アパレル業界で私が知ってること(SCM篇1):サプライチェーンっていってもさ…

 ご無沙汰しております。なんかバタバタしてるとこういうのってついつい放置しちゃいます。悪い癖だと思うんですけどね。まあこのあたりはご勘弁を。今後はせめて月1にはなんか書きたいなと思ってはいますけど、ネタ的には減ってきています。っていうか今現在アパレルに関係してませんから基本的にアウトプットオンリーです。いずれネタは尽きますので、その時はその時ってお話で。涙。

 さて、サプライチェーンマネジメント的な事とかを書いてみようかと思ったものの、実際の話として、サプライチェーンが機能しにくいのもアパレルの特徴だったりもします。まあそう言っちゃうとお話が終っちゃいますので、アパレル企業としてのサプライチェーンっていうものの捉え方ってこんな感じだよね的な事と、じゃあ実際どうなのよ的な事とかを書いてみたりしようかと思ってたりします。

 いわゆるアパレルメーカーから見た時には、自社を挟んで、製造→入荷までのサプライチェーンと在庫→店頭販売までのサプライチェーンに分かれて見えるような感じです。
 とは言え、当たり前なんですが生産から店頭までがきれいに結ばれないとサプライチェーンとして適切なものにはなりません。

 でも、まあ、とりあえずわかりやすいのでまずは前半と後半に分けて書いてみましょう。

 前半は生産過程上でのサプライチェーンです。ざっくり細別すれば委託加工と仕入に区別できます。委託加工っていうのは材料等は自社が仕入れて、加工作業のみを委託する方式です。工程から工程への流れなんかも当たり前に自社で管理します。工場間の移動なんかも管理します。メリットは工場の選択が前提なのでクオリティを担保しやすくなる事と工程管理が結果的に明確になること、後は工場側の金銭的な負担が小さくなる事です。まあ後者は会社的にはメリットじゃないようにも見えますが、これがメリットになるのがアパレル業です。笑。
 デメリットはとにかくメンドクサイことと、仕掛在庫が発生する事ですかね?会社のキャッシュフロー的にはデメリットではあります。

 仕入ってのは、要するに最終窓口みたいなところから一手に購入するパターンです。商社なんかを使った場合は確実にこれになります。メリットは手間がかからないこととキャッシュフロー的に楽なことで、デメリットは工程管理が困難な事とクオリティの担保がちょい難しいところですかね?
 もっと言えば生産に関わる細かい知識が不要になるってのもメリットとは言えるかもしれません。
 まあ社員スキル的にはデメリットなのかも知れませんけど。委託加工経験者と未経験者とでは同じ生産管理でも雲泥の差が出ます。っていうか委託加工未経験者は工程管理しきれない事が多いんですよねー。専門じゃない私より知識量とか対応が未熟だったりしましたから。お陰で上がらない別注商品の生産管理的な事まで特命的にやらされたことがあります。なんなんだか。苦笑。

 さて、そもそもなんですが、この流れの中でシーズン商品(というか要するに大半の商品)は、サプライチェーン的な話からは外れていたりします。そもそも染めてる生地なんかは、ロットが変わったら確実に違う色になりますから一括発注しますし、その流れから言えば一括生産しますから一括納品します。特に仕入の場合ははっきりと一括納品するか、せいぜい分納です。サプライチェーンマネジメント的な意味での数量調整なんかはほとんど利きません。

 ただ、定番商品であったり、シーズン商品であっても委託加工の場合は調整の余地が出てきたりはします。まあ定番商品は普通にSCM管理できますし(難しいんですけど、まあ普通の難しさですかね?シーズンやMD構成によっての需要変動があるのでそこの読み取りとかってのはあります)、委託加工の場合は生産ストップ側には調整が利きます。間に合うかどうかって話ではありますけど。
 まあ仕入れの場合でもストップ側には調整が利く可能性はあります。でも、まあ、半製品で買い取ったら後々手間なのでどちらかと言えば製品不良とかの場合以外はストップしませんけどね。

 ここで「ストップ側に調整できるんだったら大目に発注しといたら良いんじゃね?」とか考えたら即死できます。笑。工場とかに迷惑を掛けたら確実にダメージが跳ね返ってきますから。やっぱり公正に取引するのって重要なんですよ。相手側に非がある場合は別ですが、自社に非がある場合は最低でもそれまでにかかった費用分は負担するべきです。そうじゃなかったら次から受けてもらえなかったりとかチャージアップされたりとかが普通ですから。っていうかクオリティが高い工場(本来の取り分をクオリティに突っ込んでくれてる工場とかあるんですよ)なんかはそのダメージで潰れてくれたりしかねません。

 まあ、そういう感じですので、アパレル業で言う上流側のサプライチェーン構築っていうのは、実は他の業種で言うような、在庫を最小にしてとかそういうのとは関係のない所に重点を置いて構築する必要があります。

 具体的には、工場側のキャッシュフローと自社のキャッシュフローの見極め的なものであったり、繁忙期と閑散期の使い分けであったり、工場キャパシティの話であったり、まあ最終的には社内物流倉庫のサイズとか在庫高の設定とかそういうのの話になったりします。
 残念ながらカンバン方式なんか使えません。いや使おうと思った事は何回もというか毎日のように思っていましたけどね。このあたりがキャッシュアウトからキャッシュインまでの期間が長いアパレル業の辛い所でもあります。つまりは運転資金が大きめなんですよ。

 このあたりは実のところ普通の話だとは思っていますけどね。原価率を下げようとした場合ってわりかしキャッシュフロー的に不利になりやすいって考えたら、まあそういうのってあるよね?的な?

 まあ、この前半部分の絶対条件として外してはいけないのは、後半の会社→店頭の流れにダメージを与えない、要するに販売期間前に着荷している事ってのが最重要ポイントになります。
 まあこの当たり前が割とできないってあたりがアパレル業の特有の問題の一つで、他業界からアパレル業界に入ってきた場合に踏み抜く地雷の一つでもあります。生産管理篇でも書きましたが、商品一つ作るにしても工程数がかなりあったり1つの工場で完結させられなかったりといった状態の上、工場的にはキャパシティいっぱいいっぱいで仕事を回さないと利益がでないとかそういう状態だったりしますからバッファとか取れないんですよねー。バッファが無くてエラーの可能性が高いのであればリカバリーできませんから遅延します。当たり前です。

 まあ要するに遅延する事まで念頭に置いておかないといけませんし、それでいて、ある意味当たり前なんですが、遅延しないで入ってきたときの物流やキャッシュアウトを考えておかないとオーバーフローしちゃったりします。
 もっと言えば工場側のキャッシュフロー確保のために早期納品も受け入れる度量とか必要になります。優良工場の場合はこれを受け入れないと取引というか工場が無くなりかねませんからやむを得なかったりします。
 このあたり、全部とは言いませんがそれなりに背景を理解していれば実効性のある対策が立てられますが、背景を理解せずに自分都合を優先したら、まあ確実に悪い方に転がってくれます。

 まあいい加減文字数も多くなってきたので区切ります。次のお話は流れ的には後半に対してのSCMのお話になるのかも知れませんが、その前に、じゃあQR(クイックレスポンス)とかってどうなってんのよあれSCMじゃないの?的な話をちょっとしておきたいかなーって思ったりしましたのでそっち側で。

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