分断の時代、それは起きている。四畳半と仮面による「破面のカタルシス」|
抗原劇場『1(忘)LDK』石川朝日上演・劇評
黒木貴啓
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それは演劇と呼ぶよりは、仮面を使った憑依、変身の儀礼のようだった。
四畳半の空間で、石川朝日という役者は、確かに人間ではない何かに成り変わっていた。
2024年7月19日、三鷹SCOOLにて公演『1(忘)LDK - 連続上演』の第1回が上演された。手掛けるのは、演出家・劇作家の山田カイルが代表を務める演劇団体「抗原劇場」。
本公演に参加するアーティストたちは、鴨長明「方丈記」から山田が着想を得て書いたという“指