筋肉が全てを解決する世界の話
今日、新潟から帰ってくる途中で「アーノルド・シュワルツネッガーってすごいんじゃないか」と唐突に思った。シュワちゃんと呼ばれている。
シュワルツネッガー氏はもともとオーストリアの軍人で、18歳にして史上最年少の戦車兵になった。そののちボディビルダーを目指して渡米。圧倒的な筋肉美によってボディヴィルの世界を席巻したのち、ウィスコンシン大学で経営学の学位を得るなどする。
俳優としてのデビューは「SF超人ヘラクレス」という作品らしい。見たことない作品だ。アーノルド・ストロングというふざけた名前でデビューしている。
これが1970年。シュワちゃんの名前を世界に知らしめた大ヒット作品は「コナン・ザ・グレート」という1984年の作品である。原作は、ロバート・E・ハワードのSFである。英雄の活躍と孤独を描く残酷な作品で、重苦しい未熟で野蛮な世界を描いている。「コナン・ザ・グレート」というふざけた邦題だが、もとは「Conan the Barbarian」。バーバリアン、という響きに隠された皮肉は誰だって気づくだろう。
さて、この「コナン・ザ・グレート」を新潟からの特急の車内で思い返し続けたところ、話の筋はなにも思い出せなかった。残念だ。思い出せたらよかったのに。
記憶にあったのは「つまるところ筋肉が筋肉で筋肉を筋肉する話」であった。筋肉で全部解決だ。
筋肉で全部解決する話だからこそこの作品でひときわ光るところがある。それはコナンがフルチンになっているところだ。そこはさすがにモザイクがかかっているのだけれど、筋肉むきむきのコナンがものすごく粗雑なモザイクをかけられて全裸でいるのである。
フルチンでムキムキである。
そりゃもう、きっと立派なものに違いない、と思うに違いない。
「コナン・ザ・グレート」。実はなぜかMMORPGになって、一部地方で大人気になったことは知られていない。長さが調整できるのだ。何のかって、ここまでの話で類推してほしい。
ここには、「ムキムキ」であれば「でかい」に違いないという期待がある。
「非ムキムキ」にもかかわらず「でかい」という期待を裏切る展開もありうる。
キャラクターのパーツは筋肉に依存する。そういうことがある。
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シュワちゃんはすごい、と思った。ムキムキでありでかいに違いない。というかもうすでにいろいろデカい。もうここには生物多様性とか身体的不作為とかなんか何も介入する余地はない。
ただ、「筋肉がデカイシュワちゃんは、あそこもでかいに違いない」ということだ。
僕が言いたいのはそれだけだ。僕はそうではない、普通の人はそうではない。ただ「バーバリアン」だけが持てるものなのだ。
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