花の一枚　3

ぼぉーっ・・・とするー・・・。

朝起きた一言目がそれだった。外はめっちゃいい天気なのに、私の頭は諸事情により、どんより・・・。仕方がない。起き上がらないことには一日が始まらない。

やっとの思いで起き上がって、朝食作りにとりかかる。といっても、食欲もあまりないので、雑炊の素で手抜きご飯。手抜きだろうがなんだろうが、ご飯を食べないことには薬が飲めない。

朝ドラをぼーっと見ながら、カタツムリかよっていうくらい、もそもそご飯を食べて薬を飲み、とりあえず洗濯機を回す。いつもどおりのルーティンで動けば少しは気が紛れて動けるのではなかろうかと。

それにしても天気がいいなあ。

梅雨前の晴天。朝からの日差しがいい感じに庭に降り注いでいる。ん？待てよ。この日差し、写真を撮るには絶好の光ではなかろうか？ぼーっとする頭でそんなことを思いつき、着替えて外へ出ることにした。

外は適度に風も吹いていて、何をするにも快適な空気になっていた。ドライブしたい・・・おしゃれなカフェ行きたい・・・海ではしゃぎたい・・・山で美味しい空気吸いたい・・・いや、だめだ。今のこの頭では、近所のスーパーへの買い物も微妙だ。

猫の額ほどの家庭菜園では、野菜が順調に育っていた。トマトはもう黄色い小さい花がついている。トウモロコシが強風に負けず倒れずにすくすく育っている。ナスは葉っぱをかじられているが新芽が出てきている。がんばれ！野菜たち！だが、今年はその野菜たち以上に咲き誇っている花があった。

撮った！

玄関横の花壇だ。今年の冬は全然かまってあげられなかった花壇だったが、春になった途端、花がいっせいに咲き誇ったのだ。基本、放置プレイの花壇なので、毎年遠慮がちに花が咲いていたぐらいだったが、今年は文字通り「咲き誇って」いるのだ。

特別に肥料を施したわけでもない、あらためて土づくりをしたわけでもない。何度も言うが、今年は本当に可哀そうなくらい何もかまっていないのだ。それなのに、こんなにたくさんの花が咲いた！

植物の生命力って強いなと、あらためて感じた。こんなに堂々と咲いている花を見ると、そっか、負けてられないな、という気持ちにもなってくる。相変わらずぼーっとした頭の中で、しんどいけど、がんばらなきゃな、と思うのであった。

花に励まされる日がくるとはね。