盲人と象と怒り

むかしむかし、とあるところに王国を治める国王がいました。暇を持て余している国王は突然、とあるアイデアを思い付きました。

「大臣よ!象と六人の盲人を召集せい!朕の名を後世永久に残す名エピソードを思いついたわ!」

王令は絶対です。大臣達はテキパキ働いて、象と六名の盲人を宮殿に連れてきました。

「盲目の者達、ここにおる象という生き物に触れ、それが何の形しておるか朕に教えたまえ」

困惑しながら、盲人達は手探りで象に触れた。

足を触った盲人は「柱のようです」と答えた。
尾を触った盲人は「綱のようです」と答えた。
鼻を触った盲人は「木の枝のようです」と答えた。
耳を触った盲人は「扇のようです」と答えた。
腹を触った盲人は「壁のようです」と答えた。
牙を触った盲人は「パイプのようです」と答えた。
その様子を見て国王は(よいぞ、よいぞ!想像通りの展開だ!では朕が的を射抜いたスピーチを披露して……)とうずうずしていた。
象は(なんだこの茶番は?断りなしでベタベタ触りやがって……キレそう。いやキレたわ暴れてやる)と思った。

「バオォォォォーン!」

象はキレた。
足を動かして、足を触った盲人を蹴り殺した 。
肛門から糞を噴射して、尾を触った盲人を溺死させた。
鼻を鞭のように振るって、鼻を触った盲人の頭蓋骨を割った。
鼻を扇いて、耳を触った盲人を顛倒させ踏みつぶした。
しゃがんで、腹を触った盲人を押しつぶした。
頭を振って、牙を触った盲人を串刺しにした。

象の怒りは収まらず、国王に突進した。国王は跳ねられてそのまま字面に衝突して首が折れて絶命した。

暴れ象は3時間後、近衛隊による弓矢斉射によって仕留められた。しかし国王が死に、王子達による王位競争が勃発し、国が内乱に包まれた。

教訓:象をなめるとよくない。

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