非圧縮性ナビエ・ストークス方程式

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参考図書
流体解析の基礎 (日本語) 単行本 – 2014/3/26 河村 哲也 (著)
数値シミュレーション入門 (Computer Science Library) (日本語) 単行本 – 2006/7/1 河村 哲也 (著)
流体計算と差分法 (日本語) 単行本 – 2005/3/1 桑原 邦郎 (著), 河村 哲也 (著)
テンソル解析 基礎数学選書 23 田代 嘉宏 (著)



非圧縮性ナビエ・ストークス方程式1
非圧縮性ナビエ・ストークス方程式2

上の∇・v=0は連続の式。質量保存則。
下の式は非圧縮性ナビエストークス方程式。運動量保存則。この式は各種パラメータを無次元量に直してあるとのこと。
Reはレイノルズ数。無次元量化の影響を受け持つ係数。
流速が小さい、スケールが小さい、粘性が大きい=レイノルズ数が小さい
慣性と粘性の比。レイノルズ数が小さい方が粘性が慣性に勝る。
レイノルズ数が小さい方が粘っこい。

ボールド体のニューは速度場、つまり出力に速度ベクトルを吐くベクトル場。pは圧力。2次の場合、速度場は

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あるいは

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u,vは流体の速度成分。スカラー場。つまり出力にスカラーを吐く。
最初の式はu,vの成分毎の連立方程式を圧縮したもの。例えば2次の場合は以下のように表す。

非圧縮性ナビエ・ストークス方程式35
非圧縮性ナビエ・ストークス方程式34

通常ベクトル場の発散なら出力はスカラー。テンソル場の発散なら出力はベクトル。出力にベクトル項を持つような式は、そのベクトルの次数に応じた連立方程式に分解されると考える。つまり出力が2次のベクトルなら形成される方程式は2つである。

発散

発散、イコールゼロなら連続の式を表す。

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対流(移流)項:発散の逆のヤツ

発散に似てるが演算の方向が違うと発散ではない。出力はまだ演算子。どちらかといえばナブラの仲間である。
成分同士の積の総和をとると

$$
u\frac{\partial}{\partial x} + v\frac{\partial}{\partial y} 
$$

という形の演算子。

2次のナビエストークス方程式では以下のようにベクトル場を受け、各成分が連立方程式に振り分けられて登場する。

003発散

こっちはナブラ(横ベクトル)

スカラー場を受けると


ラプラシアン

次にラプラシアン(演算子)にベクトル場を引っ掛けたもの。スカラー場に作用すると出力はスカラー、ベクトル場に作用すると出力はベクトル。2次の場合

004ラプラシアン

差分近似

ここで、これまで登場した中の1階偏微分と2階偏微分が差分近似の対象となる。

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1変数2階差分a

渦度・流れ関数法

圧力項を消去することを考える。

非圧縮性ナビエ・ストークス方程式34

上の式をyで微分、下の式をxで微分、下の式から上の式を引く。

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なる渦度関数を考慮すると

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が導かれる。また、連続の式から

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なる流れ関数の存在が定義できる。

全部あわせると

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まだ途中。

MAC法の場合

圧力項を独立に求めることを考える。

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変形して

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ここでnは時間ステップ。すなわちn+1付きの項は未知。
求めたいのはv^n+1であるが、v^n+1を求めるためにはp^n+1を求めることが必要。
そのためにはまず両辺の発散をとる

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基本的にニューの発散は0であることを利用しながらn+1ステップのニューを消す。発散が含まれてる項は消そうと思えば消せるが、発散の逆のヤツは消えない。pに付いて解くと

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nステップのニュー(右辺第一項)を残すのは誤差を吸収するためとのこと
ただし右辺三項は消しても問題ない。逆に言えば一項も三項も消すと誤差が発生する。二項は発散の逆のやつなので発散と違って消えない。この式は圧力に関するポアソン方程式に相当する。

ポアソン方程式

つまり右辺はまとめてq(x,y)あるいはq(x,y,t)

これで圧力pに関してヤコビ法、ガウス・ザイデル法、SOR法などの反復法で解くが、実際にナビエストークス方程式ではナブラが付いていることに注意。即ち実際に使う時には解いたp(2次元なら2重配列)の1階差分をとることとなる。

∇・(V・∇)Vは発散の逆のやつ(演算子)とベクトルの積=ベクトルのさらに発散であるので、出力はスカラー。以下、下付き文字はその成分に関する偏微分を表す。

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積の微分は

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(u_x+v_y)は発散=ゼロの部分、全部消える。

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これで圧力項pは求まる。

ここまででてきたものを

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に放り込む。するとMAC法の基本的な要素は完成であるが(あとは格子をズラしたり色々する)、今のところ数値が爆散してしゃーないのでコードの掲載は控える。


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