じゃ後は頼んだぞ、モーガンフリーマン

今週の火曜日、祖母が逝去した。97歳だった。四川に生まれた祖母は軍人の祖父と結婚し、民国政府の撤退と共に軍眷として台湾に流れ着いた。激動の時代を生き抜き、子供5人を設け、さらに孫が9人の大家族を築いた。夫と子供2人に先を立たれるつつもめげずに日々を堅実に過ごし、やがて天寿を全うした。

そして今日は告別式だ。親族がほとんどブディストのなか、クリスチャンである祖母の要望に応じて式はキリスト教仕様で行われた。俺は肉親が死んでも涙一滴流さなかった冷血漢なので今回も同様に大した感傷も感慨もなかったが、式は素晴らしいものだった。

楽なんだ、とっても。

進行は主に牧師が喋ったり、聖書の内容を講じたり解釈したりして、親族がやることといえばたまに起立して聖句を詠んだり聖歌を歌ったりするぐらい。この数年は参加する葬式は仏教式ばかりで、親族の若輩はしきたりに従って紺色のローブを纏って列をなし、亡者と名と信仰もしていない仏々に向かって何度も跪いたり叩首したりする。まじで大変だし、ちょっぴり屈辱だし、足腰にきつい。親父の時はもっとすごかった。葬式のみならず、死後49日のうちに毎週寺院に行って、信仰もしていない仏々に跪き叩首してたぜ?嫌だったらやんなければいいって?そうもいかねんだ。母は熱心なブディストでな、いい歳して自立せず実家の地下室に住んでいる身として逆らえないんだ。

主旨がずれたな。つまり俺が言いたいのははキリスト教葬式は遺族に変にしきたりで縛らずだけで大変好感を持ったことだ。神って、案外いい奴かもしれないな(信仰心を試すために父親に自分の子供を殺させようとするけど)。対してブッダの奴は絶対ゲイのサディストだと思えて来るぜ。そんなに俺の膝を傷めるのが楽しいか?

『我が教派は遺族に余計な精神と肉体的負担をかけない優しき教えの良さをやっと気づいたか』

月夜に浮かぶ慈悲深き顔……それはまさに神(モーガンフリーマン)ではないか!カインがアベルを殺した小説以来のご登場とは!

『いかにも、私こそがアブソリュートにしてオンリーゴッド、神(モーガンフリーマン)である。今からまた遅くない、この記事を見ているあなたは死後に変なしきたりを遺族に押し付けて嫌われたくなければ、私を信仰し、葬式をキリストスタイルの行うことだ。死んだあとのことはすべて聖職者と葬儀屋に任せ、遺族は金さえ出せば無問題だ』

わお!素晴らしいですね神(モーガンフリーマン)さん!私も子孫に迷惑をかけないよう、葬式をキリストスタイルで行うことにします!

『貴様の場合はまず子孫ができるかどうかが問題なのでは?』

そうでした!

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