氷山の一角

某事務所の芸人所属オーディションを受けてきました。
マイク無し、2メートル先の長机に数人の作家さんらがいる状態での
笑い無しの数分間。懐かしい。NSCのネタ見せ授業を思い出します。

ネタ後にもしっかりとネタについての講評がありました。
「○○な展開があったら…」「△△の部分を掘り下げて…」

これら指摘は正当で、鋭い、間違いなく「なるほど…」と頷けるものであるのは当然として、改めて難しいなと思う所が、
「2,3分でどう収めるか」

ネタ作りをしてる芸人のほとんどがネタを完成させていく工程で、
時間が余るという事はほぼ無く、ほとんどが削りの作業だろうと思う。

大体4、5分あるいはそれ以上の長尺で作って、弱いかなと思う部分を消して、
短い言い回しに出来る部分を換えて、進行の邪魔になる部分をずらして…

そして、どうにかこうにか制限時間に収めてネタを作る。
そして削って削って作った2、3分。

氷山の一角だ。くそデカい粗削りな山から切り出しているが
本当は追加で観光スポット、トレッキングルートに入れたい景色がめちゃくちゃある!

と、ほとんどの芸人がそう思ってるんじゃないかなぁと
オーディションの講評を受けながら、思った。

ネタって言うのはいかにこの一角を上手く切り出す作業か。
という風に捉える事も出来るなと思った。

芸人とは、アイスクライマーである。

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