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近年、様々な種類が出ているグリルパン
鋳鉄製、鉄鋼製、陶器製、フッ素加工されているもの、ガスコンロのグリルに入るトレー等もあり、また、熱源も、ガス火、IH、オーブン対応など様々です。

溝のある構造は、余分な脂が落ちるので、ヘルシーな仕上がりに。
また、食材の焼き縮みを防げますし、ふっくら、ジューシーに焼き上がります。

きちっと、お手入れをすれば、使えば使うほど、その良さを実感できる調理器具です。

購入時、使用される時のポイントを、まとめてみました。
今後、購入を考えている方、お家のどこかに眠ってたなっと思い出された方々の参考にしてもらえると嬉しいです。


【 材質について 】

1)鋳鉄製(ちゅうてつせい)

炭素含有量が多いです。( 1.7 % 以上)
硬く粘り気が少ないので、薄いと割れやすいため、厚みを持たせて成型しなくてはいけません。
その為、重く、油が馴染むまで、焦げたり、サビやすいので、
油慣らし(シーズニング)の作業が、必要です。
上手に手入れして、使い込めば、「一生モノ」になるとも言われます。
 
熱伝導率が高く、保温性も高いので、じっくりと食材に火が通り、
外側はカリっと、中はジューシーに焼き上がります。


2)鉄鋼製(てっこうせい)

炭素含有量が少ないです。( 0.04 % ~)
柔らかく粘り気が強いので、薄く成型でき、鋳鉄製よりも軽いのが特徴です。
鋳鉄製同様、油が馴染むまで、焦げたり、サビやすいので、
油慣らし(シーズニング)の作業が、必要です。

熱伝導率、保温性は、鋳鉄製よりも、やや劣りますが、
美味しく焼き上がります。


3)陶器製

陶器製は、カラフルな色で作ることができ、また、電子レンジ調理も可能です。
オーブンレンジなら、レンジで下ごしらえをし、グリルで仕上げる事も
出来ます。

デメリットは、脆いこと。
落下させて、割れたり、欠けさせないように気をつければ、保温性も良く、
カラフルで、お洒落なグリルパンを、そのまま食卓に運び、楽しむことができます。


4)フッ素加工

フッ素加工、テフロン加工されたものは、お手入れが簡単です。
焦げたり、サビつく心配がなく、油慣らし(シーズニング)作業が不要。
調理後も、普通に洗うだけで、大丈夫です。

加工された樹脂膜が傷ついて、剥がれてしまうと焦げ付いてしまうので、
金属製のフライ返しなどは使わない、収納時にも、直接上に重ねたりしないようにする等、注意しなければいけません。

使用頻度にも依りますが、鋳鉄製、鉄鋼製よりも消耗しやすく
買い替えが必要になる場合もあります。

商品によって、加工状態が違います。
また、熱源対応や、お手入れの方法、焼き上がりも違うので、
必ず、商品に添付されている取扱説明書を読んでから、使用しましょう。


【ストウブ(staub)の鋳鉄製・グリルパンの扱い方】

私の、グリルパン・デビューは、ストウブの鋳鉄製。
色々な食材を調理して、美味しいグリル料理を食べたいと、購入しました。

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ストウブ(直径30cm)のグリルパン


使い始めてからの半年程は、ドキドキ。
とにかく、サビさせないようにと、使う度に、お手入れをしていました。

焦げ付かないようにと、調理する時も、オイルを多めに入れて焼いたり、
火加減を調節したりと、色々試してきましたが、
段々と、グリルパンに、オイルも馴染んできて、焼く時のコツも、徐々に理解。次第に、ジューシーに、ふっくらと美味しく焼き上げられるようになりました。
こうなると、やっぱり嬉しくて、グリルにハマっていきますよね。

「グリルパンを育てる」

そんなイメージで、今後も、使い込んでいきたいと思っています。

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今回は、このストウブ(直径30cm)のグリルパンを使って、使用前、使用後のお手入れを中心に、説明します。

同じ鋳鉄製でも、商品によって、取り扱いが異なる場合がありますので、
使用前に、必ず、取扱説明書をご確認願います。


1)使用前のお手入れ(シーズニング)

購入後、使用前に、鋳鉄製、鉄鋼製は、サビ、焦げ付き防止のため、
油慣らし(シーズニング)をします。

① スポンジを使い、お湯で洗ってから、
  布巾などで、しっかりと水気を拭き取ります。

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② オイルを、表面が被るぐらい注ぎ、弱火で5分程加熱します。
  火を消して、そのまま、放置し、オイルの温度を下げましょう。

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③ オイルが冷めたら、ペーパーで、きれいに拭き取ります。
  そのまま、乾かしてから、調理に使っていきます。

※ 折角のオイルコーティングが取れてしまうので、水洗いはしません。

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オイルを拭き上げる

この油慣らし(シーズニング)は、使い始めてからも、時々、行うと
オイルが、よく馴染み、焦げ付きにくくなります。
そして、鋳鉄グリルパンの良さが発揮されていき、さらに、美味しく焼き上がるようになります。

2)調理する時

オイルの入れ過ぎは、グリルパンの良さを消してしまいます。
ペーパーで、オイルを取り、凹凸の「凸」の部分全体に塗るようにします。
 ※ 使い始めの頃は、少し多めにオイルを塗ると良いでしょう。

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ペーパーで、オイルを塗る


火にかけ、グリルパンが温まったら、食材をおき、焼きます。
この時、あまり、食材を動かさないのが、ポイント。
上手に、焼き目が付きます。

大きいグリルパンだと、どうしても場所によって火の通りが違ってきます。
その場合は、ひっくり返す時に、場所の入れ替えをすると良いでしょう。

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野菜のグリル

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いか、たこのグリル

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鶏肉のグリル

なすや、ズッキーニは、キュッキュッと食感が残るぐらいのジューシーさ、
いか、鶏肉は、プリプリッとした食感に焼き上がります。

教室で、グリルパンを使った時のお料理は、こちら。

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いかと蛸のグリル・ひよこ豆のピューレ添え(2020年1月ご紹介)
(Calamari e polpo alla griglia con purea di ceci)

食材の半分をグリルパンで、残りの半分は、フライパンで調理して、
食べ比べして頂きました。
「ジューシーさが、全然違う」「食感が違う」と、その違いを感じて頂けた
レッスンだったと思います。


3)使用後のお手入れ(シーズニング)

ストウブ・グリルパンの取扱説明書には、「ゴシゴシ洗わないように」と、注意書きがあったので、使用後は、柔らかいスポンジを使い、湯で洗います。
 ( 中性洗剤を使う方もいますが、私は、使っていません )

① 洗う前に、キッチンペーパーで、焦げや、残っている食材を、さっと、
  拭き取っておきます。

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② 焦げつきがひどい場合は、熱湯を注いで、しばらく置いておくと
  取れやすくなります。

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焦げつきがひどい時

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熱湯を注いて、しばらく放置して、焦げを取る
使い込んでくると、より簡単に、焦げが取れるようになります


② きれいに、湯洗いした後は、必ず、水を拭きとって、乾かします。
  火にかけて、残っている水分を飛ばしても良いでしょう。
   ※ 水分が残っていると、サビ付きの原因になります。

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水分を、しっかり拭き取る

使い始めの頃は、水気を拭き取ってから、オイルをひと塗りしておくと良いでしょう。
ペーパーに、オイルを取り、凹凸の鍋肌全体に馴染まし、
そのまま乾かしましょう。


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いかがでしたか?
ちょっと扱いが難しそう…と思われたかもしれませんが、
使い出すと、その都度のお手入れも、思ったよりも苦になりません。

なによりも、美味しいグリル料理を食べたら、うん!また、焼きたい!
お手入れして、大事に使おう!と思えます。

次回のレシピ集(9月3日投稿予定)で、グリルパンを使って、野菜を焼き
前菜の盛り合わせの一品として、ご紹介します。

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野菜のグリル
(Verdure alla griglia)


是非、この機会に、グリルパンを、ご家庭でも使ってみて下さいね。

お読み頂き、ありがとうございます。 サポート頂ければ、心強いです。