精霊の箱


英語タイトルは"Archimage Garret’s Apprenticeship"

「白と黒のとびら」では「僕」が主人公で、本書では「私」が主人公。
上巻が銀の箱,下巻が金の箱の表紙。ギミックというほどでもないけど、こうゆう細かい作りは好き。

敵の網にかかったふりをして自分の網を巡らせよ
世界がお前を軽んじている間に、真の力を身につけよ

塔文字→チューリングマシンの遷移関数(読み取りヘッドの現在の状態、現在読んでいる記号、書き換え後の記号、動く方向、次の状態)
錬金術→足し算のチューリングマシン
銀色の小箱→チューリングマシン
金色の小箱→万能チューリングマシン
布→セルオートマシン

1章 チューリングマシンの表現
2章 文字列のマッチング
3章 二進法による表現
4-6章 情報の符号化と数の計算
〇と●からなる二進法の数字(ティマグ文字)で計算するチューリングマシン
6-7章 さまざまなチューリングマシン
8-10章 二進法による文字の表現、機械の自己複製
11章 万能チューリングマシンの概要、記憶装置
12、13章 停止性問題
14章-18章 電気回路によるチューリングマシンの表現
19-21章 暗号


自動人形(オートマトン)の城
oneshot learningって面白そう。
酒井先生が「「みにくいアヒルの子」がGoogle翻訳で"The Ugly Duckling."にならない」と書いていることに
対して、ならない理由を言語学的に説明すると一冊になってしまうんだろうけど('もちろん、出版の時期からして
そんなことはないけど)、パッパッと説明してMLに踏み込んでほしいと思っていたら、後半に出てきた。
エシカルAIまで踏み込んでいて、続編が楽しみ。
ゼロ代名詞、裸名詞について知る。1.人間の言語能力(人形の前提条件)
・アノテーション済み
・抽象的な概念を表す言葉は辞書的な意味を知っている
・単語の意味と、文の構造から、文全体の意味を計算できる。
2.言葉による意図理解
意味の理解ではなく、意図の理解
・「矢を拾え」→一般名詞の解釈→裸名詞が文中に現れた場合、その解釈にはさまざまな可能性がある。
→さらに裸名詞がロール概念を表す場合、それが指す対象の特定が難しくなる。
・何かを指し示すための言葉→指示詞、代名詞の解釈
→とくに日本語には音声を伴わないゼロ代名詞が存在するために難しい
→照応表現
・「厚めに輪切りにする」→形容詞、副詞の解釈
・「襟元をゆるめて」→動詞、動詞句の解釈
・「珈琲と茶をカップに」→等位接続と数量表現
→等位接続構造や数を表す表現を伴う名詞句は、集合的か分配的かという曖昧性を持つ
・「門の中に、誰も入れるな」→量化表現一般解釈
→集合的か分配的かという曖昧性を持つ
・どの語がどの語に影響を与えるか→文構造の曖昧性
・「お腹がすいたんだけど」→発話の適切さの理解
→言外の意図の解釈
・意図を理解する機械の可能性

3.言われたとおりに行動すること
話し手の意図を推測したとして、「指示を遂行するために、適切な行動をとることができるか」
・行動の選択
→補完→フレーム問題
→人間はとりあえず行動することができる。→試行錯誤を積み重ねることができる→強化学習
→人間は、数少ない例から一般化(仮説)の形成→仮説の修正→新たな仮説の形成を繰り返せる
→oneshot learning(少ないデータから学習する)
・よくできる人の行動
→価値観の共有
・指示者の許容度とスキルの限界
→聞き返す機能
4.その他の話題
罪悪感、笑い


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