CHUCK(完走)
昨日ファイナルシーズンまで完走です。
インターセクトという、CIAが開発した、脳を大量記憶のサーバーに変えてしまうプログラムと情報を脳にインストールされた平凡な青年チャールズ”チャック”バルトウスキーの物語です。平凡と言うにはスタンフォード中退だったりするんですが、中退であるために家電量販店のバイモアに勤めています。日本なら一橋大学中退してK′s電気で働いてるみたいな感じです。
突然脳に国家機密情報をインストールされ人生を変えられてしまったチャックと、彼を警護するNSAのジョン・ケイシー、CIAのサラ・ウォーカーの二人が関係を作っていく過程が面白い。というのは、アメリカ人の普通のメンタリティを否定するところにスパイの生活は成り立っている。基本的にはオープンで秘密を持たず、自分の事柄を隅から隅まで説明できるというのがアメリカ人のあり方、特に男女の関係や家族の関係ではそうなんですが、スパイ稼業は家族にも秘密を守ることを要求する。
チャックと姉のエリーは普通のアメリカ人代表みたいなところがあります。と言っても彼らはアベレージより遥かに高い知性の持ち主ですが、家族の一体感を大切にする倫理はとても平凡。ただ、彼らの両親の存在も大きい。幼い頃に姿を消した母と、思春期に消えた父。この両親の物語も重要です。
恋愛に発展するチャックとサラの関係、そしてサラの両親との関係も面白い。スパイ活動を通じてチャックは拡大家族を作っていくのですが、その最外縁がサラの母だったことは、終盤の大きな試練に関わることです。なんと言っても最大の試練はサラのインターセクト使用で、おっとこれは本編でお楽しみを。
クールなヒーローカルチャーとダサダサのナードカルチャーの交錯する、最高に楽しめるスパイコメディでした。シーズン1からシーズン5、どんどん洗練されてかっこよくなっていくチャックにも注目です。
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