加賀楓さん卒業と譜久村聖さんについて

モーニング娘。’22の加賀楓さんの卒業が発表されました。

本人の選択を尊重する気持ちは当然あるのですが、ファンとしてはどうしてもショックを受けてしまいます。特に今回の卒業は、昨年末の佐藤優樹さんの卒業、今年になって森戸知沙希さんの卒業、それに続く3人目ということでかなりの衝撃を受けると同時に、モーニング娘。というグループに対していろいろと考えずにはいられませんでした。ということで今回の発表を受けて思ったことを簡単に残しておこうと思います。


加賀楓さん

僕はかえでぃーの推しというわけではないですが、モーニング娘。が好きなので、当然メンバーのことが好きだし、かえでぃーももちろん好きです。
長い歴史があるモーニング娘。というグループですが、特に9期が入った2011年以降のモーニングが好きです。2011年以降というのは、高橋愛さんを中心としたプラチナ期を転換期として、ダンスなどのパフォーマンスを重視するようになったのです。
僕自身、アイドルってこんなに歌えて踊れるのか!と衝撃を受けたのを今でも覚えています。
今のモーニング娘。を見ると、「かわいい」という声だけでなく、「カッコいい」というアイドルらしからぬ感想を抱く人がたくさんいるのではないかと思います。

そんな今のモーニング娘。のパフォーマンスを引っ張る一人がかえでぃーです。
かえでぃーは歌もダンスも本当に上手い。特にダンスはキレッキレで、最近ではTikTokでバズることもありました。
彼女のダンスを見ていると、本当にダンスが好きなんだなというのをすごく感じて、今回の卒業の理由を聞いたときも驚きはしつつ、そういう選択もありえるなぁと納得しました。
そしてこのタイミングでのこの大きな決断ができることにかえでぃーの勇気とかえでぃーらしさを感じました。

かえでぃーの選択

ソロになれば確かに自分の興味があることにより時間を割くことができます。
グループとしての活動があるときは自分がしたいことはできないですからね。
そしてグループに所属していれば、何をするときもモーニング娘。の加賀楓として活動することになります。
肩書というのは良くも悪くもその人の肩に乗っかり続けるものなので、それがときには邪魔にもなるかもしれません。
その分、モーニング娘。に所属していれば、モーニング娘。という大きなストーリーがあり、モーニング娘。として作っていく作品があります。
常に横にはメンバーがいて、一緒に物語を作ることができるのです。
注目もされるし、パフォーマンスをする舞台も用意されています。
逆に言えば、ソロになるというのは、加賀楓としてのストーリーを自分で作っていくということであり、自分の舞台を自分で作っていかなくてはいけないのです。
それでもなお、卒業というかえでぃーの選んだ選択には最大限のリスペクトを払いたいと思います。
そして、今後の彼女の活躍を心から応援します。
卒業を発表した際のかえでぃの言葉からは、彼女の意思の強さと決断したことへの清々しさを感じます。
かえでぃーらしくて良いですよね。

卒業しなくてはいけないのか

佐藤さん、森戸さんに続く今回の卒業を受けて、「9期がいつまでも辞めないから、後輩が辞めていくんだ」という声が聞こえてきました。
この発言はある意味で的を得ていると思いますが、それは後述するとして、「9期がいるから後輩が活躍する場がない」と言っている人はモーニング娘。のことを何も見ていないのではないでしょうか。

まずモーニング娘。というグループは基本的にパフォーマンス主義だと僕は思います。そのときそのときでベストな作品を作ることを目指しているということです。ベストな作品を作るための歌割、ポジションなどなどがきめられているように感じます。
だからこそ、入ってすぐにセンターに抜擢されるようなメンバーもいれば、長年在籍していても歌割が少ないメンバーも存在します。
年功序列だと感じるのは在籍期間に比して実力が上がっていくからで、年功序列というよりむしろ実力主義のグループだと思います。
見せてはいないですがメンバー間での競争は常にあるでしょう。
競争の中で先輩がいるからポジションがどうこうというのはお門違いではないでしょうか。
ちなみに、かえでぃーはセンターとはいかずともしっかり役割を得て活躍していました。


そしてもう一つ、リーダー譜久村聖さんについて。

彼女を批判する人がいますが、彼女が自分のエゴでグループに残っているわけないじゃないですか。
彼女がどれだけモーニング娘。を愛し、メンバーを愛しているか、彼女のことをずっと見てきた人ならわかると思います。
つんく♂さんとの対談でもいつ卒業するのかということを話していましたが、彼女だって考えているんです。それは「いつやめる“べき”か?」ということをです。
リーダーが辞めるというのはグループにとってはとても大きなことです。
リーダーが辞めればメンバーも新しい役割を求められるようになるし、グループの色も大きく変わることになります。
だからこそいつ卒業するか、どうやって卒業するかはとても大事なのです。
単に明日辞めますでは彼女が後輩に残すべきもの、託すべきものを伝えることはできません。
もちろんそれに正解はないのですが、今日明日辞めればいいなんてものではないし、少なくとも「辞めたくなったら辞めよう」なんて軽い気持ちではないのです。


「9期辞めろ」という発言に対して僕が何より思うのは、それはかえでぃーの卒業という選択を汚す発言だという事です。真実を僕たちが知ることはできません。
もしかしたら、本当にかえでぃーが先輩に対して不満を持っていたかもしれません。
でも、譜久村さんとかえでぃーがどういう関係かも知ることができない外野の人間が、あたかもかえでぃーの代弁をしたかのようにこういう発言をするのはどうなのかと。
そして、そういうことを言うと、「かえでぃーは9期のせいで卒業した」みたいになってしまうじゃないですか。
かえでぃーの卒業をそうしたいのですか。
かえでぃーはそれを望むのでしょうか。
かえでぃーが何の後悔もなく次のステージに進める最高の門出にしようじゃないですか。

今のモーニング娘。に対して思うこと

さて、話は変わって、今のモーニング娘。のあり方について思うところを書きたいと思います。
こう立て続けに卒業が続くと、やはり今のモーニング大丈夫なのかなと思ってしまうところはどうしてもあります。
辞めたくなったらいつでも辞めることができる、というのはモーニング娘。というかアップフロントの良いところだし、活動をしていく中で各々が他の目標を見つけられるというのは、それだけ色んな経験をする機会があるということだと思います。
でも流石に卒業多いよねと。(笑)
極論、モーニング娘。の活動が最高に楽しければ辞めないわけですから。

僕が以前から抱いていた問題意識の一つに、グループとしての目標がぼんやりしているのではないかということがあります。

上で書いたように、モーニング娘。というグループはパフォーマンスを追求するグループだと思っています。

僕はそれ自体素晴らしいことだと思うし、僕がモーニング娘。が好きな理由の一つだと思うのですが、このパフォーマンスの追及には終わりがありません。

終わりのない、ゴールのないものを目指していくというのは、グループというチームとして活動をする上では、一体感を作ることが難しくなるのではないかと思うのです。
例えば、「東京ドームでLIVEをする」とか、「紅白出場」ということが目標なのであれば、それはインスタントな目標ではあるかもしれないですが、メンバー間で共有しやすく、そこに行くまで一緒に頑張ろうというモチベーションになります。
けれども、終わりがないのであれば、グループとして共有するゴールがぼやけるため、まとまりにくくなるのではないかなと思います。
加入したばかりのときは先輩たちについていくのでやっとですが、ある程度経験を重ね余裕ができたときに、行き先の見えない船に乗っていると感じたとすれば、船を降りて別の道を行くという選択も出てくるのではないのでしょうか。
因みに「9期が辞めないとメンバーが辞める」ということがある意味で正しいというのは、最年長のメンバーが辞めるとグループの中心が変わるため、グループ内に動きができ、グループの再構成という方向にメンバーの意識が合うからです。
ただ、これは必ずしも辞める必要はどこにもないし、9期が悪いという意味ではないのは言うまでもありません。
では、東京ドームとかを目標にすればいいのかというとそれも違うと思います。そういうインスタントな目標は分かりやすく、ファンもついていきやすいので盛り上がるけど、それはパフォーマンスの追及とは別のベクトルです。
若いグループであればそれも良いと思うけれど、モーニング娘。はもうその段階ではないでしょう。
こういう指摘をしておいてなんですが、どうしたらいいかは分かりません。
ただ、結果として、メンバーがこう3人も抜けたというのはグループとしても大きな変化ではあるので、これをきっかけにグループが一体となって、新しいモーニング娘。を見せてもらえたらなと思います。


さて、何はともあれ、かえでぃーの卒業まであと3ヶ月。モーニング娘。としてのかえでぃーをしっかり目に焼き付け、最高の卒業になるように応援したいです。

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