「この本のタイトルを考えてください」感想

 「この本のタイトルを考えてください」とは、大喜利プレイヤーの「俺スナ」さんという方が監修した本であり、大喜利の考え方を通して自分の視野を広げたり、捉え方を変えたりすることで日常に役立てようという趣旨の内容である。

 「著」ではなく監修、ということは、例えばメソッド的な部分をインタビューしてそれをライターに文章化してもらい、その内容について修正や承諾をしていく形だろうか。監修と言っても俺スナ氏のエピソードが織り交ぜられてたりしたのでその様に想像した。

 本日2024年6月16日は推しこと詩野さんの誕生日であり、俺スナさんはその誕生日イベントのゲストとして参加。そこで本の宣伝をしており、こういうものは一期一会だと思いKindleで購入。客席から本人に購入後のスマホの画面を見せたら反応してくれたし、イベント後にも話しかけてくれてとても嬉しかった。

 さて、本題の本の内容だが、「私は面白かったけど人を選びそうだなー!」というのが正直な所だった。私は面白かったよ。

 前半は大喜利プレイヤーがお題に対して回答するまでの思考をパターン分けして説明し、後半はそこまでで説明した考え方を日常にも役立ててみよう、という内容。

 「こんな考え方で大喜利(ひいてはお笑い)って作られてるんだ!」「自分もちょっとやってみたいな!」というのが特に面白かった部分であるので、そもそも大喜利というものに馴染みがない人が手に取ったときのことを考えると少々ヒヤヒヤする。タイトルがキャッチーなだけになおさら。後半の、大喜利の思考を自分の認知に活かす部分については大喜利の回答を考えつく素早さが求められる。自分含め初心者だとウンウン唸って認知の改善ができないためだ。それでも、無の状態から「こう考えてみよう」になれればそれは素晴らしいことではあるが。

 私としては、Twitterネタクラスタ(死語)にとても刺さる本ではないかと思う。かくいう私も10年弱前はネタクラスタの真似事をしてふぁぼすたでふぁぼの多い順に自分のツイートを並べてニヤニヤしていた人間だ。
※昔はXはTwitterであり、いいねはふぁぼだった

 日常の中で面白いものを見つけて例えと共にツイート。頭の中でストーリーを生み出しツイート。誰に頼まれるわけでもなく、変なことばかり発信していた。ネタクラスタの人差し指は常に血が滲んでいた。

 どうしたらウケるか、は常に命題であり、ネタクラスタ界隈におけるアルファツイッタラーは至高の存在だった。

 戦乱の世は過ぎ、ネタクラスタの文化が衰退し、泰平が訪れた。広く「面白い人」が人気となる昨今であるが、我々老兵は今でも面白いことを言ってウケたい。街で変なものを見かけたとき、ちょっとおもしろく「見て見て!」ってみんなに言いたい。

 そんなとき、これまで我流でやってきた"ツイ"を、この本を参考にすることで、きちんとしたフォームに落とし込めるかもしれないと思った。

 かつてのツイ戦士達よ、爪を研げ。




 大喜利回答の方法を体系的に説明した本を出したあと実際の大喜利で滑ったら、と考えるとだいぶ怖いが、その場合は「これがスカシです」でごり押すのかな。

これも人助けと思って。