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阿Q正伝2

阿Qは趙旦那という、地元の名士と、親戚だと言ったりして趙旦那にボコボコにされます。それ以来、なぜか阿Qが有名になり、さらになぜか人々は阿Qを尊敬するように思われます。なぜ?

それは、偉い人が関わった出来事の当事者だからだ。

「豚や羊と同じ畜生でありながら、聖人が箸をつけたために、儒者たちも粗忽なまねはできないのだ。」(p.111)


すごい一言ですな。

ここでも揶揄されるのは、周囲の人々でしょうか。誰がすごいか、誰が偉いか、はたまた、物の良し悪しを自分では判断できずに、「偉い人が関わったから」と、それを良いものと決めてしまう。


よくありますね。僕もブランドに弱い。本当にそれが良いかを見極められる人、尊敬します。


阿Qは、ひげの王と遭遇します。自分より下かもしれないと思っている相手が、自分に目もくれず、衣服に付いたノミを取り始めました。阿Qも負けじとシャツを脱いでノミを取りますが、ノミの数で負けた気になります。とにかく阿Qにとって、周囲に勝っているかを確認するかは大事なことのようです。


勝ってない気がしたので、阿Qは

「毛虫野郎め」

と相手を罵ります。すると、これまでなかったことですが、王が阿Qに反撃してきたのでした。これは阿Qの生涯にとって最大の屈辱でした。


さらに銭旦那の息子にもやられ、散々な一日です。

憂さ晴らしのために、阿Qは通りがかりの尼さんをいじめ、頭をこすりまくります。


「<<跡取りなしの阿Q!>>遠くから尼さんの半泣きの声が聞こえた。

<<ハッハッハ!>>阿Qは、十分の満足感で笑った。

<<ハッハッハ!>>酒屋の連中も、九分の満足感で笑った。」(p.115)


【今日のイラスト】

mikarumaさんから。ありがとうございます。

魯迅は浙江省の出身ということで、ほんとはきっとイメージが違うのだけれど。


【今日の一曲】

Billy Joel allentown

小学校の頃に、Jimちゃんという友人がいた。アメリカから一年間、働きながら日本で生活するプログラムがあって、彼はそのプログラムで来ていた大学生だった。

僕に洋楽を教えたのは彼だった。

ある日、彼は90分カセットテープを僕にくれた。A面にはトンプソンツインズ、B面にはBilly Joelのアルバムが入っていた。一曲目がこの曲。

だから、この曲を聴くと、Jimちゃんを思い出す。

京都タワーホテルの中だったかな、に入っていた東天紅という中華料理の酢豚の値段を見て「たか~~~い」と片言で驚いていた彼を思い出す。

そして、カセットテープに書かれた、丸文字のアルファベット。


【今日の一曲】

この人の曲と声が好きなのです。今日は二曲にしてみた。えへ。


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