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妄想言語学

専門家から見ると「アホちゃうか」と思われることを書こうとしている。

「ワンチャン」ということばがある。
何度書いても「ワンちゃん」というのが出てくる🐾

例文はワカモノでないのですぐに出てこないけれど、もののネットによると、「もしかしたら~かもしれない」というときに使うとある。下のサイトでは、

たとえばランチに誘われたとき、あなたの予定が埋まっていたとします。ですが、午前中の予定を早く終わらせることができたらランチに行くことが可能という場合に、「ワンチャンランチに行ける」という風に使うことができます。ほかにも、ゲーム中で負けそうでもまだ勝つチャンスがあるときに「ワンチャン勝てる」と言ったり、単純にそのことを「ワンチャン」と一言で言ったりします。

https://www.oricon.co.jp/article/1579321/

上の引用の例文の場合、「もしかしたらランチに行けるかもしれない」「もしかしたら勝てるかもしれない」ということを言っている。

この場合、「~かもしれない」の部分が「ワンチャン」に置き換わり、文の前に置かれたと考えることもできなくはない。

……というような妄想を、『いい加減な日本語』で書いた。書いたんかい。

このような現象を「変化」と捉えることができるかどうかは、これからの日本語の動向を見ていかないと何も言えないけれど、あえてそれを「変化」と捉えて次のように図示してみよう。

文+かもしれない

ワンチャン+文

「ワンチャン」ユーザーが、「かもしれない」をどれくらい使用するのか、誰か卒論でテーマにして報告してください。

なんで、すでに公刊したことをわざわざここで紹介したかというと、もう一つ同じような表現に出くわしたからである。

先日、道に迷っている風の二人がいて、次のような会話が耳に入ってきた。

「この道で合ってる?」
「う~ん、わかんない。一回、ここで曲がろう」

おお。「一回」とな!?

なんとこの日はもう一度、同じような使い方をする「一回」に出くわした。
それがうまいこと思い出せないのだが、要するにこの「一回」が気になったのである。

この文の発話者は、何回か曲がったら目的地に着けるので、とりあえず曲がってみようと言っているのではない。この人が言っていることは、「着けるかどうか分からんけれど、なんせ曲がってみよう」ということである

よくよく考えてみると、学生達の会話の中に、たしかにこの手の「一回」は出てきていて、

「ちょっと待って。一回落ち着こう」
とか、
「一回休憩しよう」
とか言っている気がする。

何回落ち着いたらいいのか、何回休憩するつもりなのか、とかいうような「回数」を問題にするような表現ではない。


この「一回」は、「とにかく(なんせ)~てみよう」とパラフレーズできると思われる。
回数を数えているのではないところが、辞書の記述とは違っている。
(あえて辞書は引用しておりません。また図書館で調べて報告します)

そうすると、先ほどと同じ図式で、

~てみよう:文+てみよう(ここで曲がってみよう)
一回+文よう(一回ここで曲がろう)

というようになる。
共通点があることにお気づきだろうか。
「ワンチャン」も「一回」も、この要素をαとして、もとの助動詞をβ、文をSとすると、

Sβ→αS

という「変化」として捉えられるのだ。

という妄想。メモとして。
これらが本当にそのような「変化」として捉えられるのか、この「変化」がどれくらいの一般性を持っているのかなどは、もっともっといろんなことを調べて考えないと何も言えない。

単なる思いつき

妄想言語学


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