ニューラはネコか その後
はじめに
去る2月24日及び25日に第10回リモートポケモン学会が開催された。
今回も両日合わせて10人のプレゼンターが登壇し、様々な視点からの発表が行われた。
登壇したプレゼンター諸氏、そしてリモポケ学会運営に携わっている方々には畏敬と感謝の念を禁じ得ない。
一方、第10回が開催されたということは、私が登壇した第9回から4か月が経過したということでもある。
この発表で、私は「ネコポケモンの充実に伴い、ニューラはこれからイタチ性が発揮されていくのではないか」という結論を述べた。
発表以降から4か月、実際にニューラはネコから脱却し、イタチ性を発揮しているのか。最近の動向から検証してみたい。
公式の動向
■テレビアニメ
2024年現在放送中のアニメ『ポケットモンスター』第40話(2月16日放送分)にて、ニューラとマニューラが登場した。以下が第40話のあらすじである。
この回でニューラとマニューラは、ネコポケモン専門のブリーダーの家で他のネコポケモンたちと過ごしている姿が描写された。
また、上記のポストでアニメ公式とポケモン公式から「ねこポケモン」と発信されている。
テレビアニメは、ポケモンというコンテンツの中では本編ゲームや『Pokemon GO』と並ぶ柱の一つであり、そこから「ニューラはネコ」と明言されたことは軽視できない。
■ようこそ!ポケモンカフェ 〜まぜまぜパズル〜
スマートフォン及びNintendo Switchで配信中のゲーム『ようこそ!ポケモンカフェ 〜まぜまぜパズル〜(旧称『Pokémon Café Mix』、以下『ポケまぜ』)』にて、2月16日から「ニャニャッ? ニューラフェス」が開催された。
タイトルの「ニャニャッ」から推察するに、後に2月22日から開催された「毛糸だいすきニャース」のイベントと合わせて、「猫の日」を意識したものであろう。
『ポケまぜ』は、ポケモンデーなどで扱われる重要コンテンツの一つである。ライトユーザーにも取っつきやすいこのタイトルで、「ニューラはネコ」と発信された事実は大きい。
以上二つの事例から、2024年以降もニューラをネコとして扱っていきたい公式側の姿勢が見て取れた。以降の動向にも注目していきたい。
ファンダムの動向
では、ファンダムでの扱いはどうか。
2月22日の「猫の日」に合わせ、「#猫ポケモンの日」なるハッシュタグがTwitter(現『X』)にて発信、拡散された。
このハッシュタグでは、ファンが猫らしいと思うポケモンのファンアートがたくさんポストされており、傾向を読み取るには都合がいい。
以下の方法で調査を行った。
【計測結果】
総投稿数:269
そのうちニューラ・ニューラ(ヒスイのすがた)・マニューラ・オオニューラを含むもの:16(全体の5.948%)
今回の調査から見て取れた、ニューラのファンアートの傾向を列挙する。
・複数のポケモンを描く中に混じっている場合が多い
・従来の姿とヒスイの姿が並べて描かれているものが多い
・計測からは省いたが、『ポケモンGO』プレイヤーのAR写真ではニューラが人気だった
その他、ネコポケモンのファンアート全体については、以下の傾向が見られた。
・ニャオハとマスカーニャの投稿数が非常に多い
・マスカーニャ以外は進化前が描かれることが多い
・ニャースもさすがの貫禄。
従来の姿が最も多く、次いでガラル、アローラと続く印象
・エネコもよく見かける
・所謂ネコポケモンの括り以外だと、ゼラオラとエーフィが頻出
・その他、レントラーなども
・ニューラと同タイプのパオジアンも1件だけ確認
一般にネコという動物の人気が高いこともあってか、「あらゆるポケモンをネコとして扱う」かのようなファンも少なからず存在するなど、ファンダムの状況は混沌としている。
とは言え、「ニューラはネコ」とするのは、例えばザングース(ネコイタチポケモン)のようなポケモンを「ネコ」とするよりも無理がないため、ネコとされやすい面はあるのだろう。
おわりに
今回の調査結果は、発表の結論と照らし合わせると非常に厳しいものとなった。
しかし、この調査結果によって先の結論が否定されるものではない。
ニューラはネコポケモンとは断言できないが、ニャースを意識したポケモンであり、ネコ性を持つのは確かである。今回は、2月22日の「猫の日」も相まってネコ性を発露する機会が続いたに過ぎない、と考える。
今後も引き続き、情報収集と総括を継続していきたい。
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