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【#7 欲望】「好きというのは 反射神経」らしい。

「好きというのは 反射神経」らしい。

日向坂46のデビュー曲『キュン』が発表された。

『ひらがな推し』は毎週欠かさず観ているし、アルバムやライブも一通りチェックしているが、この『キュン』には私は正直ノりづらいなと感じた。

まず、このMVと楽曲で一番に思い出したのは年始の小林よりのりさんのブログだ。


「乃木坂や欅坂になると、もう社会性が全然ない 可愛い女子に夢中になるかどうかの「私」的な話でしかない。」(『わしが AKBに熱狂した理由』 2019/1/4 小林よしのり BLOGOS)

と氏は綴る。

私のような『AKB白熱論争』、『前田敦子はキリストを超えた』、『アイドル工学』まで読んだ若いアイドルファンは希少種だと自覚している。

ただ、それでも最近の乃木坂/欅坂/日向坂の「『キュン』至上主義」にはノれていない。

秋元康はこれまで「スムージー」や「インフルエンサー」など、新しい言葉を歌詞にしてきた。これは彼のマーケターセンスからきたところであり、今回の「キュン」もその一貫であろう。
ただ、これは裏を返せば日向坂に対して「特に何も言うことがない」ということではないだろうか。

人はなぜ自分以外の誰かを「推す」のだろう。誰かを「推す」という行為には動物的な欲望と社会的な欲望とが共存していたはずだ。今回の「キュン」はあまりにも動物的な欲求に依存しすぎではって思っていたりするのが正直なところだったりする。

なんて思いながら、今週の『吉本坂46が売れるまでの全記録』を観ていた。デビューからその成立可能性が疑問視されていた吉本坂46だが、その握手会にたくさんのファンが足を運んでいる様子が映し出されていた。

どっちが美しいなんてわからないが、吉本坂を巡る物語の方が個人的には「好き」なんて思ったりした。

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