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【#22 夏バテ】青春高校3年C組

先日、豊洲PITで行われた『青春高校3年C組 デビューKICK OFFライブ』を観に行って来た。

『青春高校』のライブでは決まって隅に陣取る。
その理由を説明するために、まずはこの番組の紹介からはじめよう。

『青春高校3年C組』とは、「秋元康とテレビ東京が『理想のクラス』をつくる」というコンセプトで2018年の4月より開始した番組である。
月曜から金曜日の17:30から放送されており、23:30からLINE LIVEで配信される。
番組内で行われるオーディションを勝ち抜いた素人の男女が約40人が出演し、先生を三四郎やメイプル超合金などの人気芸人が務める。

生徒は女子アイドル部、男子アイドル部、ダンス&ボーカル部、軽音部などに別れて活動している。

なぜ、隅っこに陣取るか。
それは客席のリアクションと共に楽しみたいからである。
生徒の多様さ同様、客層も多様である。
アイドルとメンズアイドルとシンガーソングライターのファン層が一同に介しているのである。

女子アイドル部のファンは男子アイドル部に対してどんな声援を送るのか。
男子アイドル部のファンは女子アイドル部に対してどんな声援を送るのか。

発し手と受け手が異種混合される様を楽しむのが自分なりの『青春高校』の楽しみ方だ。

というのも、『青春高校3年C組』に置ける「青春」とは。
それは「交わること」としてもいいのかもしれないと思うのである。

「萌え声美少女」が「人生を変えたい120kg」とコントに挑戦するとどうなるのか。
「元引きこもり」が「ナイジェリアとのハーフ」と「生徒委員長」と漫才に挑戦するとどうなるのか。

秋元康は「青春」を「チャイムの途中」だと表現した歌詞世界をこの番組内で唄わし得ている。
「チャイムの途中」のような(休み時間か授業時間かが)不可分な時期に「出会い」によって「変わる」ことこそが「青春」だとしている。例えば『君と出会って僕は変わった』(NMB48)では、「イヤホンをずっと耳にして聴こえないふりをしていた」僕が君によって「変わった」世界を。

青春の真っ只中にいる40人の10代が交わることによって「変わる」ことが毎日純度100%でドキュメントされる訳である。
面白くない訳ない。

浅井くんという男子生徒がいる。
彼は入学して以来、引っ込み思案で思ったことを発言できずにいた。

しかし、ある日の放送(3月13日回)で女装して登校することが発表されたのである。
それは彼きっての要望で、他の生徒たちは彼が女装姿で登場するや否や驚嘆するがすぐ後には普通に受け入れているのである。
まるで、それはこれまで表現されてきた(自分は志村貴子作品を真っ先に想起した)物語の世界のようだった。

不器用だって、遠回りしたって、『青春高校3年C組』はカメラを振らずにまっすぐに彼らをドキュメントしてくれる。

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