無限(口語訳)

参考


限りなく大きくする

大雑把に

限りなく大きくすることができる、とは
例えばプラス1することを禁止されていないことなどである。

もうちょっと正確に

限りなく大きくすることができる、とは
例えばいかなる数を指定したとしても、それよりプラス1大きな数が存在することなどである。

もう少し一般的に

限りなく大きくすることができる、とは
いかなる数を指定したとしても、必ずそれよりも大きな数が存在することである。

いかなる数を〜という文言は、
任意の数と言い換えることができます。
なんら制限なく、自由に選んで良いということです。

全ての数と言い換えるとどうなるでしょうか。
大抵の文脈では任意と全ては入れ替え可能です。

すなわち全ての要素に対して例外なく成り立ち、ロジックが不意に破綻したりはしないことが保証されるということです。

限りなく大きくすることができる、とは 例えば全ての数に対して、それよりプラス1大きな数が存在することなどである。

さらに強烈に言い換えましょう。

全ての自然数は自身よりプラス1大きな数を持つ。

全ての自然数は自身よりプラス1大きな自然数を持つ。

個人的にこの文章は怖いのですが、限りなく大きくできるとはこういうことです。

日本語的には、全てという語が境界を定めるような意味合いを暗に含むためと思われますが、ちょっと気持ち悪く感じます。全て、というと全て出し切る感がありますが、自然数が出し切られることはありません。すなわちここでいう全てという語には境界(今の文脈では上限)がありません。出し切られることはありませんが、でてきたもの全てに適用されるのが全てです。

数というのは誰かが上限を決めたわけでもないので、いくらでも大きな数を考えることができます。そのための最も単純な操作は、ある数に1ずつ足していくことです。この操作に際限はなく、誰かに殴って止められるでなければいかなる巨大な数であっても我々はそれにプラス1することができます。

1から(あるいは0から)始めて1ずつ足していくと、その数は自然数全体を成します。

$$
\bm N={1,2,3,4,…}
$$

自然数と整数

自然数とは、数えるときに使う1、2、3といった普通の数字のことです。0(ゼロ)から始めることもあります。例えば、りんごを1個、2個と数えるように、物を数えるときに使います。マイナスの数字や分数(半分や四分の一など)は自然数には含まれません。自然数は、無限に続くので、いくつでも大きな数字を数えることができます。

自然数は限りなく大きくすることができるが、限りなく小さくすることはできない。

自然数には上限はありませんが、その定義上下限は決まっています。下限は0か1です。それより小さなきりの良い数を含む場合、それは整数です。

整数は限りなく大きくすることもできるし、限りなく小さくすることもできる。

整数は自然数を負の数まで拡張したもの。あとゼロです。

コード遊び

自然数を無理やりコードで表現すると以下のようになるかもしれません。

for(n = 0; ; n++){}

整数を無理やりコードで表現すると以下のようになる場合があります。

for(n = 0; ; n++){}
for(n = -1; ; n--){}


有理数

有理数は整数同士の比で表現されるものです。

有理数は、二つの整数の比で表される数です。具体的には、分数の形 $${ \frac{a}{b} }$$ で表され、ここで $${a}$$ は整数、$${b}$$ はゼロ以外の整数です。例えば、$${ \frac{1}{2} }$$、$${ \frac{-3}{4} }$$、$${ 2 }$$($${ \frac{2}{1} }$$ として考えることができる)などが有理数にあたります。有理数は、その数を分数で正確に表現できる数のことを指します。有理数の集合は数直線上で密に分布しており、どんなに小さな区間を取っても、その区間内には有理数が無限に存在します。

for(n = 0; ; n++) { 
    for(m = 1; ; m++) { 
        q=n/m
    }
   for(m = -1; ; m--) { 
        q=n/m
    }
}

このコードは約分形による重複を含む。あと0がアホほど重複する。

for(n = 0; ; n++) { 
    for(m = 1; ; m++) { 
        q=n/m
    }
}
for(n = -1; ; n--) { 
    for(m = 1; ; m++) { 
        q=n/m
    }
}

これはアホループがちょっとへる。

無理数

無理数とは、分数(有理数)では正確に表すことができない数のことを指します。無理数は、無限に続く非周期的な小数展開を持ちます。これは、その数が決して正確な分数の形で表されないことを意味します。無理数の代表的な例には、円周率の $${\pi}$$(約3.14159...)、自然対数の底 $${e}$$(約2.71828...)、そして2の平方根 $${\sqrt{2}}$$(約1.41421...)があります。

無理数は数直線上で有理数と交互に存在し、数直線を完全に埋め尽くします。有理数と無理数を合わせたものが実数の全体を形成し、これにより数直線はどんなに細かく見ても途切れることなく連続していることになります。無理数は数学の多くの分野で重要な役割を果たし、特に代数学や解析学では基本的な概念として扱われます。


コード遊び

無理数に関して、コード的な列挙のアプローチは多分無理。
既存の無理数を加工する、平方根を用いる、などして生成することは可能だが、それは列挙にはならない。以下の実数列挙の概念的アルゴリズムから有理数を除去したものは無理数になる可能性がある。

実数

有理数と無理数をあわせたものです。

実数の場合。
もうちょっとバシッとはまる表現があるかもしれない。

for(n = 0; ; n++){
  r = n;
  r = -n;
  for(i = 0; ; i++){
    r = n/pow(10, i)
    r = -n/pow(10, i)
  }
}

限りなく近づくイプシロンN論法

例えば

$$
\lim_{n \to \infty} \frac{1}{n}=0
$$

これは$${\frac{1}{n}}$$なる一般項がうみだす数列が、nを限りなく大きくすることで0に限りなく近づくということを意味する。
すなわち限りなく大きくするという操作が許されると、それを弄くって他の表現が可能になる。

$$
\lim_{n \to \infty} \frac{1}{n}=0
$$

のように、数列がある地点から値が動かなくなることを収束するという。
ところが、数列がある地点から値が動かなくなる、という表現は数学的に曖昧であるどころか邪悪である。本当にある地点から定数を返す数列ならその通りであろうが、往々にしてそうはならない。

数学的には数列の収束は以下のように表現される。

$$
|a_n-a|<\varepsilon
$$

ここで$${\varepsilon}$$はゼロより大きな任意の、いくらでも小さくして良い数。$${a_n}$$は一般項。aは収束先。
すなわち今の文脈では

$$
|\frac{1}{n}-0|<\varepsilon
$$

であって、この場合数列$${\frac{1}{n}}$$はnを増やせば減る一方であり、nはいくらでもプラス1することができるので、いかなる極小値$${\varepsilon}$$を自由に定めたとしてもいつか必ず$${\frac{1}{n}}$$は$${\varepsilon}$$を下回る。

このことをもって$${\frac{1}{n}}$$は0に限りなく近づく、あるいは収束するといい、

$$
\lim_{n \to \infty} \frac{1}{n}=0
$$

と表す。

このことは、我々がその時使用するいかなる数よりも$${\varepsilon}$$は小さく設定できるし、その時$${\varepsilon}$$を下回るためのnが設定できるということである。

すなわち計算に必要な数をその場で全部出し切ったとて、それよりも小さな$${\varepsilon}$$があと出しで設定可能である以上(そしてさらにそれを下回るためのnが設定可能である以上)、我々が数を使用する上で理論が破綻することは一切ない。

$$
|a_n-a|
$$

この誤差は0そのものではないものの、他に存在する全ての数に比肩して小さいことが保証される。

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