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先祖代々

私 昔は貧乏でした
っていうと 今が金持ちみたいに聞こえるからいいねー♪

まぁ要するに今よりもっと貧乏でした ( ´ー`)フゥー...
カレーの中にわずかばかりの 
ほんの4,5切れの肉片が(脂身だらけの)
プカプカと浮かんでるんですが 
それを兄貴と競争で取り合いました

年に何度かだけ料理嫌いの母が 近所の肉屋さんに
トンカツを揚げて貰って 買ってくるんですが 
家族4人なのに3枚
1枚を4切れに切って それを3切れが1人分

亡くなった兄はそれを相当根強く恨みに思ってたみたいで(爆)
亡くなる頃までずっと 1枚のトンカツが食いたかった
丸のままのトンカツが~・・・と申しておりました

そういう家庭ですし 菓子屋ですから 休みなんてほぼ無し
年に何回かだけやっとお休みがあって その日が唯一の楽しい日
家族4人で近所のレストラン(ま 食堂です)へ行くんです
ただし食べる物は決まっていて そこで一番安いAランチ

それもそのまま行ったんでは 食べ盛りの子供たち
他になんか食べたいなんて言い出したら困る ってんで
行く前に必ず売れ残った菓子パンを
1個か2個 無理やり食べさせられました
それを食べてからレストランへと向かうわけです・・・

人間のこういう育ち方って面白いですね
今 兄貴のところには残された子供が2人いまして
そのうちの1人がもう結婚して子供がいるんですが
その子がまったく同じ目にあっています(笑)

どこかに行くときにはその子に必ず先に
何か食べさせてからいくそうで
ということは兄貴も子供にそれをしていたに違いない!!
で その子がまたその自分の子供にそれを実践してる・・・と

先祖代々受け継がれる素晴らしい物は多々有りますが
こういうのを受け継がれてもですねー Σ(Θ_Θ;)

でもそんな甥っ子たちの姿を見てると 
なんかいいなぁ~時間が逆戻りしたような 
自分が又幼少時代に戻ったような
そんな錯覚を覚えます

小さな頃にはなんだか悲しい なんだか切なかった事が
大人になると逆に懐かしかったり 素敵に見えたり
大人になるって事には そういう素敵な事も含まれてるんですね

たかが一切れのトンカツに カレーに入ってる脂肉に
安い売れ残った固い菓子パンに 偶然遭遇するたび
悲しいような 寂しいような でも安堵感のような
不思議な懐かしい感情に ふと襲われる事が有ります

ちなみに私もよく3枚のトンカツを4人用に分けたりします(爆)

4分の3がいいね と君が言ったから 
5月7日はトンカツ記念日

   兄貴の墓に彫ってこようかなぁ・・・