【4月29日中対応推奨】Sollet Bridgeが終了する件について!!

お久しぶりです。Albertです。
今回、掲題の件について、DEGさんの鯖で色々聞かれるので、アビトラマン目線で答えますね。
価格は投げ銭用で、投げ銭なくとも全部読めます。

1.Sollet Bridgeって
Solanaにおいて、Phantom Wallet登場前は、Solletという極めて原初的なWalletを使うのが一般的でした。そのWalletを使って、イーサリアム上のERC20トークン等をSolanaにもってきてWrapped Tokenとして扱うということができてたんですね。逆に、Sollet Wrapped ERC20トークンをイーサリアムに送り返すこともできました。もう今となってはSolanaマニアしか知らない仕様だと思います。

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さて、Wormholeが台頭してきて、他チェーン上のトークンのWrapはSolletではなくWormholeによりWrapされることが多くなってきました。

これに伴い、FTXのSPL入金において、Wormhole Wrappedトークンの受付が始まった銘柄もありますし、また、SPL出金においてWormhole WrappedトークンかSollet Wrappedトークンにするかを選べるようになった銘柄もありました。「選べるの!?」と思ったそこのあなた、そうなんです。選べるものがあるんです。この仕様をおさえるだけでアビトラの幅がぐっと広がりましたね。

2.4月30日に何が予定されているの?
https://projectserum.medium.com/migrating-from-sollet-c5979545c40e
こちらの発表にあるとおり、2022年4月30日をもってFTXにおけるSollet-WrappedのERC20トークンの引き出しを廃止し、それから、Sollet Bridgeが閉鎖 されます。厳密な時刻はここには書かれていないのでUTCなのかどうなのか、また、4月30日の到来をもってなのか満了をもってなのかもよくわかりません。
なお、FTXにおけるSollet Wrappedトークンの入金は、2022年12月31日まで受け付けるとのことです。

3.4月30日以降何がおきるの?

そもそも何故Sollet Wrappedトークンに価値がつくのか、それは鞘取りマン、つまり、アービトラージャーがいるからです。

①イーサリアムチェーン上のネイティブERC20トークンの買値がSollet Wrappedトークンの売値より高い場合、ガス代・手数料さえペイするのであればSollet Wrappedトークンを買って、イーサリアムにBridgeして売れば鞘が取れますよね?
②また、FTXにてSollet WrappedのERC20トークンの入金を受け付けているものについては、FTXでのトークンの買値がSollet Wrappedトークンの売値より高い場合、ガス代・手数料さえペイするのであればSollet Wrappedトークンを買って、FTXに送れば鞘がとれますよね?
こういうアービトラージャーのおかげで、価格が維持されているわけです。

また、アービトラージャーという他人に依拠することなく、自分も①・②のルートを使えるからこそ、Sollet Wrappedトークンを安心してもてるともいえます。

ところが、FTXインターナショナルを追い出された日本人にはそもそも②というルートがないわけです。こうした中で、2022年4月30日、①というルートをつぶされてしまうことになります。したがって、①・②のルートを潰された人は、あえて雑に表現すると「2022年4月30日より後も、②のルートをもっている日本国外のアービトラージャーの言い値、かつ、当該アービトラージャーの好きなタイミングでしかSollet Wrappedトークンを裁けなくなってしまう」のです。

この点について、「どうせアビトラBOTでも走ってるし、日本国外のアビトラマンがいるなら2,022年4月30日より後も、Solled Wrappedトークンをうまく売れるんじゃないの?」という人もいるかもしれません。

しかし、ことはそう単純ではないです。

(i) まず、SolanaのDEXとCEXの間のアビトラは、皆さんが思ってる以上にBOT化しにくいものです。色々要因がありその理由は有料級なので無料で配りませんが、シンプルな理由を一つあげるとすれば、それはSolanaのtxが一度でとおらないことが多く、Serum DEXで意図した挙動を実現することが難しいからです。例えば、SUSHIの市場価格が暴落しているのに、アビトラ用に出した暴落前の市場よりちょっと安いだけのSUSHIのSerum DEXの買い板を解除できなければ、そのBOTは損することになりますよね。


(ii) 手動アービトラージャーは、(ii)のリスクに対して柔軟に対処できる余地もありますが、結局同じリスクにはさらされています。すると、そもそもSollet Wrappedトークンという、現在ではあまり取引されていないトークンについて、たった0.3‐0.5%の鞘を抜くために買い板をSerum DEXに出すのは危ない&手間すぎる、といった判断に繋がりやすいわけです。

(iii)(i)と(ii)からすると、Serum DEXに買い板が充実しスプレッドが小さくなるといった事態はなかなか想定しにくいわけです。すると、アビトラBOTや手動アービトラージャーができるのは、せいぜいSollet Wrappedトークンの売り板がアビトラに適した価格になったときに、Takerで買うことだけなんですよね。まさしく、言い値、かつ、アビトラマンの好きなタイミングでの売買になってしまうというわけです。

(iv) (i)と(ii)はプレイヤーの存在を前提としたものですが、Solanaにはアルゴリズムに従ってSerum DEXに板を出してくれるものが二つあります。Raydium LPとAtrix LPです。しかし、マーケットのトレード対象がSollet WrappedトークンからWormhole Wrappedトークンに移っていることもあり、Sollet Wrappedトークンを含むLPはサイズが小さく、従って、板のスプレッドも大きいです。また今後さらに小さくなっていく可能性もあります

以下SUSHIを例にとって現在の状況をみてみましょう。

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↑Raydium LPの流動性の比較(本当はAtrixも張るべきですがここは割愛)


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↑Sollet WrappedのSUSHIの板状況


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↑Wormhole WrappedのSUSHIの板状況

見ればわかるように、スプレッドや買い板の状況が全然違いますね?

(v) Saberのプールスワップも同様です。そもそもSaberが対応しているSollet-wrappedトークンの数少なく、LPがあっても流動性は小さいです。マルチミリ単位のアセットは一気にSwapできない状態です。毎日のようにロスが少ないようにSwapし、アビトラマンがやってくるのを待ってまたSwapをするというやり方も考えられないではないですが、資金拘束を考えれば時間の無駄です。
(vi) 現在CEXが対応しているSollet Wrappedトークンの入金体制(もしあれば)が続くと考えるのは危険な仮定だと思います。そもそも、Solletで公式ブリッジが廃止されているのにもかかわらず、FTXがSollet Wrappedトークンによる入金を受け入れられるのは、FTXは裏で特別にSollet WrappedトークンをNativeに交換できる地位にあるからとしかいえないでしょう。この特別扱いが、Solanaに多大な影響力をもつといわれるSBFことアフロの取引所以外の取引所に及ぶかは不明です。他の取引所で仮にSollet Wrapped トークンによる入金を現時点で受け入れていたとしても、突然または知らないところで廃止される可能性は十分あると思います現に、先に引用したSerumの記事(Solletの公式でもあります。)では、FTX以外の取引所での取り扱いについて何ら言及はありません。

4.では何をすればいいか
まず、自分のウォレットをSolscanで確認し、Sollet WrappedのERC20トークンがないかをよく確認しましょう。確認したうえで、ガス代を払ってもなおSollet Bridgeに逃がした方がいい資産があるのであれば日本時間4月29日中にやりましょう。ガス代払うぐらいならうっぱらったり、Wormhole Wrappedトークンにしてしまう方がまし、あるいは、自分が使えるCEXの中にSollet Wrappedトークンを預かってくれるもの(調べてません。)に振り込んだ方がましということであれば是非そうしましょう。

また、DeFiの中にはSollet Wrappedトークンを未だに取り扱っているプロトコルがあります。そこで貸付や借入等をしている場合には、プロトコルがどういう対応をする予定なのかは必ず確認しましょう。JET Protocolなんかはきちんとアナウンスを出してます。

【追記】
ツイッターで共有してたからどうでもいいかと思ってたけど、一応noteでも言及しておきます。
https://twitter.com/BtcSleep/status/1522070076622774272?s=20&t=mUDK8kR106yBp8b6msSnhQ



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