クーロンの法則まわり

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元記事


電荷が2つあると2つの電荷の間には力が働く。これをクーロン力という。

$$
f = k \frac{q_1 q_2}{r^2}[N:ニュートン]
$$

$$
k = 8.988 \times 10^9  [\text{Nm}^2/\text{C}^2]
$$

$$
k = \frac{1}{4 \pi \varepsilon_0}
$$

$${q}$$は電荷。$${r}$$は電荷間の距離。$${k}$$は適当な係数。$${c}$$は真空中の光の速度。

$$
\varepsilon_0 = \frac{10^7}{4 \pi c_0^2} = 8.854 \times 10^{-12} \ [\text{F/m}]
$$

$$
c_0 = 2.998 \times 10^8 \ [\text{m/s}]
$$

秒間30万Km。地球7周半。東京大阪間500Km。秒間300往復。

$${ε_0}$$は真空中の誘電率。$${ε}$$は誘電率で、$${ε_r}$$は比誘電率。比誘電率は真空中で$${ε_r=1}$$。

$$
\varepsilon = \varepsilon_0 \varepsilon_r
$$

ベクトル形の場合

$$
\bm f = \frac{1}{4\pi\varepsilon_0} \frac{q_1 q_2}{r^2} \frac{ (\mathbf{r_1} - \mathbf{r_2})}{ |\mathbf{r_1} - \mathbf{r_2}|}=k\frac{q_1 q_2}{r^2} \frac{ (\mathbf{r_1} - \mathbf{r_2})}{ |\mathbf{r_1} - \mathbf{r_2}|}
$$

$$
\bm f = kq_1 q_2\frac{ (\mathbf{r_1} - \mathbf{r_2})}{ |\mathbf{r_1} - \mathbf{r_2}|^3}
$$

ただし

$$
\frac{\mathbf{r_1} - \mathbf{r_2}}{|\mathbf{r_1} - \mathbf{r_2}|}
$$

は$${r_2}$$から$${r_1}$$へ向かうベクトルの単位ベクトル$${\bm n=\frac{\mathbf{r_1} - \mathbf{r_2}}{|\mathbf{r_1} - \mathbf{r_2}|}}$$。あるベクトルをそのベクトルの大きさで割ると長さ1の単位ベクトル。

$$
\bm f = \frac{1}{4\pi\varepsilon_0} \frac{q_1 q_2}{r^2} \bm{n} = k \frac{q_1 q_2}{r^2} \bm{n} 
$$

あるいは

$$
\bm f=k\frac{q_1q_2}{r^3}(\bm r_1-\bm r_2)=k\frac{q_1q_2}{r^3}\bm r
$$

電荷

電磁気現象の源。単位はクーロン[C]。この力は我々をビリビリさせるしモーターをぐるぐる回す。また、導線をあっつくする。

電流

単位時間当たりに通過する電荷の量。電荷が動けば電流は流れる。1秒間に1Cの電荷が流れると1A。電荷の担い手には電子・イオン・正孔(ホール)があるが、頭をからっぽにしたい時は電子がびゅんびゅんしてると考える。

電流が変位の範囲で一定なら

$$
I=\frac{\Delta Q}{\Delta t}[A]
$$

微分で正確に書くと

$$
 I(t) = \frac{dQ(t)}{dt} 
$$

逆に期間$${t}$$の範囲で総電荷$${Q}$$を大雑把に平均化すると
その期間に流れた平均電流$${I_{avg}}$$は

$$
I_{avg}=\frac{Q}{t}[A]
$$

オームの法則的には$${V=IR}$$であって、
電力ワットは$${P=IV[W]}$$
電力量は仕事$${W}$$であって、単位はジュールあるいは$${W\cdot s}$$。$${W=Pt=IVt}$$

ここで大雑把な時は$${It=Q}$$で良かったから

$$
W=Pt=IVt=QV
$$


電気素量

電子1個分の電荷は電気素量

$$
e=1.602176634 \times 10^{-19}[C]
$$

だもんで

$$
e=\frac{1.602176634}{10000000000000000000}[C]
$$

ここで$${10^{19}}$$は1000京

逆に言うと
電荷Qならば電子は

$$
n=\frac{Q}{e}[個]
$$

存在する。

1秒1Aで1Cだから、

$$
I[A] \times t[秒]=Q[C]\\
1[A] \times 1[秒] = 1 [C]
$$

1Cに対し電子1個あたり$${e=1.602176634 \times 10^{-19}[C]}$$だから
電子の個数は

$$
n=\frac{1[C]}{\frac{1.602176634}{10000000000000000000}[C]}
$$

であって、1000/1.602…がだいたい624.15090744607626077762409809304であるから電荷1Cなら電子はだいたい624京個。

1Aの電流を1秒流したら移動する電子はだいたい624個。
600Wのレンジを1分間動かしてチンしたら、商用電源およそ100Vとみて6Aが1分間流れる。6A✕60秒✕約624京個だから流れる電子はおよそ22垓4640京個。

eV(エレクトロンボルト)

エレクトロンボルト (electron volt, eV)は、電子が1ボルト $${V}$$ の電位差を移動するときに得るエネルギーを指します。

1エレクトロンボルトのエネルギーは以下のように定義されます:

$$
1  \text{eV} = 1.602 \times 10^{-19}  \text{ジュール (J)} 
$$

エレクトロンボルト $${eV}$$ は、電気素量 $${ e }$$ を用いて以下のように表すことができます。

エレクトロンボルトは、1ボルト $${V}$$ の電位差を移動する電子の持つエネルギーです。電気素量 $${ e }$$ は電子の電荷の絶対値であり、約 $${ 1.602 \times 10^{-19} }$$ クーロン $${C}$$ です。

したがって、エレクトロンボルトを電気素量 $${ e }$$ を用いて表すと以下のようになります:

$$
1  \text{eV} = e \times 1  \text{V} 
$$

ここで、

$$
e \approx 1.602 \times 10^{-19}  \text{C} 
$$

したがって、1エレクトロンボルトのエネルギーはクーロンとボルトの積であってジュールです。それは次のように書けます:

$$
1  \text{eV} = 1.602 \times 10^{-19}  \text{J} 
$$

電気素量 $${ e }$$ を用いることで、エレクトロンボルトの物理的意味が明確になります。電子が1ボルトの電位差を移動する際に得るエネルギーが、電気素量のエネルギーに等しいということです。

電場のエネルギー

電子が電場から得られるエネルギーがすべて運動エネルギーになると仮定すると

$$
運動エネルギーK=\frac{1}{2} mv^2[J]
$$

$$
\frac{1}{2} m_e v^2=eV[J]
$$

ここで
$${m_e}$$ : 電子の質量
$${v}$$ : 電子の速度
$${e}$$ : 電子の電荷、電気素量、クーロン[c]
$${V}$$ : 電子にかけられた電圧

電場(電界)E(r)

電荷に対して力を及ぼす空間。

クーロン力は電荷間に働く力であるが、この時片方の電荷を固定して考えると、力はもう片方の電荷の位置の関数として表せる。この時出力は強さ(長さ)と向き(角度)のベクトルとなり、電場はベクトル場となる。

電場の単位は〔N/C〕あるいは〔V/m〕

ここで
N : ニュートン、力
C : クーロン、電荷
V : ボルト、電位、電圧、〔J/C〕
J : ジュール、仕事、力*距離〔N・m〕

ニュートン毎クーロン (N/C):

  • 電場は、電荷 $${ q }$$ に対してどれだけの力 $${ F }$$ を及ぼすかを表します。

  • 電場の強さ $${ E }$$ は、電荷に対する力をその電荷の大きさで割ったものとして定義されます。
    $${ E = \frac{F}{q} }$$

  • 力の単位はニュートン $${N}$$、電荷の単位はクーロン $${C}$$ なので、電場の単位はニュートン毎クーロン $${N/C}$$ になります。

ボルト毎メートル (V/m):

  • 電場は電位の変化率としても表されます。電場 $${ E }$$ は電位 $${ V }$$ の変化 $${ \Delta V }$$ をその距離 $${ \Delta x }$$ で割ったもので表されます。
    $${ E = -\frac{\Delta V}{\Delta x} }$$

  • 電位の単位はボルト $${V}$$、距離の単位はメートル $${m}$$ なので、電場の単位はボルト毎メートル $${V/m}$$ になります。

電位差に対する比例係数:

均一な電場 $${E}$$ の場合、電場は電位差 $${V}$$ と距離 $${d}$$ の間の比例係数としても表されます: $${V=Ed}$$
この式から、電場 $${E}$$ は電位差 $${V}$$ を距離 $${d}$$ で割ったものであり、電位差と距離の間の比例係数となります。

$$
f = k \frac{q_1 q_2}{r^2}
$$

$$
f = q_2\frac{q_1}{4 \pi \varepsilon_0 r^2} 
$$

$$
f = q_2E
$$

$$
E = \frac{q_1}{4 \pi \varepsilon_0 r^2}
$$

この時のEはスカラーないし電場の出力ベクトルの大きさである。
あるいは位置の関数として

$$
\mathbf F(\mathbf{r}) = q\mathbf{E}(\mathbf{r})
$$

$$
\mathbf F(\mathbf{r})\\
= q \sum\limits_{i=1}^{n} E_i \frac{\left( \mathbf{r} - \mathbf{r}_i \right)}{ \left| \mathbf{r} - \mathbf{r}_i \right|}\\
= q \sum\limits_{i=1}^{n} \frac{q_i}{4\pi r_i^2 \varepsilon_0}  \frac{\left( \mathbf{r} - \mathbf{r}_i \right)}{ \left| \mathbf{r} - \mathbf{r}_i \right|}\\
= q \sum\limits_{i=1}^{n} \frac{1}{4\pi\varepsilon_0} \frac{q_i}{\left| \mathbf{r} - \mathbf{r}_i \right|^2} \frac{\left( \mathbf{r} - \mathbf{r}_i \right)}{\left| \mathbf{r} - \mathbf{r}_i \right|}\\
= q \sum\limits_{i=1}^{n} \frac{1}{4\pi\varepsilon_0} \frac{q_i}{r_i^2} \frac{\left( \mathbf{r} - \mathbf{r}_i \right)}{\left| \mathbf{r} - \mathbf{r}_i \right|}\\
= q \sum\limits_{i=1}^{n} \frac{1}{4\pi\varepsilon_0} \frac{q_i}{r_i^2} \mathbf n_i
$$

$${\bm r}$$はある電荷の位置。$${\bm {r}_i}$$は周囲の電荷。距離$${r}$$は各々の電荷との各々の距離なので$${r_i}$$とすべき。$${\frac{\left( \mathbf{r} - \mathbf{r}_i \right)}{ \left| \mathbf{r} - \mathbf{r}_i \right|}}$$は$${i}$$番目の電荷から位置$${\bm r}$$方向への単位ベクトル$${\mathbf n_i}$$。

インデックスに依存しないやつを定数$${k=\frac{1}{4\pi\varepsilon_0}}$$でまとめると

$$
=q \sum\limits_{i=1}^{n} k \frac{q_i}{\left| \mathbf{r} - \mathbf{r}_i \right|^2} \mathbf n_i=q \sum\limits_{i=1}^{n} k \frac{q_i}{r_i^2} \mathbf n_i
$$

右辺のq以外をまとめると

$$
\mathbf E(\mathbf{r})\\
= \sum\limits_{i=1}^{n} \frac{1}{4\pi\varepsilon_0 } \frac{q_i}{\left| \mathbf{r} - \mathbf{r}_i \right|^2} \frac{\left( \mathbf{r} - \mathbf{r}_i \right)}{\left| \mathbf{r} - \mathbf{r}_i \right|}\\
= \sum\limits_{i=1}^{n} k \frac{q_i}{\left| \mathbf{r} - \mathbf{r}_i \right|^2} \mathbf n_i\\
=\sum\limits_{i=1}^{n} k \frac{q_i}{r_i^2} \mathbf n_i
$$

ここでほうぼうの電荷の距離$${r_i}$$を等距離に揃えることを考えて、

これは例えば遠くに電荷があっても、その電荷と結ばれる直線上のある距離$${r}$$地点での影響を考えるなら、そこに仮想的な電荷があると考えて結局全部等距離に並べることができるという仮定であって、その仮定の元でなら$${r}$$のインデックスは全部とれるから

$$
\mathbf E(\mathbf{r}) = \sum\limits_{i=1}^{n} \frac{1}{4\pi\varepsilon_0 } \frac{q_i}{\left| \mathbf{r}\right|^2} \frac{\mathbf{r}}{\left| \mathbf{r}\right|}= \sum\limits_{i=1}^{n} k \frac{q_i}{r^2} \mathbf n
$$

$$
\varepsilon_0\mathbf E(\mathbf r)=\mathbf D = \frac{1}{4\pi r^2}\sum q_i \mathbf n
$$

これを変形させ、$${r}$$が等距離=球という前提から一般化、
いかなる形状でも対応可能にするとガウスの法則。
表面積から湧き出るベクトルの総和=電荷


まず、電場 $${\mathbf{E}(\mathbf{r})}$$ の発散 $${\nabla \cdot \mathbf{E}(\mathbf{r})}$$ を計算します。

$$
\nabla \cdot \mathbf{E}(\mathbf{r}) = \nabla \cdot \left( \sum_{i=1}^{n} \frac{q_i}{4 \pi \varepsilon_0} \frac{\mathbf{r} - \mathbf{r}_i}{|\mathbf{r} - \mathbf{r}_i|^3} \right)
$$

次に発散の線形性を利用して、和の記号の外に発散演算子を移動させます。

$$
\nabla \cdot \mathbf{E}(\mathbf{r}) = \sum_{i=1}^{n} \frac{q_i}{4 \pi \varepsilon_0} \nabla \cdot \left( \frac{\mathbf{r} - \mathbf{r}_i}{|\mathbf{r} - \mathbf{r}_i|^3} \right)
$$

ここで、

$$
\nabla \cdot \left( \frac{\mathbf{r} - \mathbf{r}_i}{|\mathbf{r} - \mathbf{r}_i|^3} \right) = 4\pi\delta(\mathbf{r} - \mathbf{r}_i)
$$

という関係を利用します。$${\delta(\mathbf{r} - \mathbf{r}_i)}$$ はディラックのデルタ関数です。

$$
\nabla \cdot \mathbf{E}(\mathbf{r}) = \sum_{i=1}^{n} \frac{q_i}{4 \pi \varepsilon_0} 4\pi\delta(\mathbf{r} - \mathbf{r}_i) = \sum_{i=1}^{n} \frac{q_i}{\varepsilon_0} \delta(\mathbf{r} - \mathbf{r}_i)
$$

次に、電荷密度 $${\rho(\mathbf{r})}$$ を点電荷の和として表現します。

$$
\rho(\mathbf{r}) = \sum_{i=1}^{n} q_i \delta(\mathbf{r} - \mathbf{r}_i)
$$

これを用いて、電場の発散を電荷密度で表現します。

$$
\nabla \cdot \mathbf{E}(\mathbf{r}) = \frac{1}{\varepsilon_0} \sum_{i=1}^{n} q_i \delta(\mathbf{r} - \mathbf{r}_i) = \frac{\rho(\mathbf{r})}{\varepsilon_0}
$$

これがガウスの法則の微分形式です。

$$
\nabla \cdot \mathbf{E}(\mathbf{r}) = \frac{\rho(\mathbf{r})}{\varepsilon_0}
$$

この式を体積 $${V}$$ で積分することで、ガウスの法則の積分形式が得られます。

$$
\oint_S \mathbf{E} \cdot d\mathbf{S} = \frac{Q}{\varepsilon_0}
$$

ここで、$${S}$$ は体積 $${V}$$ を囲む閉曲面、$${Q}$$ は体積 $${V}$$ 内の全電荷です。






静電ポテンシャル

仕事は物体に力が掛かり、物体の位置が動いた時に発生する(力×距離)。その際に位置の経路が仕事に影響を与えないような力を保存力という。すなわち空間中に万遍なく、全体攻撃のようにかかる力である。
保存力は経路に寄らないので、保存力によって成される仕事は位置のことだけ考えればよい。このような、位置に応じた物体の、仕事をする能力のことを位置エネルギー、あるいはポテンシャルエネルギーという。

重力による位置エネルギー(ポテンシャルエネルギー)は地表辺りが0になって、これを基準とすると分かりやすくなる。電場の場合は電荷同士の距離を無限に離せばその地点のクーロン力は0になると考えて、その地点において電荷の成す仕事は0。無限の彼方の0地点を基準と考えることもできる。また、地面をアースとみて基準点ととることもできる。


無限の彼方(電位=0)から位置rまで電荷を運ぶ仕事、=電位、電位差、電圧

$$
V = - \int_{\infty}^{r} E  dr = - \int_{\infty}^{r} \frac{Q}{4\pi\varepsilon_0 r^2}  dr
$$

$$
V = - \int_{a}^{b} \mathbf{E} \cdot d\mathbf{l}
$$

電気力線

電荷から放射されると考えると便利になる概念。
真空中において1[C]の電荷から1/ε本発生すると考える。ただしεは誘電率。
真空中では1/ε_0=1.13*10^11本生える。

電気力線は1[C]に1/ε[本]であるから、Q[C]の電荷からはQ/ε[本]生える。

球体の表面積で割ると電場

$$
E = \frac{1}{4\pi r^2 } \frac{Q}{\varepsilon_0}
$$

電束

電荷から放射されると考えると便利になる概念。電気力線の束。
1 [C]の正電荷から1本生ずると定義される。

Q[C]の電荷からはQ[本]生える。

球体の表面積で割ると電束密度

$$
D = \frac{Q}{4\pi r^2}
$$

電束密度

電場やガウスの法則との間で生まれてくる量。

$$
D = \varepsilon_0 E
$$

$${ε_0}$$は真空中の誘電率

あるいは単位面積当たりの電束と考えて

$$
D=\frac{Q}{\text{表面積}}
$$

球体なら前述の通り

$$
D=\frac{Q}{4\pi r^2}
$$

密度なので面積を掛けると電束(1本/1Q)に戻る。

おおざっぱに考えると(2)

クーロンがやべーやつなので結局電流が流れるのが一番やべー。
電流が流れるとビリビリする。人が死ぬ。爆発する。電線が焼けて火事になる。なにがやべーって、電流の引き起こす熱がやべー。
電流は電位差があると流れる。すなわち電荷が溜まってる所から溜まってないところに流れる。そういうようなのを電圧という。電圧は必ず場所と場所、空間と空間、地点と地点との比較でしか現れない。

電圧は水に例えられることもある。交流の場合は往復ビンタか回転やすりである。ピンポン玉みたいな電子を想像し、それがぎゅうぎゅうに詰まってる袋に穴を開けると、やべー勢いでピンポン玉が爆裂するのを想像しても良い。その時ピンポン玉はピンポン玉自身の推進力ではじけ飛ぶのではなくて、詰まっている所から詰まってない所に向かってはじけ飛ぶ。そういうのが圧というやつである。

すごい電圧が掛かってるとやべー電流が流れやすくなる。しかしその時、すごい電圧が掛かっている2点の間を、鉄壁の抵抗が埋めていれば電流は流れない。

空気は抵抗が大きい。地面は抵抗が0とみなされる。雷は雲が摩擦でごろごろしている時に、なんかの拍子に空気の抵抗をブチ破ると地面に向かって落ちる。地面が抵抗0とみなされるのは体積無限と仮定されるからである。電荷の担い手を無限に吸い込むようなものと想像できる。想像するのは自由である。

電線を電池と豆電球に繋いだ時、電流は電池の電荷の溜まってる方の極から流れて溜まってない方の極に流れる。豆電球のようなものは負荷と呼ばれ、抵抗の塊である。電気は抵抗で仕事をし、仕事をするとはすなわち光ったり、熱っつくなったり、モーターを回したりのことである。

電線に電気が流れるのは電線の中の導体、例えば銅なんかの抵抗が低いからである。豆電球を繋がずに電池のプラス極とマイナス極を繋ぐような行為を短絡という。これは電流が流れ過ぎることをいい、大変に危険である。これはその辺の電池であっても容易に火事になる。

家のコンセントの場合は交流であるため、直流である電池とは微妙に要領が違うが、短絡の恐ろしさは同じである。家のコンセントで短絡を起こすと、壁の中の配線は焼けるし溶けるし、やり方によっては爆発する。それをさせないための機器がブレーカーだったりヒューズだったりする。

ブレーカーは熱膨張率が異なる金属を張り合わせたバイメタルというものを用い、回路に急激な熱が加わった時にバイメタルが湾曲し、強制的に回路を切断する仕組みである。ヒューズは、配線より早く溶けるだけの導体である。

つまり、機器が劣化していたり、電気屋さんがつける器具間違えてたり、電線が見当たらないからってその辺の余ってるヤツで済ませてると、壁の中の配線は焼け落ちて火事になる。とろけるチーズになる。

感電は、電圧が掛かってる電線と電線の間に入ったり、電圧が掛かってる電線から人間を通って地面に向かって電気が流れた時に起こる。人間にも抵抗はあるため、家庭用のコンセントで感電してもめったなことでは死にはしないが、絶対に死なないという保証はない。また、水に濡れて抵抗が下がっていると家庭用のコンセントでも死ぬ。

鳥さんが電線で死なないのは、電線1本に対して両足で乗っかっているからである。この状況においては、電流はそれなりに抵抗のある鳥さんに寄り道せず、電線の中をそのまま通る。しかし鳥さんが電線2本の間に挟まってしまうと、電流は鳥さんという抵抗をぶち破って電線から電線へと流れる可能性がある。こうなると鳥さんは焼き鳥になる。
また、重力に縛られた悲しき人類は、二足歩行で地面を歩くしか能がないため、釣り竿などを電線に引っ掛けると、電流が人間をぶち抜いて地面に落ちる。こうなると人間はだいたい死ぬ。

漏電は、本来コンセントから機械を通って、もっかいコンセントに戻るという回路中で完結しなければならない電気の流れが、なんかぶっこわれて機械自体や周囲の建物、果ては地面にまで電気が流れてしまっている状態である。

漏電している機械に触れると、電気は人間を通って地面に流れる可能性がある。つまり感電する可能性がある。アースという名の緑の線、ないしコンセントプラグの3本目のヤツは、地面に繋いである壁の中の線(電気屋さん目線のアース)と機械のガワとをあらかじめ接続して、漏れてる電流を全部地面に流すためのものである。すなわち緑の線は、普段は電気は流れてないが、機械がぶっこわれてると電気が流れる。

楽天的に考えれば、機械がぶっこわれてびりびりしていても、アースさえしっかり繋いであるならばその機械に触れたところで感電はしない。が、やはり水に濡れてたりするとどうなるかは分からない。

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