小さい水彩道具
今年に入ってから急に絵が描きたくなり、ちまりまと画材を揃えている。絵が得意なわけではないが、画材というものまた道具として惹かれるものがある気がするし、カラフルな絵の具を眺めていると癒やされるので嫌いではない。見るだけなのはもちろん好きである。
ヘッダーの絵は、筆者の地元にある神社の境内である。数年前に帰省したときに撮った写真を見ながら描いた。元になった写真はこれで、この写真もまた構図とかが気に入っている一枚である。
絵のはなし
昔はペンタブを持っていた筆者だが、それが壊れてからというものめっきり絵を描いていなかった。楽しさが見いだせなくなったし、これといって描きたいものもなくなったからだった。
今年の一月に劇場で映画を観たのをきっかけに、数年ぶりに絵を描きたくなった。なんだか少し前までは文章こそが最強の表現方法だと思っていたのだが、なんか気が変わったらしい。我ながら一貫性がないと思っている。
デジタルではなくアナログで描こうと思ったのは、デジタルだと初期投資が高くなるのと、アナログのほうがシンプルに楽しいから、という理由である。これに関しては正直好みでしかないのだが、別に誰かに見せるとか加工して映像にするというわけではなく、趣味として楽しむだけだから媒体はなんでもよかったのだ。ただ、安い方を選んだだけである。
道具の話
何年かぶりに覗いた画材の世界も沼であった。昔は国産の有名メーカーしか選択肢がなかった絵の具類も、今では海外の高級メーカーや個人の手作り絵の具なんてものも流通しているのだ。あと、スケッチブック自作勢が割といることも衝撃だった。スケッチブックって自作できるものなんだ…。手縫いで、製本の仕方を動画で説明してくれる人までいる。いい時代だ。
もっとも、今のところそこまでするつもりはないので、画材店で見つけた小さいスケッチブックを買った。あとはほぼAmazonで揃えた。海外製のものはあまり店頭で見かけないのだ。
スケッチブック
ターレンスのハードカバーで、スケッチブックというよりノートのような見た目をしている。しかし紙質は通常のノートよりも厚みがあり、一応水彩もできないことはない。カラー展開も多くておしゃれなので気に入っている。なにより小さいのがいい。
小さいというのは個人的に重要なことで、なぜなら描くという行為へのハードルが低いからである。大きいスケッチブックに描くのは気合がいるのだ。あと単純に時間もかかる。
だから、すぐ取り出せる場所にはいつも小さなノートを置いている。後述するパレットと合わせると最高にお手軽水彩ができるようになった。
ミニパレット
このパレットは海外製で、Youtubeで紹介されているのを見て知ったものだ。手のひらサイズに37色入れられる上に見た目もかわいい。セラミック製なのでお値段はそこそこするが、ずっしりとした重みには安定感があって汚れも落ちやすく、実用的である。大きな絵を描くには向かないが、ちょっとしたスケッチには十分だ。
筆
当初は水筆を使っていたが水筆は水の量の調整が難しく、穂先も太めなので思ったとおりに描くのが難しい。
ということでこれまたネットで探して携帯用の筆を見つけた。ドイツ製でそこそこ高級品である。この手の携帯できる筆でお手頃なのを見たことがない。軒並み高いので結構長い間購入を迷っていた。しかし使い心地はとても良い。
お絵かき
この三点セットに加えて、ダイソーで購入したスプレーボトルに水を入れておけば水彩スケッチセットの完成だ。スプレーボトルに水を入れるのは海外Youtuberのアイデアである。もっとも、筆者はまだ自宅の外には持ち出したことはないのだが…。外で絵を描くというのは案外ハードルが高いのだ。
とはいえこのセットは自宅でちょっと絵を描きたい気分のときにも大活躍する。パソコンの横にパレットを並べ、膝の上にスケッチブックを置いた状態で水彩ができる。場所を取らないというのはすばらしいのである。
水はどうやって使うのかというと、スプレーボトルの水を数プッシュ、パレットの混色スペースに出しておいて使っている。描き終わったら水をテッシュで拭いて捨てるだけなので片付けも楽だ。筆も紙も小さいので、大量の水を一度に使わないため、これで十分なのである。
画材の世界もまた、道具としての魅力が詰まっているなとここ数ヶ月で思い知り、とくに海外勢の作品や道具の使い方は面白いものが多くて暇があるとYoutubeやインスタを眺めている。
普段デジタルのものにばかり触れているから、こういうアナログな道具や行動に惹かれるのかもしれない。