エンゼルギア その2 ルール改造の提案

権利表記とか

権利表記

この記事は「矢野俊作/チームバレルロール」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『グランクレストRPG』の二次創作物です。

■表記法 Ver.1.02

この記事では、公式のルールブック、サプリメントと同様の略号を用いてルールブック、サプリメントの名称表記を省略している。また、各項目の読み方に関しても公式と同じ読み方をすることを想定している。
 ルールブックとルールの区別を行う際には、ルールの側を「」をつけた表記で、ルールブックを『』をつけた表記で行うこととしている。
 この表記法に関する部分は改編を含む再配布を自由に行ってもよい。改編した際はバージョンの表記を変更しておくこと。この際、変更の内容に関しては規定しない。
 この表記法は内容に大きな変更のない改変(サプリメントを記事や本書といった表現に変更するなど)ではバージョンを変更しなくてもよい。

表記法のコンセプト
さまざまな記事や公開物の最初に書く項目に関して、そのままでも使用可能な例を挙げることで、オリジナルデータやそれを含むサプリメントの作成者を支援するためにこのような他でも使用できる形式での表記としている。

今風にする

「エンゼルギア」は2ndのサプリメントですら十年以上前のルールである。
そのため、現在と当時を比較するといくつもの違いがある。
そこで、その違いを解説しつつ、「エンゼルギア」を遊ぶためのルール改変について提案していく。

ゲームのプレイ時間

個人的な認識も含むが、「エンゼルギア2nd」が出た当時と今では、1シナリオにかかる時間が異なっている。
例えば「エンゼルギア2nd」のサンプルシナリオはいずれも4~5時間がプレイ時間として書かれている。
これにプリプレイも加えるとオフラインでも5時間以上は見ておいたほうがいい。

そのため、この4~5時間というのは、一日でひとつのシナリオを遊ぶ場合にちょうどいい時間である。
午前中に集まり、キャラクター作成やキャラクターの紹介をしてから昼ご飯を食べて、そこから再び遊び、晩ご飯で感想を語ることのできる一日をまるごと使うことを想定した時間である。

ここから遊び方の変遷などもあり、1シナリオあたりの時間が短くなっていく。

次に増えたイメージがあるのは3~4時間というものである。
これは、半日で遊ぶのにちょうどいいぐらいのシナリオである。
半日でキャラクター作成から遊ぶと昼に遊び始めて晩ご飯で感想を語り合うことができる。
これがオフラインがメインだった時代の感覚である。

そして、ここからはごく短い時間で遊べるルール、シナリオというものも増えていく。
オンラインでも遊びやすく、オフラインでも限られた時間で遊べるシナリオである。

こうなると2~3時間というのも出てくるし、さらに進むと1時間~のシナリオも出てくる。

このようなシナリオの場合、プレイ時間は1時間からだが、ロールプレイが長引くことを想定して上限は長めで3時間ぐらいに設定されていることもある。
(シナリオが短くなると、不慣れな場合やロールプレイによる時間の変動を想定してそれぐらいにするだろう)

オンラインを想定したものが増えると、シナリオの時間は多様化していく。
オンラインでは中断というものがあり、これを前提とすればキャンペーンのような長いシナリオをひとつのシナリオとして遊ぶことができるのである。

そのため、オフラインで4~5時間どころか、オフラインで5~7時間というようなシナリオも、逆にオンラインで1時間というようなシナリオも、オンラインの時代ではありうるのである。

これはシナリオの構造にも現れていて、昔のF.E.A.R.のシナリオでは、

導入(オープニング)
チュートリアル戦闘
情報収集(イベント含む)
戦闘(ミドル戦闘)
情報収集(イベント含む)
クライマックス(戦闘含む)
エンディング

という構成(フレーム)が多様されていたイメージがあるが、最近ではこれは長いように思う。

戦闘に時間のかかるルールでは、チュートリアル戦闘を削り、ミドル戦闘でチュートリアルも兼ねるという方向にしたり、戦闘は一度のみにするというような戦闘を減らす方向での工夫、それ以外でもPC数を減らすことでセッション時間を減らすといった工夫がされていることが多い気がする。

エンゼルギアでのプレイ時間

ここから話は「エンゼルギア2nd」に戻る。
「エンゼルギア2nd」にはシーンに登場するごとにアガペーという数値が上昇するというような、ダブルクロスのようなルールが採用されている。
しかし、これはあくまでシナリオの長さが想定の場合でちょうどよいぐらいになることを想定したルールである。
逆に言えば、このタイプのルールは調整方法もあるものの、シナリオの長さを変化させることに注意が必要となるルールである。

実際のプレイ時間に合わせたリソースの調整方法

『ES』P16にある「パトスチットのもうひとつの用法」の、パトスチットを1枚消費してアガペーを1点減少させるというルールを踏まえることと、『ES』P17に「セッションの高速進行」にあるダーザインを操作するためのルールを組み合わせた上で、さらに共鳴判定を使うということになるが、そもそも設定のある共鳴判定を濫用するのか? ということも含めると、
・パトスによってアガペーを減少させることができる。
・ダーザインの操作はアガペーに関係なく行うことができる。
というのに、何か手軽なアガペーを上昇させるルールを追加することが望ましいということになる。

また、本来はパトスによってアガペーを減少させる効果はクライマックスにのみ可能であるが、クライマックスまでが長いシナリオではそうもいかないので、クライマックス以外でも行えるとするほうがいいだろう。

しかし、ここで忘れてはいけないのはリソースのブレーキである。
ロールプレイによってリソースを得ることができ、そのリソースが重要なものであるとなると、長々とロールプレイをしたり、中身のないロールプレイによる停滞が予想され、実際にそういった問題の対策をしてあるルールも存在している。

例えば、「ステラナイツ」では獲得に関しての制限はないが、このリソースの使用に制限をつけてこれを制限している。

そのため、ブレーキをなしにするというのも不安な要素となるだろう。

実際の解決方法

パトスチットによるアガペーの減少は簡単である。
いつでも(もしくはシーンごとに)パトスチットを消費して、消費した数と同じだけアガペーを減少させられるというようにすればよい。
この際、無限に減少させると緊迫感がなくなるため、減少させられる下限値(580程度、もしくは初期値+30)を設定しておくといいだろう。

つまり、

シーンの終了時にパトスチットを任意の数消費することで、その数と同じだけアガペーを減少させることができる。ただし、この方法で減少させられるアガペーはアガペーの初期値+30までである。

というルールを追加するとよい。

セッションの高速進行においては、パトスチットを使用してダーザインを上昇させることが可能であるが、ここで使用するパトスチットはレベル5までで15枚である。
だいたいオーギュメント二つに追加して何らかの効果を使用するには30枚以上のパトスチットを獲得することが必要となるため、結果として停滞する可能性がある。
これに対してある程度のダーザインをレベルアップさせるためのパトスチットを渡すということもできるが、それならば最初から1枚で1レベル、もしくは、不要とするのでいいのではないかとなる。
そのため、

ダーザインの操作はアガペーに関係なく、パトスチットを1枚消費することで1レベル上昇させることが可能となる。

というルールにするといいだろう。

次のアガペーの上昇も簡単である。
これはロゴスを消費することでアガペーを上昇させることを可能とすればよい。
つまり、ロゴスを増やすためだけにアガペーを消費するのである。

いつでも、ロゴスを1点消費するごとに、自身のアガペーを2点上昇させることができる。

となる。2点なのはコストではなく、ただ感情を高めるからである。
この際に、ダーザインの書き換えを条件とするのもいいだろう。

ここまでをまとめると、

シーンの終了時にパトスチットを任意の数消費することで、その数と同じだけアガペーを減少させることができる。ただし、この方法で減少させられるアガペーはそれぞれのアガペーの初期値+30までである。

ダーザインの操作はアガペーに関係なく、パトスチットを1枚消費することで1レベル上昇させることが可能である。

ダーザインを書き換える際、任意の数のロゴスを消費し、自身のアガペーを[消費したロゴスの数×2]点上昇させることができる。

の三つの追加ルールができあがる。
ここに、さらに重要度を増したパトスを制限するルールを加える。
(加えなくてもよい。ブレーキのない比較的新しいルールとしては「サンサーラ・バラッド」が存在している)

では、どのようにしてブレーキをかけるかであるが、ここでは、通常の入手方法での取得では、一定を越えると取得可能数が減少するという方法を提案する。

つまり、何らかの数値を越えると、ロールプレイによるリソース獲得が大幅に遅くなるため、効果的にリソースを獲得するにはシーンを変更する必要があるというものである。
そして、その分、他の方法でのリソース獲得を重視していくこととなる。

例えば、情報収集の成功やイベントの解決によってパトスを獲得できるとしたり、ダーザインの操作時にパトスを獲得したりできるとするといいだろう。

情報収集の成否によるリソースの獲得は、「ルーインブレイカーズ」や「ルートゼロ」の情報収集の成否にかかわらずシナリオが進行するという方式を参考としており、ダーザインの操作時にパトスを獲得するというのは積極的に関係を変化させることを推奨するものである。

これをまとめると、

パトスチットはシーンの終了時に、最も高い【能力値】点までは1枚につき1点のロゴスに、それを越える分は2枚につき1点のロゴスに変更される。
(【聖霊】でいい気もしたが、【聖霊】による格差がひどいことになる気がしたためあえて【聖霊】を避けた。しかし、設定的には【聖霊】でもいい気がする)

ダーザインの内容を変化させることで、そのレベル×2点のロゴスを獲得することができる。

ミドルフェイズでの戦闘を行っていないシーンで、1回以上判定に成功したキャラクターはシーンの終了時に1D6点のパトスを獲得することができる。

これに加えて、シナリオ中でイベントや情報収集の報酬、もしくは失敗時のペナルティーとして、アガペーやパトスに関する効果を含めるとよいだろう。

まとめ

以下がここで提案したルールのまとめである。

シーンの終了時にパトスチットを任意の数消費することで、その数と同じだけアガペーを減少させることができる。ただし、この方法で減少させられるアガペーはそれぞれのアガペーの初期値+30までである。

ミドルフェイズの戦闘を行わなかったシーンにおいて、1回以上判定に成功したキャラクターはシーンの終了時に1D6点のパトスを獲得することができる。

パトスチットはシーンの終了時に、最も高い【能力値】点までは1枚につき1点のロゴスに、それを越える分は2枚につき1点のロゴスに変更される。

ダーザインの操作はアガペーに関係なく、パトスチットを1枚消費することで1レベル上昇させることが可能である。

ダーザインを書き換える際、任意の数のロゴスを消費し、自身のアガペーを[消費したロゴスの数×2]点上昇させることができる。

ダーザインの内容を変化させることで、[変更後のダーザインのレベル×2]点のロゴスを獲得することができる。


これに加え、シナリオの中でパトスとアガペーを与えるといいだろう。
とくに、アガペーの増える要因が少なくなっているため、アガペーは遠慮なく与えるとよい。

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