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ミドルネームは「イエロー・ファースト」

「水彩は難しい」と思っている人が多い。たぶんやり直しがきかないから難しいと思っているのだろう。それは違う。いつかそのことについては説明したい。
さらに、オーストラリアでは、圧倒的に油絵の方が人気が高い。

なので、できるだけシンプルな方法で生徒さんが水彩を習える方法を日々わたしは考えている。

そのひとつが、「イエロー・ファースト」。赤いりんご描くときにも「黄色を最初に塗りましょう」と指示する。太陽の光としての黄色がベースにあると上に乗る色が輝くからと説明している。

一人だけ、黄色を最初に塗るのを拒否した女性がいた。彼女はその次からレッスンに来なくなった。たぶん、なんらかの個人的な問題を抱えていたのかもしれない。たまにそういうことがある。

私が生徒としてワークショップに参加した水彩の先生は、油絵も描く人だった。彼が興味深いことをみんなに話した。「人間関係で悩んでいる期間、僕は油絵は描けても水彩は描けなかった」と。彼によると、油絵はネガティブな気持ちを隠して描くことができた。でも、水彩は気持ちが出てしまってダメだった、と。

興味深い。

たぶん、水だから気持ちが一緒に流れ出てしまうのだろうと私は思った。

私はどうか。

たしかに・体調が良くない時は水彩は描きにくい。水と顔料が勝手に動いて・コントロールが効かないストレスを感じる。体内のエネルギーが大量に流れ出て行くような感じがするのだ。
元気な時はそれが面白く楽しいのに。

そういう時は、断然えんぴつやペンでカリカリ描く方が心地よい。えんぴつを紙に押し付けた分だけシルシがつく、それは勝手に動くことはない。その安定が心地よい。

教室でひんぱんに「イエロー・ファースト」と私がいうので、もし私にミドルネームをつけるなら「イエロー・ファースト」にしようと決めている。

さらに名字の選択ができるなら、ピンクストーンという名字を選びたい。

ずいぶん前のことだが、運転中に私の過失でバイクに乗っていた女性と接触事故おこした。一緒にポリスに届けに行ったときに、彼女の名字が「ピンクストーン」だとわかった。なんて素敵な名前なんだ。

Ako YellowFirst PinkStone これがわたしのドリーム・ネーム。

嫌なことがあった日は、きいろとピンクが並んだ名前のことを考えて気分を上げる。そして、えんぴつでカリカリお絵描きする。

あの日、水彩の色ぬり「イエロー・ファースト」を拒否した彼女は、本当は色えんぴつで描いた方が気分が落ち着いたのかもしれないな・・・。次があるとしたら、色鉛筆を出してあげよう。

追記:今回のえんぴつ画はyellow firstでググって出てきた画像から選んだ写真をもとに描きました。アボリジナルの男の子。かわいい。

えんぴつ画・MUJIB5notebook

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