エンゼルギア その1 雑紹介

エンゼルギアの雑な紹介である。


権利表記とか

権利表記

この記事は「井上純弌(井上純一)/F.E.A.R.」と「KADOKAWA」が権利を有する『エンゼルギア 天使対戦TRP The 2nd Edition』の二次創作物です。
(「井上純弌」の表記は作者が「一」に統一していることを考慮して併記していますが、基本はルールブックに合わせて「井上純弌」と表記しています)

■表記法 Ver.1.02

 この記事では、公式のルールブック、サプリメントと同様の略号を用いてルールブック、サプリメントの名称表記を省略している。また、各項目の読み方に関しても公式と同じ読み方をすることを想定している。
 ルールブックとルールの区別を行う際には、ルールの側を「」をつけた表記で、ルールブックを『』をつけた表記で行うこととしている。
 この表記法に関する部分は改編を含む再配布を自由に行ってもよい。改編した際はバージョンの表記を変更しておくこと。この際、変更の内容に関しては規定しない。
 この表記法は内容に大きな変更のない改変(サプリメントを記事や本書といった表現に変更するなど)ではバージョンを変更しなくてもよい。

表記法のコンセプト
さまざまな記事や公開物の最初に書く項目に関して、そのままでも使用可能な例を挙げることで、オリジナルデータやそれを含むサプリメントの作成者を支援するためにこのような他でも使用できる形式での表記としている。

「エンゼルギア2nd」の紹介

いきなりエンゼルギアと言ってもわからない人もいると思うので、簡単な紹介記事である。

時代とか参考作品とか

少々(?)古い作品なので時代背景や当時流行った中でも影響を与えているような作品、似たジャンルの作品も合わせて紹介する。

概要

「エンゼルギア」は2003年に無印、2009年に2ndが発売されたTRPGで、ジャンルはミリタリーファンタジーとなっている。
「エンゼルギア」の無印の前にアダルトゲームがあるが、ここでは基本的に扱わない。

当初はSPLLのリストになかったが、2023年7月7日付けでSPLLに追加されているため、大手を振って二次創作が可能となっている。

ミリタリーファンタジー

ジャンルでミリタリーファンタジーと言われても、まったくわからないのでもう少しわかりやすくすると、魔法のようなものが存在する現代を舞台としたロボットもののTRPGである。

つまり、雑に言えば「ロボットもの」である。
ロボットものではないと言われることもあるが、ひとまずロボットものとしておく。

エンゼルギアの世界

「エンゼルギア」の舞台となるのは現実の地球を元にした架空の1999年である。
その世界では、人類と天使が戦争をしており、地球の9割以上はすでに天使と呼ばれる怪物のものとなっている。
人類は最後の拠点であるヤシマ(日本に相当する国)でシュネルギアと呼ばれる子供だけが操縦できるロボットで天使を相手に戦っている。

子供だけが操縦できるロボット?

そういうのがはやった時代があった……(少女のみがというのも含めて)今でもそれなりにある気がするやつである。

「エヴァンゲリオン」(1995年~1996年、あるいは~2021年)や「蒼穹のファフナー」(2004年)を思い浮かべた人は合っている。

この作品のイメージは、そういう作品群である。

無印が2003年のため、イメージとしては「エヴァンゲリオン」のイメージが強いが、2009年の2nd、2010年に発売された「エンゼルギア2nd」のサプリメントであるエンドレスサマーのことを考えると「ガンダムSEED」(2002年~2003年)、「蒼穹のファフナー」(2004年)、「コードギアス」(2006年~200年)も入っていると考えてよい。他にもたぶんいろいろある。
なお、これ以前の作品、「マクロス」などの影響も当然ある。

なお、この記事は2024年に「ガンダム SEED」の系譜である『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』の劇場版公開を機とした紹介記事である。

面倒な説明はここまで

背景など面倒なことは多いが、最初に説明するべきことは、
子供だけが操縦できるロボットで天使と呼ばれる怪物と戦うTRPGである。
ということだけである。
その背景となる舞台や物語、設定として、上にあるような要素が加わっているのである。

ゲームとしての特徴

「エンゼルギア」のゲームとしての特徴はダーザインと福音である。
他にもいろいろあるが、今の時代からすると、多くを語るような要素は他にはあまりない。

「ステラナイツ」にあるブーケのようなロールプレイ評価によるヒーローポイントのルールであるパトスとロゴス、「ダブルクロス」にある侵蝕値のようなルールであるアガペーなどのようなルールは存在しているが、とくに挙げるなら、ダーザイン、言ってしまえば因縁や感情のルールの独自さと福音という要素である。

ダーザイン

ダーザインとは、存在証明という意味であり他のキャラクターや世界との関係を表す要素である。これだけの説明だと他で見られる要素と変わらないが、「エンゼルギア」での特徴はダーザインを他のキャラクターからの感情として取得するという点である。
つまり、他のルールでは自分からの好意や敵意を示し、それを力にするところが、「エンゼルギア」では他のキャラクターからの好意や敵意を示し、それを力にするのである。

なお、ダーザインは1~5の段階が設定されており、5になると必殺技のコストになる。
つまり、好感度や敵意を上げると必殺技(オーギュメント)を使うことができるのである。

余談だが、それぞれのパーソナリティーにダーザインが1~5のそれぞれでセリフの例が書かれている。
これは性別や年齢に関係なく書かれている。
つまり、機体の整備を行うおやっさん(好感度最大)が出撃の際に言いそうなセリフや軍人が自身の命と引き換えに足止めをする際のセリフみたいなものが存在している。
どこかで使いたいセリフが揃っている。

福音

福音とは、このルールでの成功の度合いである成功数が100に到達すると、奇跡を起こすことができるというルールである。

なお、基本の難易度は1~5程度、回避の難しいようなボスの攻撃でも20を越えることは珍しい。

しかし、スキルとダーザインを5レベルにすることで使用可能となる必殺技であるオーギュメント、達成値や判定を強化するリソースであるロゴスによって、成功数100を達成することが可能である。
これは必要なリソースさえ消費すれば、他のルールでは判定さえも許されない状況から望む結果を得ることができるという、物語の結末をPLたちが、PCたちが掴み取るルールである。

このままでは悲劇が起こるというのを、奇跡を起こすことで、PLたちの手で別の物語へと変える、別の結末を語るのは、ある意味ナラティブかもしれない。

だいたいは、「奇跡でも起きなければ……」という形でほのめかしたり、難易度99、もしくは難易度100と伝えられるので、だいたい奇跡を起こすところはわかるようになっていることが多い。

シュネルギア

人類による対天使の決戦兵器である人型兵器である。
正確には“第三世代人間戦車”と書いてシュネルギアと読む。

データとしては、本体、FASTパック、装甲、搭載装備、携行装備で構成され、本体に応じたスキルを持つ。

基本的に複座型であり、ふたりで操縦する必要がある。
そのため、シュネルギアを操縦するキャラクターにはだいたいヒロインであるナビゲーターがついてくる。

ナビゲーター

シュネルギアが複座型であるという特性上、とくに関わることの多いキャラクターとして四人のパイロットとしてナビゲーターが存在している。
つまり、このゲームでは公式で四人(あとで増える)のヒロインが登場しているのである。
なお、ナビゲーターはシュネルギアをメインで操縦する側がパイロット、サブで操縦する側がナビゲーターとされているからであり、正確にはナビゲーターだからヒロインということはない。
「エンドレスサマー」ではPCがナビゲーターをするルールも存在している。

ナビゲーター以外はヒロインではないのか?

まったくそんなことはない。
指揮官のヴィヴリオや完全機会化兵(人造人間)のリメッツェなどヒロインは他にも存在している。

世界観

――遠い街に
三発のミサイルが落ちて
僕の国で戦争が始まった

上は「エンゼルギア」でよく使われ、よく引用されているイメージのあるフレーズである。
このように、「エンゼルギア」というのは、どこか遠くだった戦争が身近になったパイロットを中心とした少年少女による戦争と隣あわせの日常と、その周囲での大人たちの駆け引きや苦悩といったものが中心となりがちである。

実際、それに相応しく世界設定も重く絶望的なものである。

しかし、エンゼルギアの世界観はそう暗いだけのものではない。

一夏の物語

エンゼルギアは明確に夏という季節が指定されたルールである。
これは、七月の終わりからはじまり、八月の終わりには人類が滅ぶという設定もあるが、それは奇跡の重なりで変えられるものである。

エンゼルギアは少年少女の日常という明るい側面と戦争という側面、その両方の物語を描くが、重要な立ち位置のPCがギアドライバーということもあり、どちらかというと少年少女の側によりがちなルールである。
そして、夏といえば夏休みである。
そのため、少しえぐいところとかはあるが、基本的には、世界観としては、夏の明るさを持ったゲームである。


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