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マチズモを削り取れby武田砂鉄

最近読んだ本をいくつか紹介してみよう。

まずこれ。世にはびこるマチズモ(男性優位)を掘り起こし、世に意識化を促すことで変えようとする一冊。取り組み、問題意識ともにいいものだと思う。女性だけを選んでぶつかっていくとか、痴漢を恐れて歩かなくてはならないとか、それは女性にとっては大変なことだ。

印象的なのは最終章で人事のことを書いているところで、日本の組織においては「いる」ということが意味をなすということ。とにかく毎日来いと言われた部活。会議には出席するものだという暗黙の了解(小学校の卒業式みたいな口調になっております)。

なぜ「いる」のか? いないと悪口を言われるからだ。日本ではなぜか、いない人の悪口を言う。つまり、いれば悪口を言われない。評価は下がらない。こういう理路で、いつでも「いる」人が昇進する。そこには実力が考慮されない。そういうシステムとして成り立っている。

全体をざっと読んで、こういう問題意識を持つことは重要であると思う。

一方、文章がいまいち好きになれなかった。
武田氏のラジオは好きなのだけれど、文章はどうなんだろう。もっとシャープに、もっと客観的に書くこともできるのではないかと思った。

 『偉い人ほどすぐ逃げる』も買っているので、もう一冊読んでみて、また感想を書こうと思う。

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