「光る君へ」が面白い!
高等学校で、歴史総合と世界史探究を教えている、五歳児の父親、AKSです。
大河ドラマ「光る君へ」が、どんどん面白くなってきました。
1月から前半は、『大鏡』などをベースにオリジナルストーリーがふんだんに盛り込まれていましたが、ここにきて『紫式部日記』の忠実な再現になってきています。
脚本もさることながら、映像がすごい。
「紫式部日記絵巻」を、映像で再現しようとしているようです。
昨日の9月22日の放送は、脚本がほぼ『紫式部日記』通り、映像がどれも「紫式部日記絵巻」の再現のようでした。
このまま、古典や日本史の授業で使えるのではないでしょうか。
残念なのは、道長と紫式部の関係が、ただならぬものに(1月から)描かれていることなのですが、これは史実では有りません。
劇中で両者が詠んでいた和歌も、紫式部日記にあるものだったと思いますが、ドラマでは、紫式部と道長が和歌を詠む場面を見て、周りが関係を怪しむという展開になっていました。原著ではそうなっていないはずです。
脚本や映像は感動しました。
悔しいのは、これまでも随所に『源氏物語』の場面がオマージュで描かれているようなのですが、地歴科の僕は、国語科の先生ほど『源氏物語』を読み込んでいないので、国語科の先生が気づいていることに、気づかずに見逃している場面が多いということです。
そんな僕が気づいた、というか、とても気になったのは、道長と紫式部が、二人だけで、月を見ていたときに、紫式部が詠んだ歌です。
めづらしき 光さしそふさかづきは もちながらこそ千代もめぐらめ
この歌も『紫式部日記』にある歌で、「さかづき」と「もちながら」から、藤原実資の『小右記』にある藤原道長の
この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたる ことも なしと思へば
の「望月(もちづき)」の表現に影響を与えたとされている歌です。
この展開を見ると、1月からの脚本がこの場面の伏線だったと見ることもできますね。
来週以降も、楽しみに見ていきたいと思います。
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