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閉鎖病棟に入院していた話 ゆかいな仲間たち編

今までのあらすじ:去年の夏、精神科の閉鎖病棟に入院してた

閉鎖病棟なんてヤバい人ばかりではないのか、怖いなと思っていたら(そこに入るんだから自分も大概かもしれんが…)
そうでもなかった ウオーウオーとか言う人は保護室だし
でも普通かっていったらそんなわけはねえ
精神科で入院してんだから

半数くらいは大人しい人 患者同士で会話してる人もいれば看護師に話しかけられれば答えるという程度の人などいる

以下そんな閉鎖病棟でのゆかいな仲間たちです

でかい声でよく鼻歌うたってる子
私は地味にこれ(鼻歌)が1番嫌だった
明るくふるまっていたが腕がぼろぼろだった
仕事しないジジイ看護師と仲が良いと思っていたがセクハラされていると他の患者に言っていた
この子絡みで2人が別の病棟へ移ることになる
生きるのが下手なのが関わらなくてもわかる子だった

ワガママでギャルっぽい女の子
好き嫌いがハッキリしており、お気に入りの看護師にも積極的に絡んでいた。もちろんお気に入りの患者フレンズもおり、その子を巡り鼻歌ちゃんを殴ったことにより別の病棟へ移った
男看護師3人に抑えられながら「ほごしつはや゛だよおお゛お゛お゛」と叫んでいた
これが入院中一番エキサイティングなイベントだった

笑い声の幻聴がうるさいんですよと言う人
ガッハッハワッハッハと幻聴がうるさいらしい
廊下でデカい声で電話していた 笑い声がうるさくて声がでかくなるんだろうか
基本的に入院してる人は声が異常に小さいかでかいかのどっちかである 普通のボリュームの人は退院間近だ
「久しぶりだねえ、入院してんだわ、いま、精神病院に。あんたもか!何階?」とか言ってた 世界はせまいね
幻聴を幻聴と認識出来ているんだからすぐ治るかと思ったらこの人は結局治らないまま退院した

常連おじさん
何度も入退院してるらしい入院常連のおじさんである 本人曰く受験戦争でおかしくなったらしい
「昔の精神病院は窓なんか鉄格子でさ、牢屋みたいだったね 若い頃はよく暴れて注射打たれたりしたよ」などと言っていた
話した限りでは今はわりと穏やかだった 薬の作用なのかぼーっとしている時もあり

寝言が異常にでかい人
私は4人部屋にいたがその中で1人、少しでも音を立てると「うああああああびっくりしたああああ」などと超でかい声で驚く人がいた
しかしその人の真価はそこではない
朝や昼(昼寝から起きる時)に現れるのだ
いきなりでかい声で「わんわんにゃんにゃん…」だとか「ころすつもりか!?」などと言ったりする 独り言ではない これは寝言である
その後決まって「ハッ! 夢か…」と言い看護師を呼び夢の内容を話す その内容はさっき言っていた寝言そのままである

電話魔
同室で毎日電話してる人がいた もちろん内容はまる聞こえである
元恋人らしき人に「電波飛ばすのやめて下さい」とか言っている 統失だ
数日後、「ごめんなさい、間違いでした」と謝罪の言葉を言っていたのでああ良くなってきたのかなと思ったら

「うん…日本人じゃない」

新展開になった
その日から部屋でのひとり言が「お前には関係ない!」だったのが「アイヘイトユー!」とかに変わった
看護師に対しては基本怯えていた 控えめな人なのかと思ったら「警察ですか…今入院してるんですけど…看護師に毒を入れられてるんです…」とか電話していた
この人のおかげで入院生活が毎日飽きなかったが寝言の人が来たらすぐさま「部屋変えて下さい!」と言って個室に変わってしまって寂しかった

そんな感じでした。

おしまい

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