見出し画像

青春片道切符

懐かしい夢を見た。

もう10年ほど前のおはなし。

わたしいわゆる『高校生デビュー』を狙ってて。(デビューできていたのかどうかは定かではないが。)
結局憧れていたギャルにはなれず、中途半端に頑張ってる女子高生だったと思う。

高校生活で3人の人と付き合ったけれど、
なかでも一番青春を捧げたのはY君。

一年の時、同じクラスになって、
もう完全に一目惚れだった。
わたしは『あ』行の名前で、Y君は『や』行の名前だったので、入学当初は教室の端っこと端っこで、ほとんど接点がなかった。

背が高くて、少し独特な雰囲気を纏う彼に惹かれるのに時間はかからなかった。

高校生の恋愛って、アレだよ。
『恋に恋するお年頃』ってヤツ。
もうね、何しててもかっこいいの。

(きゃー!左ききなんだ!かっこよすぎる!)

(えっ、サッカー部?でもサボりがち?カッコ良い〜!!)

(へー!小田和正が好きなの?しぶい!カッコ良すぎる!みんなEXILEとかなのに!)

もう、とにかくかっこよくて。

でも人見知りのわたしはどうしても話しかけてることができなくて。

他の男子とはどんどん仲良くなれたのに、Y君には全然話すことはなかった。

友達づてになんとかメアドをゲットして。
なんとかメールはできるようになったけど。
(当時はパカパカ携帯!懐かしいね。)

無駄のない端的なメールがまたかっこよくて。

たまに絵文字なんかが入ってると嬉しくて『保存』したりしたなぁ。

結局、話しかけることができず、一年生の間にメールで告白したけれど、玉砕。
確か、好きな人がいるって断られたと思う。

失恋したところに、好きだと言ってくれた他のクラスの男の子がいて。
友達からでも良いから、と言われ
なんだかんだで3ヶ月付き合ったけれど、やはりY君のことが忘れられず。

二年生ではY君とクラスが離れたけれど、やっぱり見かける度に心臓バクバクで、この恋はきっと運命なんだ、と思ってた。

またY君に告白して、振られて、
違う人とつきあって。
でも続かなくて。

三年生になってまたY君と同じクラスになって。

やっぱり好きだった。
好きで好きで堪らなかった。
Y君のことを考えれば息ができなくなるほど胸が苦しくて。

あんな気持ちになったことはあれ以来ない。

三年の卒業間近だった。

『まだ、俺のこと好き?
受験とかあるし、あんまり時間作られへんけど、それでも良かったら付き合う?』
と、Y君からメールがきた。
(今思えばだいぶ上から目線だな。笑)

母子家庭のY君は、すごく頭が良くて良い大学を狙っていることは噂で聞いていた。

そんなY君がわたしと付き合ってくれる!
3年間の想い(途中寄り道もしたけど)が実ったんだ!!

信じられなくて、本当に嬉しくて。
夢みたいで。

携帯を握りしめて涙をポロポロ流したのを覚えている。

大好きで仕方なかったY君と付き合うことになった。

のに。

のに、、。

あんなに好きだったのに。


なんと、
3ヶ月でわたしから別れを告げてしまった。

あんなに青春を捧げたのにー!!
いざ付き合うと、思っていた『彼』とは違ってて…。
いや、わたしが勝手に彼を美化していたのだろう。

もっとよく本当の『Y君』を知ろうともしなかった。

結局、わたしは恋に恋して、理想ばかりを彼に押しつけていたのだ。


その後、Y君とは会うこともなく、わたしたちはそれぞれ良い大人になった。

つい最近
とあるSNSでYくんを見つけて、衝撃が走った。

Y君はホストになっていた!!!
しかもお店の一位、二位を争っている。

上京して、外車を乗り回し、タワマンに住んでいる。。

高校生の時のY君からは想像もできない姿だった。

もちろんホストがダメなわけじゃない。
ダメじゃないけど、、
でも、意外すぎて。。


高校生の時、周りの男の子とは違って見えたY君。
クールで、渋くて、かっこよくて。
わたしの青春を捧げたY君。

一匹狼みたいな雰囲気を醸し出していたあの頃のY君の姿はもうスマホの中には見当たらない。


結局は片想いの時が苦しくて、切なくて、
でも一番楽しかったのかもしれない。

今思い出してもくすぐったくて。
高校の友達に会う度にネタにされる笑い話だけれど。
やっぱり楽しい高校生活だったよね。


キラキラ眩しい青春をありがとうY君。

これからもお元気で。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?