1.2程度に対し米国が3倍ほどあるからです。

余剰資金は事業投資、株主還元に使っていくべき。

資金が必要なら借り入れで調達し、レバレッジを効かせて利益を大きくするべき。

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