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とあるエンジニア組織が成長していく軌跡(第2回 ミッション再構築)

第1回では、背景を書きましたが、今回はミッションを再度定義し直した話を。

ところで、エンジニア組織って?

会社の中にある組織は、すべからく価値の提供を求められています。エンジニア組織。と一言で言っても、会社によって求められる価値は様々ですし、そもそも「エンジニア」の定義も会社によってバラバラ。

今いる会社で当てはめるとしたら、システム構築する人をエンジニアと呼ぶ傾向が強いので、モノを作り出す組織と定義して、考えています。

業務分掌では足りない

過去、あなたの組織のミッションは?と聞いたときに、業務分掌がまんま返ってくる事があって、ちょっと違和感を感じていました。

業務分掌は、組織の各単位に配分された、一定範囲の責任を持つ職務を定義するところです。なので、モノづくりを担当する組織の職務は、

モノを作り、世に出す

すごく簡単に言うと、この一言にまとまります。
これが、自組織のミッションなら、

(何でも良いから望まれた)モノを(望まれるままに)作り、
(その役割や期待も知らぬまま)世に出す(ものの、その後は知らない)

とかでも、ミッションは達成できちゃうんですよね。

ミッションの定義

僕なりの組織のミッションの定義は、

内外にある組織の中で、その組織でなければならない理由であり、
その組織で働いてくれる人たちが、将来得られるスタンスを示した定義

であると考えています。事業計画でいえば、コアコンピタンスにも近いでしょうか。これが、差別化の源泉だと思っています。

正確には組織のミッションではないですが、メルカリさんの「Go Bold!」とか、とても素晴らしいですよね。行動原則、わくわく感、将来性、色んな期待が1ワードに詰まっていて、初めて知った時に、そのセンスに脱帽しました。

ミッションはポジティブである

ミッションは、それを聞いた人に与えるイメージは、ポジティブで無ければいけません。

ネガティブなものなんて作らないよ!当たり前だろ!って思った人は、もう少しこの問題を深く感じて欲しいのですが、言葉って、聞く人の精神状況如何でいくらでも違うように聞こえてしまうし、読めてしまうのですよね。

たとえば、メルカリさんの「Go Bold!」大胆であれ。というメッセージですが、より繊細に仕事をしたい人が、「この言葉だけ」聞いたら、イヤイヤそんなんじゃだめだよ。と思うかもしれません。

ミッションだけ伝えてもだめで、その背景にある「理想的な組織」をセットで語らなければ、ミッションはポジティブなものにならないのですよね。

だから、このミッションなんだ

という、納得感と、そこから得れるポジティブさ。が、必要なんだろうなと。

理想の状態へ引き上げるために、ミッションを考える

と、いうことで、僕なりに3つのワードに想いを込めてみました。

1)Pride
僕はエンジニアの根本的な感情に、絶対必要だと思っています。
自分の仕事に対してプライドを持つためには、好奇心と拘りが必要だし、この価値観をぶつけ合うことで、良いシステムは出来上がります。

2)Speed
タスク消化の速さ。ではなく、短いスループットのイメージ。
システムは作って終わりじゃない。この後のビジネスインパクトを出すために、どうやったら速く作ることができるのか。に拘る必要があります。

3)Value
システムを提供する部署ではなく、ビジネスに価値を提供する部署である。
と宣言したかった。僕らが最大限提供できる価値がシステムというだけであり、システムに拘る必要はない。と考えています。

この辺りをつなげ、

Prideを持ち、Speedを意識し、Valueを生み出す。

事を、まず僕らの組織のミッションに定義しました。
拘りと速さのバランスは、価値を生み出すために調整すべきこと。
それが浸透してくれたらうれしい。

そこで働くエンジニアが、笑顔であること。
は、僕の仕事ですね。

ということで、次回は、「組織の3カ年成長計画の提示」を作るところを書いていきます。

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