「深夜の電話」第32話

1匹ずつ太い鉄格子の檻に入れられた猿は、いつも神経質で、極めつきに凶暴だった。格子に獅噛ついて暴れ、牙を剥いて吠え、格子の間から精一杯に腕を伸ばして掴みかかろうとし、少年に向かって糞を投げつけた。少年はそれを見るのも恐ろしく、檻の向かい側のコンクリートの壁に張り付くのだった。……続く

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