Emitt Rhodes,Alzo

Emitt Rhodesの訃報。

よく聴いていたのは20代の前半で今のようにサブスクリプションの類も無く、比較的安く買えた1st以外は元値の倍以上になっており、当時フリーターでお金も無かったのでyoutubeで聴くぐらいしか方法がないものでした。(見てみるとアップルミュージックにも過去のアルバムはありませんでしたが。)

1人ビートルズ、ポールマッカートニーのコピー等色々と評価はあるでしょうが、そんな事はどうでも良く、ただ出来上がったものが琴線に触れる。
それだけでいいと思います。

そしてその流れから、とても良質な作品を残したが、その後表舞台から姿を消してしまったミュージシャンの系譜でAlzoの事をふと思い出しました。

両者を見ていて思うのが、ひどく曖昧な表現ですが「妥協無き作品を残せば相対的には少なくとも、強く評価してくれる人が必ず現れる。」という事です。

フランスの芸術家であるジャン・デュビッフェが提唱した「アール・ブリュット」という概念があります。

一般的な意味合いではハンディキャップがある人が作る芸術作品という使われ方をしますが、コアな部分は

"加工されていない生(き)の芸術、伝統や流行、教育などに左右されず自身の内側から湧きあがる衝動のままに表現した芸術である。"

の「自身の内側から湧きあがる衝動のままに表現した芸術である。」という所だと思います。

私もそれなりに狡猾な人間で、自身にとっての損得を考えて行動する事も多々ありますが、自身で音楽や本の事など、何か表現の類を自主的に行う時には、根本にはこの理念があります。

というよりこの理念が無いと動けません。

堕落している休み日などはベッドで携帯を片手に、ご飯を作る事や出前を取る事も億劫になり、カールだけで食事を済ませてしまうような事もしてしまうような人間なので、こういった純粋な衝動が無いと日々やっていけません。

もう32歳で年齢的に若くもなく、大多数の人からの期待も特に無く、意味も無く焦ったりもしますが、こんな歳になっても音楽を辞めていない(つもり)のは、純粋な衝動がまだまだあるという事で、それも大きな要因の内の一つなのではと思います。

Emitt Rhodes / Emitt Rhodes(1970)

全曲余す所無くいいです。
Amazonで見たらCDが五千円になってました。アールブリュットに満ち満ちています。

Takin' So Long / Alzo(2004)

未発表作品が長い年月の末リリース。
ライナーに記されていたリリースまでの経緯はティッシュ無くしては読めません。
このアルバムもアールブリュットに満ち満ちています。

bird / 大塚絵美(2017)

自主企画のイベントでの出演やフードの出店でよくお世話になっている大塚絵美ちゃんの1stフルアルバム。
非常に良いアルバムですがこちらが思う程評判にならなかった感があり、もっと沢山の人に聴かれて欲しいと思います。
最近アップルミュージックが解禁されたので是非!
こちらもアールブリュットに満ち満ちています。

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