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福岡グルメ・観光

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個人的な福岡のおすすめグルメと観光スポットを紹介しています
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#福岡グルメ

福岡の「明太子」事情あれこれ

誇張が過ぎる『秘密のケンミンSHOW』の影響ばかりではないでしょうが、福岡県民が毎日明太子を食べているイメージは誤りです。印象ではなく、数字で示したいと思います。 最新の総務省統計局の調査によれば、たらこの年間購入量は福岡市が1,555gで1位、購入額でも6,527円で1位。ただし、これを本数で換算すると、1世帯あたり35本の明太子を食べていることになります。単身世帯でも、これでは毎日食べているとは言えないでしょう。 ここから先は印象ですが、自宅で食べる家庭用よりも、贈答

佐藤栞里さんも絶賛!福岡「今屋のハンバーガー」

今夏、テレビ東京では『女子グルメバーガー部』というドラマを放送していました。ここ数年、グルメバーガーといわれる、こだわりのハンバーガー店が増えているとか。 1971年、マクドナルド1号店が銀座に誕生してから半世紀。ハンバーガーは日本の食文化にすっかり定着。より美味しく、多彩になってきました。というわけで、個人的なハンバーガー史と、福岡の絶品グルメ「今屋のハンバーガー」を紹介したいと思います。 子供の頃、地元に先に出現したハンバーガーチェーンは「ドムドムバーガー」。当時は知

博多っ子御用達「水炊き長野」が美味すぎる件

ポピュラーな料理ながら、一応、福岡の郷土料理としても知られる「水炊き」。子供の頃から自宅でよく食べていましたが、専門店で食したのは社会人になってから。 明治時代、市制施行時の福岡市は、おおまかにいうと、武士のまち「福岡部」と商人のまち「博多部」で成立。直後に「福岡市VS博多市」論争が起こるのですが、これはまた別の機会に。 そんな旧「博多部」で仕事をしていた若き日の自分。ある団体の担当をしていて、その新年会が毎年行われていたのが「水炊き長野」でした。味にうるさい中高年の皆さ

「角打ち」発祥の地 北九州ではしご酒

福岡市と北九州市。共に屋台で有名ですが、大きな違いはお酒の提供。北九州市の屋台は、おはぎはあってもお酒が出ません(持ち込みはOKな所も)。その代わりといってはなんですが、北九州市は「角打ち」発祥の地ともいわれ、市内の酒屋さんでお酒が飲める場所が、百数十軒あります。 2005年には「北九州角打ち文化研究会」も発足。北九州市役所も、観光資源として積極的に情報発信し、初心者や女性でも安心できるスポットとして、人気を集めています。というわけで、自分も行ったことがある「角打ち」酒屋さ

三大ちゃんぽんは久留米「光華楼」推し

日本にはさまざまな分野で「三大○○」というものがあります。「三大河川」(信濃川、利根川、石狩川)や「三筆」(嵯峨天皇、空海、橘逸勢)など確定的なものもありますが、「三名泉」や「三大奇祭」などは、4つ以上の候補が入り乱れていて、自称も多い気がします。 長崎市の四海樓が発祥とされるちゃんぽんの場合、「長崎三大ちゃんぽん」なら長崎・小浜・平戸で確定。ところが、「日本三大ちゃんぽん」だと長崎・小浜・天草なのに、「九州三大ちゃんぽん」となると長崎の四海楼・福岡の福新楼・ 久留米の光華

北部九州「かしわうどん」3選

九州を含めた西日本では、鶏肉のことを「かしわ」と呼ぶことがあり、「かしわ飯(鶏肉の炊き込みご飯)」の駅弁が名物だったりします。 「かしわうどん」のかしわとは、鶏肉を甘辛く煮て、そぼろ状態にしたもの。肉うどんより安価な上、そぼろのエキスが汁に溶け込んで濃厚な味。九州らしい柔らか麺に、そぼろが絡んで絶品です。 というわけで、有名な「かしわうどん」の名店を3か所ご紹介。まずは佐賀県JR鳥栖駅構内の立ち食いうどん「中央軒」。構内に4店舗もあり、同じ味のはずなのに「6番線の店が一番

日本一おいしい説 福岡「吉塚うなぎ屋」

現在では鰻料理は全国で食されていますが、「蒲焼」は元々は江戸料理ですし、「うざく」は三重県の郷土料理、「ひつまぶし」は名古屋発祥など諸説あります。 鰻料理を名物としている都道府県の一つが福岡県。大まかにいうと、3地域に鰻屋の密集地&名店が存在します。まずは柳川市。蒲焼をタレをかけたご飯の上に乗せて蒸し上げる「せいろ蒸し」発祥の地。創業1681年の「元祖 本吉屋」を中心に、市内には約30店舗の鰻屋が存在。 次は久留米市。日本三大暴れ川の一つである、筑後川沿いの大善寺町黒田地

福岡「屋台」の流儀

「アジアの玄関口」といわれる福岡市を、最も象徴するものといえば「屋台」。1960年代のピーク時に比べれば、大きく減少したとはいえ、現在でも100軒余りの「屋台」が市内数か所に集中。夜の都心に、何件もの屋台が立ち並ぶ姿は、壮観ですらあります。 とはいえ、福岡の人ならば、誰でも屋台を利用するかというと、そうでもなく。意外に一度も行ったことがないという人も多いものです。自分自身、社会人になって同僚に連れていかれたのがきっかけ。以降、地元の屋台ブックを片手に、全屋台制覇に邁進し、行

福岡のソバ屋で「憩う」昼下がり

福岡はうどん文化ということもあり、子供の頃に自宅で食べる麺といえば、もっぱらうどん(時々チャンポン)で、蕎麦を食すのは大晦日ぐらい。ましてや、外で蕎麦を食べるようになったのは、大学生になってから。 そんな自分の蕎麦ライフを変えたのが、故・杉浦日向子さんと「ソ連(ソバ好き連)」の著書『ソバ屋で憩う』。101軒の蕎麦の名店を紹介したものですが、単なるグルメ本ではなく、酒と共に蕎麦屋で「憩う」という楽しみ方を教えてくれた本でした。ある店はこんな風に描写されています。 仲良し同士

福岡「もつ鍋」個人史

福岡の郷土料理として知られる「もつ鍋」ですが、昔からよく食べられていたのは福岡市を中心とした地域で、以前はその他の地域ではあまり食されておらず、自分も社会人になって初めて食べました。 とはいえ、酒飲みが多い職場だったせいもあるのでしょうが、飲み会というと「もつ鍋」専門店で開かれることが多く、すっかり好物に。また、花見の際などには若手が有休を取って場所取りし、仕事後にやってきた課長が直々に、「もつ鍋」を現地で一からつくりあげて食べるということも。 福岡における「もつ鍋」の人

福岡「焼き鳥」事情あれこれ

日本7大焼鳥(室蘭市、美唄市、福島市、東松山市、長門市、今治市、久留米市)をはじめ、ご当地グルメとして「焼き鳥」を掲げる地域は全国にあります。焼鳥といいながら、豚だったり牛だったり、串に刺さずに鉄板で焼いたり、味噌だれつけたりとバリエーション豊か。 福岡も独自の焼鳥文化圏で、よく言われるのは「豚バラ+キャベツ」。鶏肉メニューではなく、豚バラが一番人気で、いきなり「バラ5本」などと注文する人も多く。 一緒に出て来るのが、ざく切りキャベツの「うまだれ」かけ(無料)。こってりと