ヤンキーの夢を追体験して、ヤクザの仁義に泣き笑い

 どういう理由だかわからないけれど、不良がモテるのは多くの国で共通の現象らしい。ただしその「モテ」は時限付きで、年齢が上昇するとともに不良はモテなくなるそうだ。不良に憧れる少年の憧れはかっこいい大人ではなくクラスをシメている高校生でとどまっている。

 全然知られていないと思うが、ヤンキーゲームというジャンルがある。正式になんというかは知らない。ヤンキーっぽい、アウトローくさい、ヤクザっぽい社会を追体験するゲームで、不良をモチーフにしていることからこういうふうに読んでみた。ソシャゲでも高い人気がある。

  ヤンキー、不良、アウトロー、イケてる俺たち、呼称はなんでもいいけど、その歴史は暴走族漫画と並んで古い。『熱血硬派くにおくん!』とかも、キャラはデフォルトだけどヤンキーゲームだったわけだし、『喧嘩番長』のように文字通り「クラスをシメて」、「天下を取る」物語もあった。

日本でヤンキー文化が注目された時期はいろいろあるのだが、最近では速見さんのヤンキー文化論が一つのエポックだろう。ケータイ小説という〈文学〉側の人間がまったく気がつかなかった領域が大ブレイクし、地域のヤンキーという読者層がいたことを発見したのは、どっからどう見ても「文学」でもなければ、「小説」として認定するのさえ憚られていたケータイ小説は、ヤンキーという文化に歴史があり習慣があるというわけだ。

ヤンキーの世界は幅広く、『爆走デコトラ伝説』、最近だと『黄金爆走!デコトラトーナメント』『黄金爆走デコトラプリンセス』といったデコトラ物があったりするのであった。

『龍が如く』について書こうとして、やめたっていう話。

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