反省、あるいは治療
季節の変わり目が僕の心を砕き解す
ようやく固まった決意や、板についてきた心情を
春風とともに、いとも簡単に洗い流してゆく。
目的を攫われてしまった僕はまるで
安心して硬い地面を歩きながら、雪解けに目を奪われていると
知らぬ間に泥濘に嵌ってしまった放浪者のようだ。
泥のような倦怠から逸早く抜け出すには
それが乾くのを待つしかないようだ
必死に藻搔いた所で勝ち目はないのだから。
しかし、その泥濘は決して自然物ではない
それは、私の過去が押し殺してきた心情であるのだから
私は季節が変わる前に、それらを慰めてやらねばならない。
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