電磁誘導(メモ)




ビオ・サバールの法則


電磁気学I――電場と磁場 (物理入門コース 新装版) 単行本(ソフトカバー) – 2017/12/6
長岡 洋介 (著)p157

$$
\Delta \mathbf B(\mathbf{r}) = \frac{\mu_0}{4\pi} \cdot \frac{I \mathbf{t}(\mathbf{r}') \times (\mathbf{r} - \mathbf{r}')}{|\mathbf{r} - \mathbf{r}'|^3}\Delta s
$$

電磁気学 (基礎演習シリーズ) Kindle版
中山 正敏 (著)p87

$$
\Delta \bm B^{(c)}=\frac{\mu_0}{4\pi}\cdot \frac{I\Delta \bm s \times (\bm r_p-\bm r_Q)}{|\bm r_p-\bm r_Q|^3}
$$

電磁気学 物理学 [分冊版] 単行本 – 1997/11/20小出 昭一郎 (著)p50

$$
d\bm H=\frac{I}{4\pi r^2}d\bm s\times \frac{\bm r}{r}
$$

電磁気学 (電気・電子系教科書シリーズ 2) 単行本 – 2004/12/1
多田 泰芳 (著), 柴田 尚志 (著)p110

$$
dB=\frac{\mu_0}{4\pi}\frac{Ids \sin \theta}{r_d^2}\\
d\bm B=…=\frac{\mu_0}{4\pi}\frac{Id\bm s\times \bm r_d}{r_d^3}
$$



磁力におけるクーロンの法則

$$
d\mathbf{B} = \frac{\mu_0}{4\pi} \frac{I d\boldsymbol{l} \times \mathbf{r}}{r^3}
$$

向きを考えないようにすると

$$
|d\mathbf{B}|  = \frac{\mu_0}{4\pi} \frac{I |d\boldsymbol{l} \times \mathbf{r}|}{r^3}=\frac{\mu_0}{4\pi} \frac{I |d\boldsymbol{l}||\mathbf{r}|\sin{\theta}}{r^3}
$$

例えばベクトル$${\mathbf a}$$があって、
$${|\mathbf a|=a}$$のように考えるなら
絶対値勝手にとって

$$
dB  = \frac{\mu_0}{4\pi} \frac{I dlr \sin{\theta}}{r^3}= \frac{\mu_0}{4\pi} \frac{I dl \sin{\theta}}{r^2}
$$

$${\mu_0}$$は真空中の透磁率

$$
\mu_0 = 4\pi \times 10^{-7} , \text{Tm/A} = 1.256637061 \times 10^{-6} , \text{Tm/A}
$$

単位はテスラ・メートル毎アンペア(Tm/A)。

相対透磁率$${\mu_r }$$は、物質の透磁率$${ \mu }$$を真空の透磁率($${\mu_0 }$$で割ったものです。数学的に表すと、以下の関係が成り立ちます。

$$
\mu_r = \frac{\mu}{\mu_0}
$$

$${\times}$$は外積
$${\mathbf{H}}$$は磁場
$${\mathbf{I}}$$は電流
$${l}$$は長さ
$${d\boldsymbol{l}}$$で線素ベクトル
$${\mathbf{r}}$$は位置
$${r}$$は距離

磁束密度と磁場は

$$
\mathbf{B} = \mu \mathbf{H} 
$$

ここで、
$${\mathbf{B}}$$ = 磁束密度(テスラ)
$${ \mu }$$ = 媒質の透磁率(真空の透磁率は $${ \mu_0 = 4\pi \times 10^{-7} , \text{T m/A} }$$
$${ \mathbf{H} }$$ = 磁場強度(アンペア毎メートル)

透磁率が真空中の透磁率なら磁束密度を磁場に置き換えることができて

$$
d\mathbf{H} = \frac{1}{4\pi} \frac{I d\boldsymbol{l} \times \mathbf{r}}{r^3}= \frac{I d\boldsymbol{l}\times \mathbf{r}}{4\pi r^3}\\
$$


クロス積は

$$
|\boldsymbol{a} \times \boldsymbol{b}| = |\boldsymbol{a}| \cdot |\boldsymbol{b}| \sin(\theta)\\
\boldsymbol{a} \times \boldsymbol{b} = |\boldsymbol{a}| \cdot |\boldsymbol{b}| \sin(\theta) \cdot \boldsymbol{n}
$$

ただし$${\cdot}$$はただの積

クロス積のスカラー倍に関する演算規則は

$$
(k\boldsymbol{a}) \times \boldsymbol{b} = k (\boldsymbol{a} \times \boldsymbol{b}) = \boldsymbol{a} \times (k\boldsymbol{b})
$$

$$
(k\boldsymbol{a}) \times \boldsymbol{b} = k(a_1, a_2, a_3) \times (b_1, b_2, b_3) = k \cdot (a_2b_3 - a_3b_2, a_3b_1 - a_1b_3, a_1b_2 - a_2b_1)\\
\boldsymbol{a} \times (k\boldsymbol{b}) = (a_1, a_2, a_3) \times k(b_1, b_2, b_3) = k \cdot (a_2b_3 - a_3b_2, a_3b_1 - a_1b_3, a_1b_2 - a_2b_1)\\
k (\boldsymbol{a} \times \boldsymbol{b}) = k \cdot (a_2b_3 - a_3b_2, a_3b_1 - a_1b_3, a_1b_2 - a_2b_1)
$$

話を戻すと(ただし$${\cdot}$$はただの積)

$$
d\boldsymbol{l} \times \mathbf{r} = |d\boldsymbol{l}||\mathbf{r}|\sin\theta \cdot \bold n= dl \cdot r \sin\theta\cdot \bold n\\
$$

と置いて

$$
d\mathbf{H} = \frac{I dl \sin\theta}{4\pi r^2} \cdot \bold n
$$

あるいはクロス積のスカラー倍の演算規則にのっとって$${\frac{1}{r}}$$をひっこぬくと

$$
d\mathbf{H} = \frac{I d\boldsymbol{l}}{4\pi r^2} \times \frac{\mathbf{r}}{r} =\frac{I }{4\pi r^2} d\boldsymbol{l}\times \frac{\mathbf{r}}{r}
$$

ここで$${\frac{\mathbf{r}}{r}}$$は単位ベクトル。
単位ベクトルとの外積なので出力ベクトルは

$$
|d\bm l||\hat{\bm r}|\sin \theta=|d\bm l|\sin \theta=
$$

つまり微小距離=線素が往々にして$${\sin}$$の効力でさらに縮む。
ここで$${I}$$を乗じて$${I|d\bm l|}$$となるので、電流が微小距離あたりに分配される。

画像8

$${d\bm l}$$地点は導線上にあり、$${\bm r}$$地点が銅線から垂直にあれば$${\theta = 90\degree}$$であって$${\sin\theta = \sin\frac{\pi}{2}=1}$$
この時は微小な$${d\bm l}$$が縮むことなく出力に渡る。

内積と外積の積分

内積の積分:

2つのベクトル関数 $${ \mathbf{A}(t) }$$ および $${ \mathbf{B}(t) }$$ の内積の積分を考えましょう。内積の積分は以下のように定義されます。

$$
\int_a^b \mathbf{A}(t) \cdot \mathbf{B}(t) , dt = \int_a^b (A_1(t)B_1(t) + A_2(t)B_2(t) + A_3(t)B_3(t)) , dt
$$

ここで、$${ \mathbf{A}(t) = \langle A_1(t), A_2(t), A_3(t) \rangle }$$ および $${ \mathbf{B}(t) = \langle B_1(t), B_2(t), B_3(t) \rangle }$$ です。それぞれの成分関数を積分して結果を求めます。

外積の積分:

外積(クロス積)の積分も同様に計算できます。2つのベクトル関数 $${ \mathbf{A}(t) }$$ および $${ \mathbf{B}(t) }$$ の外積の積分は以下のように定義されます。

$$
\int_a^b \mathbf{A}(t) \times \mathbf{B}(t) , dt
$$

この積分は、各成分について個別に積分を実行し、それらの結果からベクトルを構築することで計算できます。外積の各成分は、$${ \mathbf{A} ) と ( \mathbf{B} }$$ の各成分の関数であり、これらの関数に対して通常の積分を適用します。

例:

$$
\int_a^b (\mathbf{A}(t) \times \mathbf{B}(t))_i , dt = \int_a^b (A_j(t)B_k(t) - A_k(t)B_j(t)) , dt
$$

ここで、$${ i, j, k }$$ は循環的に $${ 1, 2, 3 }$$ を取り、$${ i \neq j \neq k )}$$です。

これらの積分が具体的にどのように機能するかは、選択されたベクトル関数 $${ \mathbf{A}(t) }$$ および $${ \mathbf{B}(t) }$$ の具体的な形に依存します。各成分の積分を個別に計算し、それらを組み合わせて最終的なベクトルを得ることができます。

ビオ・サバールの法則の積分

導体を経路とみなした線積分。
すなわち導体に沿って流れている電流が、
磁場の観測点に寄与している分だけ値を足していく。

直線

直線導体に沿って一定の電流が流れる場合の磁場を計算する場合。

導体上に原点があるならば、導体上の変位ベクトルと磁場の観測点を示す位置ベクトルに対して磁場のベクトルは直交する。この時磁場は導体を中心とする円を成す。

特に磁場の観測点がxy平面上にあるならば、観測点の位置ベクトルがxy平面上に落とす影は磁場のベクトルとxy平面上でプラスマイナス90度の関係になる。

以下ChatGPT4

まず、直線導体の位置をパラメータ化し、観測点までの距離ベクトルを定義します。簡単のため、導体を$${ z }$$軸上に置き、磁場の観測点を$${ \mathbf{r} = (x, y, z) }$$とします。導体上の点を$${ \mathbf{r'} = (0, 0, z') }$$として、微小電流要素$${ d\mathbf{l} }$$を$${ (0, 0, dz') }$$と設定します。

すると、ビオ・サバールの法則により:

$$
d\mathbf{B} = \frac{\mu_0}{4\pi} \frac{I d\mathbf{l} \times (\mathbf{r} - \mathbf{r'})}{|\mathbf{r} - \mathbf{r'}|^3}
$$

これを計算し、導体全体にわたって積分を実行することで、磁場$${ \mathbf{B} }$$を求めることができます。具体的には:

$$
\mathbf{B}(\mathbf{r}) = \frac{\mu_0 I}{4\pi} \int_{-\infty}^{\infty} \frac{(0, 0, dz') \times (x, y, z - z')}{((x^2 + y^2 + (z - z')^2)^{3/2})}
$$

上記の積分を計算することは、一般的には難しいですが、特定の観測点での磁場や、導体の特定の部分からの寄与を計算する際には可能です。計算をさらに簡単にするために、観測点の位置や導体の範囲、さらには導体が無限に長いと仮定することもできます。具体的な問題やシナリオに応じてアプローチを選択し、積分を計算します。



アンペールの右ねじの法則

電流流すと磁場できる則。
ビオ・サバールの法則を特定条件下で積分した結果。

無限に長い直線導体に電流が流れる場合、磁場Hは導体に対して円周状かつ右ネジの締まる方向に発生する。

この電流は直流、定電流だろうが誘導電流だろうが成り立つ。

画像9

rは導体からの距離、円周の半径。円周の長さは直径×円周率で2πr

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円周状に電流を流した場合、その中心には磁場が発生する。

画像5
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$$
d\mathbf{H} = \frac{1}{4\pi} \frac{I d\boldsymbol{l} \times \mathbf{r}}{r^2}
$$

これを積分すると:

$$
 \boldsymbol{H}(\mathbf{r}) = \frac{1}{4\pi} I \int \frac{d\boldsymbol{l} \times \mathbf{r}}{r^2} 
$$


フレミングの左手の法則

モーター。

磁石の間で導線に電気流すとくるくる回る則。

FBI
F(親指:電磁力)導体の動く方向
B(人指:磁束)磁力線の方向
I(中指:電流)電流の方向

フレミングの右手の法則

発電機。

磁石の間で導線くるくる回すと電気流れる則。

導体が磁界を切ると、導体に電気が流れる。この現象を電磁誘導という。
この時発生する起電力(電圧)を誘導起電力といい、流れる電流を誘導電流という。

磁石の近くで導線が動いても、導線の近くで磁石が動いても起こる現象は同じ。また、磁界中の導体に電気を流せば導体は動く(電磁力)。動いてない導体に電流を流すと磁場が発生する。

レンツの法則

コイルに差し込むように磁石近づけるとコイルに電流流れる則。
磁場動かすと世界がひずみを消しに来る則。

誘導起電力、あるいは誘導電流の流れる向きに関する法則。

誘導電流は与えられた磁束の変化を妨げる方向に流れる。

コイルに対して差し込むように棒磁石を接近させた場合、
誘導電流は棒磁石から見て反時計回りに流れる。

アンペール則を期待すると、その逆向きにも発生しとるという則。


ファラデーの法則

磁界の中を導体が動くと導体に電圧が生じる。
誘導起電力は磁束の変化の割合に比例する。
磁束が変化しなければ誘導起電力は発生しない。

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Eは電場、Bは磁束密度[Wb/m^2]。

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eは誘導起電力、Φは磁束


N巻コイルの場合

誘導起電力は磁界の変化の割合およびコイルの巻数に比例する。

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コイルが磁界と直角、および面積Sで面積最大の時、コイルを貫く磁束Φmは(磁束密度×面積)

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コイルがωtだけ回転している時(磁界に貫かれる面積が0-1で変動する時)、コイルを貫く磁束Φは

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この時コイルに発生する逆起電力は

d/dt cosθ=-sinθ
d/dt ωcosθ = -ωsinθ (tで微分するならωはただの係数)

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ただしEmは誘導起電力の最大値。

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これは電圧と瞬時値の関係

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と同じ。


直線導体の場合

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l=導体の長さ
v=導体の移動速度


自己誘導

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あるいは

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→コイルに時間に応じて変化する電流を流す。
→コイルの中心に時間に応じて変化する磁場が発生する。
→コイルに、時間に応じて変化する磁場を打ち消そうとする力が生まれる(逆起電力)。この起電力は最初の電流と逆向きに電流を流そうとする。

これは交流回路、ないし時間に応じて電流が変化する回路において、コイルが電流の変化を阻害する素子として働くことを意味する。

変化を阻害するとは、電流が流れていない時には新たに電流が流れないように働くし、電流が流れている時には電流が止まらないように働くことを意味する。慣性的なもの。

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