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駅弁と満員電車

少し大きめのJRの駅、例えば大宮とか立川とか宇都宮とかには駅ナカにちょっとした飲食店が入っている。蕎麦屋が多いが焼きそば屋とかだったりする。

それに隠れて、たまに小さな弁当屋が入っていることもある。普通は特急電車がとまる駅に、慌ただしく食事を済ませるためにあるのだけれど、稀にそうではない、普通の駅にもこじんまりした弁当屋が入っていることがある。多種多様な駅弁をそろえ、駅をでれば同種のものが300円は安く手に入ると思うのだけれど。

でも、駅弁を食べる特別な時間は300円には替えがたい、魔法のような素敵なChillがある。

たとえば神奈川県民のソウルフードとして名高い崎陽軒のシウマイ弁当。これは、新横浜駅からでる東海道新幹線の乗客のために作られたといっても過言ではない。実際飛ぶように売れる。

新幹線の席に腰を下ろしてゆったりと座ってから、しばらく窓の外をながめ、こころが楽しくなった頃に弁当を広げるのが楽しい。そして各種の具材をわくわくしながら、シナチクで食べるのだ。

しかし、これがラッシュ時の中央線ではそうもいかない。

ぎゅうぎゅう詰の電車内では、幅広の弁当を保持するだけで大変だ。当然食べることもできない。家に帰ってから食べることになるのだろうけれど、輸送に気を遣うものをわざわざ駅ナカで買わなければならないのかといえば、微妙なところだろう。家に帰って旅行気分に浸るのか、あるいは近くの駅からでる特急電車に乗ってから食べるのだろうか。

一度は買って試してみたいものだけれど、毎日の食卓に駅弁がのってしまうのはなんとなく怖い。旅路の楽しみがなくなってしまうみたいで。


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