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ノイズがすき
大学受験のとき(たぶん)に読んだ、日本庭園について書かれた文章が頭にこびりついている。内容は日本庭園が、人に与える心理的な影響についてのものだったと思う。それによれば、日本庭園は見る人に厳格さを求める、のだとか。
実際に見た経験は数えるほどだが、たしかにそんな気がする。なにか動かしがたく、どこか近寄りがたい感じがする。
この間ふらっと寄ったカフェがとてもくつろげた。
路地裏にある隠れ家的なカフェだった。ツタを這わせた店構えには入りづらさを感じたけれど、思い切って入ってみると以外に広い店内だった。
ぐるっと見渡すと、普通のテーブル席と、ロフトに座卓が置かれた席があり、面白いつくりの空間になっていた。
スタッフのPC作業場もおなじ空間で、仕切りさえない。椅子や机などの調度品には統一感がみられないし、整然と並べられてもいない。なんとなーくその場に置かれた売り物の雑貨。
日本庭園とは対極にあるような、雑さやゆるさが見え見えの空間だった。
でもきっと、こうした常識ではからめ取れないノイズのような部分が居心地を良くしてくれているのだと気づいた。
こうしたノイズがあると、自分も自分の中のノイズをその空間に紛れ込ませることができる。例えば、椅子や机の位置が気に入らなければ、丁度いいところに多少動かすとか。自分が楽だと思う体勢になる(他のお客に迷惑がかからない程度に)、とか。
「雑さやゆるさは極力なくしたほうがいい。」と頭を固く考えちゃうことが多いけれど(特に仕事では)、そうしたことがくれる安心感もあるんだなぁと思った。
もし、自分がなにか空間をプロデュースすることがあれば、ノイズを大切にしたい。
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