ロンググッパイ

永遠の別れを告げようと
私は部屋を飛び出した

文明の進歩とともに新しく生まれる概念。多くの発明品しかり、入会しやすく退会しがたいコンテンツしかり、電波しかり。便利のために生まれたはずのモノゴトによる新しい煩わしさが、私に選択の意思を迫った。

スマホの契約内容の変更にともないポケットルーターを解約しようと決心。地下鉄内の電波状況にも不満があり、そのストレスも原因のひとつであった。店舗に向かうつもりだったがホームページを見てみると

｢店舗での解約は
受け付けておりません」とのこと

指定された電話番号に発信、数字化されたあらゆる情報をダイヤルキーで打ち込むも登録情報が確認できませんとのこと。

オペレーターとの会話を望み、長い時間、待たされた後につながったので、あらゆる情報を問われた分だけ、すべて答えるも登録情報が確認できませんとのこと。契約中のポケットルーターの解約の意思を伝えると、この電話番号はスマホの解約専用であるとのこと。

その男性のオペレーターに教えてもらった電話番号へ発信するも、ほぼさっきと同じ過程でまた登録情報が確認できませんとのこと。

オペレーターとの会話を望み、長い時間、待たされた後につながったので、あらゆる情報を問われた分だけ、すべて答えるも登録情報が確認できませんとのこと。契約中のポケットルーターの解約の意思を伝えると、系列店で契約したのであればそちらの窓口でお願いしますとのこと。

その男性のオペレーターに教えてもらった電話番号に発信し音声ガイナンスに従いダイヤルキーであらゆる情報を入力。煩わしい手作業の末におつなぎしますと、おつなぎされた第三の男は私にこう告げた。

｢店舗での解約しか
受け付けておりません」と

冗談は圏外だけにしてくれ