オームの法則まわり
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元記事
電気界のはじき。
$$
V=IR
$$
V : 電圧。単位はボルト[V]
I : 電流。単位はアンペア[A]
R : 抵抗。単位はオーム[Ω]
電圧[V]
電位差、電位の差。2点間の電位の差。『落差』のように、必ず2つの地点の間に定義されるもの。
$$
V=\frac{W}{Q}
$$
電位:電荷に係る位置エネルギー。静電ポテンシャル。地球の引力圏においては位置(高さ)に応じて物体の成す仕事の量は変わる的なこと。
電気においては2つの電荷の間に力が働くと考えるため、片方を地球に見立てて固定して考えれば、もう片方は入力座標に応じて出力が変わるとみなせる、的なこと。2点を指示し、その点が出力するエネルギーに差があれば電圧が生まれる、的なこと。
仕事やエネルギーに対して納得いかない場合は静電ポテンシャルの項、あるいは以下のページを参照。電荷は後述。
仕事Wは
$$
W = \mathbf F \cdot \Delta \mathbf x
$$
であって、ベクトル$${\mathbf{F}}$$とベクトル$${\Delta \mathbf{x}}$$の内積によって定義されるスカラーである。Fとxをスカラーとみなす場合、方向情報は失われるが、特定の方向(水平、垂直など)を前提とした式
$$
W=F\Delta x
$$
が成り立つ。
積分で表すと
$$
W = \int_{x_1}^{x_2} F(x) , dx
$$
であって、これは線積分の特殊なケース、1次元直線上の区間の積分である。より一般的には
$$
W = \int_C \mathbf{F} \cdot d\mathbf{r}
$$
であって、ここで、
$${ W }$$ は仕事
$${ \mathbf{F} }$$ はベクトル場(ここでは力のベクトル場)
$${ d\mathbf{r} }$$ は曲線上の微小変位ベクトル
$${ C }$$ は考慮する曲線や経路
ここでベクトル場$${ \mathbf{F} }$$は電荷qを電場$${\mathbf{E}}$$上に置いた時、その電荷に掛かる力であって、
力Fおよび仕事Wを電場を用いると
$$
\mathbf{F} = q\mathbf{E}\\
W = q\mathbf{E}\cdot \Delta \mathbf{x}
$$
で表される。
1次元の特殊な状況に限定すれば
$$
F = qE\\
W = qE \Delta x
$$
であって、積分を用いると
$$
W = -q \int_{C} \mathbf{E} \cdot d\mathbf{s}
$$
ここで
$${ q }$$ は移動する電荷です。
$${ \mathbf{E} }$$ は電場ベクトルです。
$${ d\mathbf{s} }$$ は経路 $${ C }$$ 上の微小な距離ベクトルです。
積分は経路 $${ C }$$ 全体にわたって行われます。
負の符号は、電荷が電場と同じ方向に移動する場合、電気的なポテンシャルエネルギーが減少することを示しています。つまり電荷は、電場に反発する時ポテンシャルエネルギーが蓄積し、そのエネルギーは電荷を電場に引きずり戻すために作用します。
ひるがえって
$$
V=\frac{W}{Q}
$$
においては
$${W = -q \int_{C} \mathbf{E} \cdot d\mathbf{s}}$$であって$${q=Q}$$とみる。従って
$${V = - \int_{C} \mathbf{E} \cdot d\mathbf{s}}$$であって、より正確には
電位差$${\Delta V = V_2-V_1}$$(ただしデルタはラプラシアンではなく差分)を用いて
$$
\Delta V = V_2-V_1= - \int_{C} \mathbf{E} \cdot d\mathbf{s}
$$
あるいは
$$
\mathbf{E} = -\nabla V
$$
電流[A]
単位時間当たりに通過する電荷の量。詳細は以下の電荷の項。
$$
I=\frac{Q}{t}
$$
あるいは
$$
I=\frac{\Delta Q}{\Delta t}
$$
微分を用いると
$$
I(t) = \frac{dQ(t)}{dt}
$$
積分を用いると
$$
Q = \int_{t_1}^{t_2} I(t) , dt
$$
デルタなしの$${I=\frac{Q}{t}}$$は、牧歌的な単純な仮定の下では十分成り立つ。すなわち3Aの電流が3秒流れたら、その際に流れていった電荷は9クーロンである。
抵抗[Ω]
電気の流れにくさ。電気は抵抗で仕事をし、エネルギーを消費する。例えば豆電球やモーターは抵抗である。このような、電気を用いる最終目的的なものを負荷という。単純に、電圧や電流を操作、制御するための部品としての抵抗を意味することもある。
$$
R=\rho \frac{l}{S}
$$
ただし
ρ=抵抗率[Ωm]
l=長さ[m]
S=断面積[m^2]
長い方が抵抗が高く、断面が大きい方が抵抗が小さい。
抵抗は直列に繋ぐとその合成抵抗は高くなる。すなわち長くなったとみなせる。並列に繋ぐと合成抵抗は下がる。すなわち断面が大きくなったとみなせる。
電力[W]
電流がする単位時間当たりの仕事。ご家庭の電化製品の戦闘能力。
直流の場合
$$
P=VI=I^2R=\frac{V^2}{R}
$$
交流の場合
$$
P=VI \cos\theta
$$
実際の回路や、負荷にかかる電力を見る場合、例えば電圧が2倍になったからとて、単純に電力が2倍になるわけではない。電圧が変化すれば流れる電流もそれに応じて変化する。
おおざっぱに考えると(1)
ご家庭のコンセントに供給される商用電源はおおよそ100Vである。cosθはおおよそ1と考えるなら、だいたい電化製品のワット数を100で割ったくらいが電線に流れる最大とは言わないがそれに近い電流[A]となる。その辺の家電製品が用いるコンセントの線はVFF1.25mm^2とかであろうから、だいたい12[A]くらいの電流をだらだらと流し続けると溶ける。
ご家庭のコンセントに流してよい電流はおおよそ15[A]程度であり、これは法律的には設置してあるブレーカーに依存するが、メーカーの公表している性能にもよる。
コンセントを束ねるブレーカーは20Aくらいであろうか。それら統括するボスみたいなブレーカーは電力会社との契約によってアンペア数が異なるであろう。これらの役目は電線が焼けるより先に作動して回路を切断することである。
ブレーカーからつながれる壁の中の線は2.0mmあるいはそれから分岐する1.6mmであろうと想定されるであろう。これらは周囲の温度や、同時にまとめられた線の本数にもよるが、楽観的、かつ理想的には27A以上は耐えるはずである。が、だいたいの場合において、壁の中の電線は2本なり3本なりが束ねられておって、それらの電線の許容電流は20Aを下回ることもある。つまり、あんまり過信してると燃える。
よってご自身が電気工事士の免許を持ち、かつ機器や配線の状況をそれなりに把握しているのでない限りは、コンセントに対して合計1500W以上の機器は接続しないことである。
電力量[J][Ws][Wh] :
電力を時間に応じて積算したもの。毎月ご家庭に請求される電気代のもととなるもの。
$$
W=P\cdot t
$$
電力×時間=仕事であるから、単位時間当たりの仕事=電力
![](https://assets.st-note.com/img/1704178931301-oD6a5z2eRI.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1704178936156-IMU6cwFqYt.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1704178943435-SuzTfmVZ9p.png)
電位差Vの空間を電荷Qが移動する時Wの仕事をする。電荷Qに関しては下記参照。
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